『立川競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:1月4日
 2015年の記念開幕戦。立川競輪場を舞台に開設63周年記念「鳳凰賞典レース(G3)」が冬晴れの4日に4日間シリーズの幕を明けた。メーンの特選3個レースは浅井康太、脇本雄太、中川誠一郎がそれぞれ白星スタート。明日の2日目は優秀競走「初夢賞」をメーンに、二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
 場内ではファンサービスやイベントも盛りだくさん。開催中4日間を通して、入場者先着プレゼントを進呈。明日5日は先着2,000名様にお菓子(「プルミエール」のリーフパイ)にカイロが配布されます。また山口健治氏予想会(3R終了後)、吉井秀仁氏予想会(6R、9R終了後)、落語家・立川吉幸氏突撃予想会(5R、8R終了後)、稲垣裕之選手トークショー(4R、7R終了後)、お子様向け縁日(開門~15時)などイベントも多数予定されております。ぜひ、本場へ足をお運びください。
<1R>
 後ろ攻めの森田康嗣が動くと、森田ラインに続いた志村龍己が打鐘先行の才迫開後位でイン粘り。前団のモツれを尻目に中団6番手を確保した森田がバック手前からまくると、その仕掛けに続いた栗田雅也が直線一気に伸び切った。
「ギアは正直スカスカしていました。森田が後ろを見てたし、バック手前では行くだろうから森田の仕掛けを待ってと思っていました。良かったです。アピールできました」
 栗田の強襲に屈したものの、先まくりを打った森田康嗣は2着に入った。
「最後に後ろを見たとき、藤田(竜治)さんと思ってたら栗田さんだったから、栗田さんのスピードが凄かったです。前が緩んだら、ホームくらいから行ければいいなと思っていました。緊張で終始吐きそうでした。このギアでもいける? 今日は展開なんで」
 先行した才迫開だが、最後まで粘り切れず着外に終わった。
「4コーナーでカマせるくらいでいきたかった。いつも長い距離が踏めないです。脚がないんですかね」

<2R>
 赤板から上昇した佐川翔吾がペースを握った。一本棒のまま最終バックも通過すると、別線の反撃も振り切って新年1着でスタートを切った。
「粘れるかなと思いました。いけるところまで頑張ろうと思ってました。きつかったです。直線長いと聞いていたから、油断しないように気を付けてました。今日は自分のペースでした」
 上手く中団を取った小川祐司の仕掛けに乗って、直線鋭く伸びた渓飛雄馬が2着に突っ込んだ。
「だいぶ余裕がありました。小川君が焦って、フラフラしててもったいなかったです。練習を見ているし、(レースでは)余裕がないんでしょうかね。一人でやれば愛媛のトップクラスなのに」
 番手絶好の大庭正紀だったがギアの影響か伸びを欠いた。
「もう少し(ゴール前で)アタリをつけながら踏めるかなと思ったけどね。まだポイントが分からない。たまたま前が強くて残っただけで、後方になるとキツそうですね」

<3R>
箱田優樹選手
箱田優樹選手
 打鐘過ぎに三ツ石康洋を叩いた箱田優樹(写真)が後続の出方を確認しながら軽快に逃げる。そのまま力強く押し切り、新年最初のレースで幸先の良いスタートを切った。
「ギアは重いのが得意ではないので、ちょうど良い重さです。軽いので練習してきたので良かったです。周りも(ギアが)軽くなったので余裕ができて、落ち着いて走れました。今回のギア規制は自分にはあってる気がしますね。良いスタートが切れました。1着は嬉しいです。また明日頑張りたいです」
 野木義規はきっちりマークし、北日本ワンツーを決めた。
「(箱田が)すごい強かった。あと半周はいけますね。後ろから見ていて気持ち良さそうだった。ワンツーでよかったです」
 最終4コーナーで内を突いた守安政雄は3着での勝ち上がりに笑顔。
「どこも行くところがなかったので前へ前へ行った。3コーナー入ったとき先頭まで見えました。ギアはちょうど良いです。今日のバンクコンディションにギアが合ってる感じはします。風もなくて走りやすかったです」

<4R>
 打鐘過ぎに近藤寛央が斬った上を山中秀将が叩いて主導権。後方8番手に置かれた坂本健太郎だが、最終2コーナーから目の覚めるようなスピードでまくって圧勝した。
「思ったよりみんな動きが早くて、動きはけっこうありますね。ギア落ちてまだ一発目ですけど、俺はやりやすかった。大ギアブームに乗れなかったんで(笑)。(バンクも)この時期は重いけど、軽かったし、風もなくて。このバンクコンディションが続いてほしい」
 最終3コーナーから外を踏み上げた鈴木伸之が2着に強襲した。
「もうちょっと前にいたかったですね。ホームで行ければよかったんですけど。なんとか、本当になんとか届いたんで良かったです。バンクは風もなくて走りやすかったですね」
 中団を確保した地元の近藤寛央が最終3コーナーからまくり上げて4着。昇級後初めての地元記念でうれしい勝ち上がりとなった。
「うまく位置が取れたし、自分のいつも通りの走りができました。S級は雰囲気が違いますね。S級目指して選手になったんで。3コーナーでのお客さんの声援もすごく聞こえました。バンクも冬の立川にしては穏やかでした。これで4日間走れるんでよかったです」

