『川崎競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:4月4日


 川崎競輪場開設60周年記念「桜花賞典・海老澤清杯」が今日から開幕した。好天の下、1レースから熱戦が展開された。メインの特選3個レースは五日市誠、村上義弘、紫原政文がそれぞれ制して白星スタート。特選の上位3名が明日の優秀競走「ダイヤモンドレース」に進出した。
 明日(5日)も先着4000名様に抽選券を配布し、クオカード等をプレゼント。ルーキーチャンピオンレース優勝者当てクイズ抽選会も行われます。場内では吉岡稔真氏によるトークショーやとんとこ飴実演販売などが予定されています。また、明日は94回生の精鋭9名によるルーキーチャンピオンレース「若鷲賞」が行われます。ぜひ、本場でお楽しみください。


<1R>
 前団がもつれたところを岡崎和久がまくると、切り替えた山田晃久が直線で鋭く差し切った。
 「竹内(公亮)君がカマしてくれたけど、高谷君に合わされてしまいましたね。高谷君の先行では誰もまくって来れないと思ったんですが、岡崎さんが来たのでスイッチしました。身体の反応が良かったし、直線も余裕がありました」
 まくられた高谷敏史は首を傾げる。
 「調子は前回と変わらないと思うけど弱いですね。脚がないです。レースも見えていない感じがするけど、気を取り直して明日も頑張ります」


<2R>
 伊藤成紀が内を突いて先行。三番手で立て直した宿口陽一が好回転でまくって快勝した。
 「(伊藤が)中団狙いかと思って油断してしまいました。ああいう展開になってしまったので、あとは三番手で車間を空けて、詰める勢いでまくっていきました。今日は逃げたい気持ちが強かったんです。その方が周りの評価も高いですから。明日はきっちり逃げて勝ち上がりたい」


<4R>
橋爪亮選手
橋爪亮選手
   石井秀治が内をすくって先行したが、中団の四番手を確保した橋爪亮が力強くまくり切り、好追走の松島伸安がゴール前できっちり捕らえた。
 「内から先行されたけど、自分としては前を信頼して付いていくだけでしたから。中団から無理やり行った感じだったけど、良く頑張ってくれました。あとは抜くだけでしたね。前回の小倉が散々だったんですが、そのときよりは上向いていると思います」
 2着の橋爪亮(写真)はレース内容を反省する。
 「内から行かれて脚にきちゃったんですが、後ろに迷惑をかけてしまったので、いけるところからいこうと思いました。苦しい展開でした。野木(義規)さんのところを何とか乗り越えられました。自分の形ではなかったので、明日は今日の分もしっかり主導権を取りたい」


<5R>
 先制した地元コンビの三番手から小笠原昭太が直線一気の追い込みを決めた。
 「緩んだところを森川君が行ってくれました。後ろが離れているのが分かったし、もう3人で決まったと思いました。申し訳なかったんですが、少し早めに踏ませてもらいました」
 番手絶好の勝瀬卓也は2着。
 「僕も楽でしたが、小笠原さんも楽ですからね。あとはどういう風に前を残すかだったんですが…。もうちょっと車間を空けておけばワンツーだったと思うけど、ちょっと余裕がなかったです。お客さんに怒られてしまいました。脚の状態は問題ないと思います」
 森川剛は粘れず3着に敗れ、二次予選へ気持ちを入れ直す。
 「今日は前を取ってカマシかまくりを考えていました。仕掛けは良かったけど、バンクが重く感じました。明日はギアを下げるかも。1走して少し軽くなると思います」


<6R>
足達重満選手
足達重満選手
   足達重満が徹底先行の乾準一を打鐘から突っ張って先行する意外な展開に。番手絶好となった和田誠吾が直線楽に追い込んだ。
 「足達サマサマですね。恵まれました。乾が相手だから厳しいと思っていたけど、まさか突っ張り先行とは。いつ飛び付くのかと思いながら付いていました。4レースで後輩の市本が勝ち上がっていたし、自分も頑張らなきゃという気持ちだったので結果が出て良かったです」
 突っ張り先行で3着に粘った足達重満(写真)は満足そうにレースを振り返る。
 「隙があれば先行も考えていました。打鐘で1回目一杯踏んでそこからどうするかだったんですが、スピードも合ったので、そのまま駆けました。ホームは重かったけど、バックは流れてくれました」