<5R>
蒔田英彦選手
蒔田英彦選手
 中団から先に斬った佐藤朋也が重倉高史を受けて中団を確保。しかし、8番手に置かれた蒔田英彦(写真)がホーム過ぎからカマすと、合わせる重倉を力で飲み込み、そのまま1着でゴールした。
「良いところでいけました。3回転マジックですね。誘導の後ろに付いてるときから緩いなと思っていたので、出切れるかなと思って。自分も出切って一杯だったんだけど、後ろも一杯だったんだろうな。ギアが味方してくれました。一枚落ちただけなのに、凄く苦しいです。積極的に行かないと駄目なんだなと思いました。予選(記念)クリアなんて何年振りだろう。凄く嬉しいです」
 蒔田のスピードを大西健士がしっかりマークした。
「今日は本当にきつかったです。余裕はなかった。蒔田は強いです。もう一周あっても抜けないです(笑)。良いスタートですね」

<6R>
 後ろ攻めの山崎光展が打鐘から全開でフカす。これで7番手に置かれた土屋壮登だったが、1コーナー手前から一気に巻き返すと鮮やかに前団を飲み込んだ。
「(打鐘で)すぐに行きたかったけど、あれだけ踏まれると。それにいつも行って失敗してるので落ち着いちゃいました。上位(が相手)ならあそこで叩かないと終わるんでしょうけど。ギアは3.92でよかった。今は自分のギアで試して、もうちょいしたらまた考えます」
 地元の佐久間仙行は土屋の仕掛けにきっちりと食い下がった。
「絶えずギアが軽いから誘導も早く感じるね。疲れたけど、よかったです。声援が多かったので、土屋も早く行ってくれたんじゃないですか? ギアが軽いからレースでもメリハリをつけないとダメかもね」
 中団確保の阿部力也だったが土屋に先に仕掛けられ3着が精一杯だった。
「中団までは予定通り。でも、そこからの感じは思ってたのと違いました。ギアはすぐに慣れると思うけど、まだもうちょっとかかりそうですね」

<7R>
 隊列の入れ替わりがあったが、最終的に城戸崎隆史が主導権を握る。3番手から雨谷一樹が先まくり。その上を伊藤裕貴がまくり切り、最後は番手の朝日勇が鋭く差し切った。
「前のおかげです。それに尽きます。展開も(伊藤)裕貴が作りましたし。裕貴は競走が上手ですね。(バンクは)走った感じはすごく軽かったです」
 伊藤裕貴は5番手から力強くまくり切り、ラインを上位独占に導いた。
「先行したかったんですけど、まだ自分の距離じゃないなと思ったんで。雨谷(一樹)さんに見られてなかなかいけなかったですね。修正はできると思います。今日中になんとかしたいですね。(ギア規制で)リズムが違うんで、競走でのリズムを上げれれば良いと思います。明日が勝負なんで頑張ります」
 ライン3番手の家田真宏が3着に流れ込み、中部勢で確定板独占となった。
「やった方です(笑)。なんとかなると思いながら走りました。軽いギアでそれなりの練習もしてきたし、セッティングも戻しました。そんな悪い感じもなかったです」

<8R>
山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 打鐘で須藤誠、永田隼一の2人が落車するアクシデント。5番手からまくって1着になった山賀雅仁(写真)だが手放しでは喜べなさそうだった。
「(須藤と)ワンツーを決めれれば一番良かったんですけど、落車してしまったし、素直には喜べないですね。ここまで自信持って4走くらい3.92で走ってきたんでアドバンテージあるかなと思ったんですけど。今までの4走を考えると車の出はイマイチでしたね。最後はギリギリで抜けましたけど、行けると思った感覚と、抜いたときの感覚が違いました」
 落車を避けて山賀を追走する形になった黒木誠一が2着に流れ込んだ。
「ギアも軽くなったけど、最後は立川やから届いた。もっとはよ行けばよかった。体調はそんなに良くなかったけど、それを考えたら上出来。体調が良かったら抜けてたかもしれん」
 番手絶好だった芦澤辰弘だが3着に。
「小原(唯志)さんがあそこから行ったら誰も出れないと思った。車間空けるのも怖かったです。(直線は)上手く仕事しようと思ったけど、大外の黒木さんまでは予想外だった」
 逃げた小原唯志はゴール前で交わされ4着も勝ち上がりを決めた。
「今日はしょうがないです。あとはペース配分をしっかりして。明日も先行で頑張ります」