<7R>
荒木伸哉選手
荒木伸哉選手
   荒木伸哉がタイミング良くカマして先行。地元の藤田和彦が番手絶好の展開をモノにした。
 「全て荒木君のおかげですね。中村さんが三番手に付いてくれたのも大きかったです。最後は一杯でしたが、いいスタートを切れてホッとしています」
 2着の荒木伸哉(写真)も納得の表情を浮かべる。
 「中村さんが三番手に付いてくれたので、走りやすくなりましたね。中団を取って、後ろのラインが斬った上を叩いて先行するつもりでした。狙い通りのレースができたし、今日はラインの勝利。全体的に流れるところがなくて重かったけど、2着に逃げ残れているから悪くないと思います。記念でもっと活躍して点数を上げていきたいですね」


<8R>
小埜正義選手
小埜正義選手
   藤田和彦に続いて三住博昭が地元記念で幸先の良い初日白星をゲット。
 「あの展開で勝てなきゃ、何やっても勝てないよね」と願ってもない展開に笑顔が絶えない。
 先導役の小埜正義(写真)はケレン味のない先行で2着に粘って二次予選A行きを果たした。
 「やっぱり競走の間隔が空くと緊張しますね。今日は本当に体が重かった。むしろ競走続きで疲れが残っている方が気楽に走れていいかも。高谷さんに突っ張られて怯んだのは情けない限りですが、三住さんとワンツーを決められて何よりです」
 高谷雅彦は巧みな運行で3着を確保。
 「ズルい競走でしたね(笑)。三和さんを出させたくないし、小埜君をああいう形で踏ませたかったので、ほぼ思い通りの競走ができました。前回、前々回と着は良くないけど、任せたレースだし、自分としては気にしてません。体調はいいですよ」


<9R>
五日市誠選手
五日市誠選手
   福田知也が絶好の中団を確保。カマした金子貴志を射程圏に捕らえて地元勢の三連勝と思われた瞬間、バンク中段を一気に駆け抜けた五日市誠(写真)が1着をさらった。
 「S級シリーズでも特選から走れるようになったのは最近ですからね。もちろん、記念の特選は今回が初めて。しかも、いきなり1着を取れるなんて。今日は気楽に走れたし、最後までサラ脚で回れたのが勝因ですね。自分が伸びたと言うよりも、前が直線で失速してましたよ」
 大魚を逃した福田知也は「勝ったと思ったけどなぁ。金子さんは絶対に動いてくるはずだから、勝負所で前に踏んで中団を確保する作戦でした。考えていたとおりになったんだけど」と悔しさを隠せない。
 カマした金子貴志は「いずれにしても、僕はああするしかなかったですからね。踏み出しの感じも良かったし、出切ってからも落ち着いて走れたんだけど、思ったよりタレちゃいましたね。風は全周が向かい風みたいできつかったのは確かだけど、自分では押し切ったような感覚もあったんですけどね。まあ、レースの形は良かったし、力は出し切れたので明日につながる走りができたでしょう」


<10R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   前団のもがき合いを村上義弘が豪快にまくり切り、後続を千切って圧勝した。
 「展開に恵まれましたね。みんな脚を使っている中で自分だけサラ脚でしたから。でも、しっかりした判断ができているし、悪くないですね。自分なりにダービーのときの仕上がりは完璧でしたが、それなりに状態は維持できていると思います」
 和田健太郎の先行に乗った新田康仁が2着。久々の連がらみを果たした。
 「今回は先行するぐらいの気持ちで練習してきたけど、今日は和田君がいましたからね。前でやり合う展開になってしまったし、ああなったら村上さんのまくり頃。2着ですが、自分の感覚的に今ひとつつかめなかったです」
 最終バック九番手から外を踏み込んだ神山雄一郎がしぶとく3着に入った。
 「九番手になってしまったけど、外、外をまくり気味に踏んで3着なら悪くないでしょう。前回よりも状態はいいと思います」


<11R>
紫原政文選手
紫原政文選手
   先行した藤田竜矢の番手で地元の五十嵐力が粘って、伏見俊昭と併走。そこを石丸寛之が一気にまくり、紫原政文(写真)が鋭く追い込んだ。
 「石丸が強かったです。3着までに残そうと思ったけど、ちょっと余裕がなかったです。自分はホッとしたけど、いつも頑張ってくれる石丸を残せなくて残念。落車明けでも今日のレースはすんなりだったから大丈夫でした。もう少し動きの激しいレースになったときに対応できるかですね」
 番手の外併走を堪えた伏見俊昭が2着。
 「粘られるのは想定外でした。石丸君のまくり頃になりますからね。我慢するしかなかったけど、石丸君のまくりはどうすることもできなかった。最後まで諦めずに踏んだけど、これが精一杯です」
 まくった石丸寛之は直線失速して4着。さすがにショックを隠せない。
 「正直、ショックです。重かったですね。こういう展開も予想していたし、思い通りのレースはできたんですが…。これだけタレちゃうのはオーバーワークなのか風の影響なのか。明日はギアを92に戻します」
 番手で粘った地元の五十嵐力は「全く考えていない展開だったけど、もうあそこで引けないと思いました。今日は全然ダメでした」と肩を落とす。


ルーキーチャンピオン(11R) レース展望
 明日5日の11レースは94回生の精鋭9名によって争われるルーキーチャンピオンレースだ。コマ切れの激しいV争いが予想される。
 今期の競走得点が一番高いのは岩本俊介(写真)だ。一発レースのここでも積極的な仕掛けで優勝を狙う。
 「自分は自分のレースをするだけ。相手が誰だろうと、先手を取ることにこだわりたいし、そこだけを考えています。点と点の競走でいつもとは全く違うレースになるけど、その方が力勝負になるからいい。いつもどおりの競走をすれば大丈夫と思っているので、ここへ向けて根を詰めたトレーニングとかは一切やってきませんでした。あくまで普段どおり。結果は後から付いてくればいい」

 岩本マークの村本慎吾は鎖骨骨折明けで不安が大きい。
 「3月半ばに退院したけど、まだ本調子ではないのが本当のところ。開き直るしかないし、ぶっつけ本番になりそう。とにかく岩本君に離れないことだけに集中したい」

 在校1位で卒記チャンプの鈴木雄一朗(写真)は単騎の競走となったが、V獲りへ意欲満々だ。
 「前回が終わってから岡田征陽さんと木更津へ行ってしっかり練習してきました。学校のときと同じようなレースになる思うし、スタートの位置とかはどこでもいい。自分の身体が反応すれば仕掛けるし、本能に任せて走ります」
岩本俊介選手
岩本俊介選手
鈴木雄一朗選手
鈴木雄一朗選手
不破将登選手
不破将登選手松川高大選手
松川高大選手

 中部近畿コンビは脇本雄太-不破将登(写真)の並びで落ち着いたが、番手の不破は自力も視野に入れてレースに臨む。
 「ここに向けて仕上げてきました。戦えるだけのデキにあると思います。明日は脇本君の後ろからですけど、実戦で番手を走るというのはほとんど経験が無いし少しだけ不安はあります。でも、いざとなれば自力を出したいし、そこらへんは展開に応じてやっていきたいです」 

 九州の2人は納得の別線勝負。混戦になればまくり強烈な松川高大(写真)の出番だろう。
 「山田さんとは二人の力を出し切ろうと話し合って納得の別線だし、単騎戦に迷いはありません。スピードに乗せる競走は自分は大好き。後手を踏まないで位置取りさえ間違えなければチャンスはあると思います。2着以下はみんな同じだと思っているし、勝ちにはこだわりたいですね」


 山田庸平も好位置キープから踏み込めばチャンスはある。
 「松川君と連係することも考えたけど、人をあてにしてもしダメだったときに悔いが残るから、それなら自力でやろうと決めました。ここに来る前に風邪を引いたけど、今は治っているし問題はない。緊張はしていないつもりだけど、昨日寝られなかったから無意識にあるのかもしれません」


 坂本貴史は直近4場所で優勝2回、準V2回と文句のない成績だ。
 「山崎(芳仁)さんと練習してきたし、渡邉一成さんもいたので、内容の濃い練習ができました。明日はみんな強いし、チャレンジャー精神で頑張るだけですね」




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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