<9R>
山田義彦選手
山田義彦選手
 先行態勢に入った山本恵介が東矢昇太を突っ張ると、そこをホームから山田義彦(写真)が一気にスパート。番手の高橋大作が離れると、バックからは一人旅。前検日にもらした不安とは裏腹に力強い走りで快勝した。
「4コーナーからガス欠でした。みんな(ギアに)慣れてなくて、たまたま出れただけです。前期の点数は忘れてほしかったんですけどね。ギアは駄目ですね。感じ的には前の乗り方で良いと思います。修正だらけだなと思います。1、2カ月の間に修正して勝てるように頑張ります」
 最終バック4番手から、加倉正義が追いこんで2着に入った。
「勝ち上がれたけど、レース内容は良くないです。修正する所がたくさんありました。ポイント、ポイントの踏み出しとかね。ギアの違和感とか、不安はなかったです。競輪をやめるまで答えは出ませんね。集中して頑張ります」
 レースの流れを作った山本恵介。最後は直線で追い込まれてしまったが、4着で二次予選に勝ち上がった。
「レースは動かせたし、勝負圏にはいたと思います。あそこで飛び付ければ良かったんですが、勢いが違ったから仕方ないです。作戦のなかの一つで、それは形になったんですけど、口が空いて苦しい展開でした。ギアが軽い分、脚の張りが楽な気がします。出し切れていないだけかもしれませんけどね」

<10R>
浅井康太選手
浅井康太選手
 打鐘から内をすくって前に出た山田久徳を追えず、人気の浅井康太(写真)は7番手に。それでもバック手前から踏み上げると、直線でも鋭く伸びて力の差を見せつけた。
「今日のレースは普通です。8割位の力だったし、直線で踏んだだけです。今日のギアは3.85で、ギアはまだ上げれるので、92ならもっと楽に出ると思います。今日は回して終わりました。明日は中部3番手なら回ろうと思ったけど、単騎で試したいこともあるので、単騎でやります」
 3番手からまくり返してきた山田を林雄一が2センターでブロックすると、空いた内をすくって後閑信一が2着に入った。
「ホームで行ければ良かったんですけど、前のギアだったら行ってましたね。バックで脚が一杯でした。林君と重ならなかったら、面白かったかもしれませんね」
 内をすくわれた林雄一は、そのまま前に踏んだが後閑に先着を許してしまった。
「2車で、しゃくられちゃったのはしょうがないです。最後は後閑さんに踏み負けました。(和田)真久留も強かったし、ライン3車だったら決まってたと思う」
 山田後位に甘んじることなくホームから前に出た和田真久留は「立川は直線が長かったです。出し切るレースは出来ました。明日につながると思います」と4着の結果にも納得の表情。

<11R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)が打鐘で安部貴之を叩きにいくと、安部は番手で粘る。しかし、村上義弘が最終ホーム前に一発で安部を退かすと、別線は対抗できず。脇本がそのまま押し切り、近畿ワンツーで決めた。
「最後、脚はいっぱいだった。初手が難しいですね。考えていかないとダメだなと思いました。粘られるケースが増えてくると思うので、きっちりワンツーできるように。押さえ先行で行って(村上と)押し切ってのワンツーは初めてかもしれないです。これからいい流れに乗って、高いレベルで、G1でもワンツーできるようにしたいです」
 番手をきっちり死守した村上義弘が脇本に続いた。
「大ギアに慣れててタイミングが取りづらかったです。反応ができてないです。明日は付いて行くことだけに集中していきます」
 村上に退かされた安部貴之は3番手で態勢を立て直して、そのまま3着に流れ込んだ。
「余裕がなかったです。あの2人(脇本、村上)がすごい強いから。負けてもチャレンジャーなので今日はしょうがないと思いました。とりあえず3番手とっていければと思ってたんですけど。ホームで脚がなかったです。またしっかり練習してきます」

<12R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 打鐘で飛び出した田中誠が後ろを警戒しつつ一気のスパート。中川誠一郎(写真)は田中のスピードが鈍る前に最終バックから番手まくり。そのまま1着で優秀「初夢賞」へ駒を進めた。
「最後抜かれなかったんで、感覚的には悪くなかったと思います。あれだけ(田中が)行ってくれたので、(荒井崇博と)ワンツーを決められてよかったです。フォームが乱れてたんで、そこをちょっとずつ修正していきたいです。ギアに関しては軽いんで楽は楽ですね。多少慣れも必要だと思いますけど。立川は普段重いんですけど、ギアのせいか軽く感じました」
 荒井崇博がきっちりと中川に続き、九州ワンツーを決めた。
「付いとったらもしかしたら(抜けるか)と思ったけど。ワンツー決めないかんと思うけん。(中川)誠一郎やけん、あれで来る人間はおらんよ。強かった。ギアは3種類くらいあるんで全部試していきたい」
 中団をキープした飯野祐太は荒井を追い、そのまま3着に流れ込んだ。
「感覚自体は良かった。ホームから1コーナーで仕掛けるタイミングはあったけど、そこで行っても合わされてたかも。もうちょっと踏めればよかったけど。明日は脇本(雄太)さんを駆けさせないように、しっかり自分のタイミングで行きたいです」
 7着に終わった深谷知広はレースが終わった後もフォームの修正に余念がなかった。良いときのイメージを取り戻そうと必死な姿が印象的だった。
「レース通りの結果。力が落ちてるんで、一戦一戦しっかり戦っていくだけです」
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