『豊橋競輪開場65周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:8月20日
 明日から豊橋競輪場で開場65周年記念「ちぎり賞争奪戦」が開幕する。今年も地元、豊橋が誇る深谷知広、金子貴志の輪界最強師弟コンビが満を持して参戦。成田和也、佐藤友和ら強敵を迎え撃つ。予選にも売り出し中の若手機動型が数多く参戦し、見どころ十分。明日から始まる激戦に注目だ。
 本場では様々なイベントが予定されています。開催中は毎日、伊藤克信の総天然色 豊競予想劇場と題した予想会(初日は13:10頃から、14:10頃から、15:20頃から)を山口幸二を特別ゲストに迎え行われます。先着入場1000名様に抽選でプレゼントが当たる三角くじの配布や未確定車券抽選会も予定されています。明日から始まる「ちぎり賞争奪戦」をぜひ本場でお楽しみください。
<1R>
 オープニングレースは、加賀山淳と新鋭・栗山俊介による先行バトルに注目が集まる。実績で優っているのは加賀山淳の方だが、「暑いのがとにかく苦手で…。前回も(暑さが原因の)体調不良で欠場したほど。どうだろう…」と口にするのはネガティブな言葉ばかり。「練習は出来たが走ってみてからですね」と最後まで慎重だった。
 一方の栗山俊介は初の記念参戦とあって「自分のレースをしてアピールしたい」とやる気満々。「地脚型なので先行が得意。加賀山さんに負けないように」と主導権奪取に意欲を見せる。

<2R>
 戦歴上位の矢口啓一郎は、多くの選手が猛暑に苦しむ中、涼しげな表情で検車場入り。「群馬はもっと暑いから全然大丈夫(笑)。身体も動いてます」と好調をアピール。「勝ち上がって天田(裕輝)やヤス(木暮安由)の番手を回りたいね。そのためにも初日はしっかり突破したい」。
 地元のトップバッター鈴木伸之は吉川起也の番手から1次予選突破を目指す。
 「(地元記念の事は)それなりに意識して練習してきた。納得いく調整が出来たし、まずは初日をクリアしたい」

<3R>
愛敬博之選手
愛敬博之選手
 ホームの愛敬博之(写真)は3Rに登場。7月富山での落車の影響が色濃く残った前回は、散々な結果に終わったが「ケガはもう大丈夫」とのこと。今回は本来のパフォーマンスを見せてくれそうだ。「去年は勝ち上がりに失敗したので、その分も今年は!」と悔しさを胸に秘め、初日のレースに臨む。  怖いのは大澤哉太の大駆けか。
 「だいぶS級戦にも慣れてきた。北海道籍だけど、暑いのは大好き。体がよく動くので。マイペースに持ち込めば何とかなるかも」と不敵に笑う。

<4R>
 F1戦連覇と波に乗る磯田旭に前を任されたのは横山尚則。2人は7月防府F1の決勝戦でも連係して磯田が優勝。「今回もお互い予選を突破できるように」と横山は意気込みを話す。
 「今の状態は成績が物語ってるとおりですね。防府で決勝に乗れたけど、その後も波に乗り切れてない。ここでしっかりいい波を作りたいですね。しっかり自分のレースをして、きっかけを作りたいです」
 対する八谷誠賢は2場所前の落車こそあるが、予選では安定した成績を残している。
 「やっぱり落車の影響はありますよ。でも、練習はできてるし、こけてから1場所走ったんで。体は日に日によくなってきてます」

<5R>
 7月福井記念で2勝を挙げるなど鋭い差し脚が戻ってきた村本大輔だったが、続く富山F1で落車。8月静岡F1を342着とまとめたが、表情は硬い。
 「あの落車から練習でもよくないですね。戻ってきてる感じがあったけど、そういうときに(アクシデントが)ある。前回も流れがよかっただけで落車の影響はありますね」
 鈴木裕は乗り切れない成績が続いているが、ここで流れを変えたい。
 「前回(京王閣F1)は疲れが抜けてなくてあまりよくなかった。今回は疲れも抜けてきてるんで前回よりはいいですね。ここは相性がよくて、好きなバンクなんですよ。ここで流れを変えたいですね」

<6R>
櫻井正孝選手
櫻井正孝選手
 6Rは2連続優出とS級のペースにも慣れてきた櫻井正孝(写真)が記念初参戦する。
 「まだ最初だから自分のレースをさせてもらってるのが大きいですね。ほぼ先手を取らせてもらってるけど、(警戒されて)そろそろキツいかも。明日は筒井さんと2分戦ですか? S級になって2分戦は初めてなので先輩に聞いて力を出し切れるように。出し切れれば勝機があると思います」
 対する筒井裕哉は櫻井の成績を見て警戒心を強める。
 「この子はそんなに強いんですか? 頑張りますよ。前回からけっこう空いて、追加を待ってたらやっと来た感じ。ちょっと休んでお盆から気合入れてやってたし、追加も大丈夫です」

<7R>
 力強い先行でF1戦は6連続優出と抜群の安定感を誇る高久保雄介。地元勢2車がつける初日の番組は期待の表れだ。
 「僕のなかではたまたま感が強い。まだまだですね。最近は予選で挑まれることが増えて、長い距離を踏まされたり、内に詰まらされたり。そういう時の対処をこれからもっと考えていかないといけないですね。オールスター出場も決まったし、今回はそこに向けて出し切る競走がしたいです」
 好目標を得た島野浩司は気持ちを引き締める。
 「高久保君との連係はないと思う。でもレースを見て強いのは知ってるので。地元なんで気持ちを入れて頑張りたいですね。来る前はバンクで参加メンバーとモガいてきた。感じは普通、悪くないと思います。とにかく高久保君についていかないと話にならないんで、しっかり頑張ります」

<8R>
伊藤裕貴選手
伊藤裕貴選手
 今期からS級に上がった伊藤裕貴(写真)は初戦の玉野F1でいきなり優出すると、ここまで4連続で決勝に進出。記念初参戦のここでも活躍が期待される。
 「ここまでいい感じで来れてるけど、出来過ぎですね。周りの動きが自分のいいようになってるし、無理やりっていうレースがないから。他の人の強いのとは違うのかなと思います。記念は初めてだけどいつもどおり。内容にこだわって走りたいです」
 地元の渡邊健も伊藤の番手でしっかり勝ち上がりを決めたい。
 「伊藤君は強いんで、自分のできることをしっかりやりたいですね。それなりの練習はできたし、練習の感じはいい。仕上がってたと思います。あとは展開と結果ですね。上に地元の強い2人(深谷知広、金子貴志)がいるんで、そこまでたどり着けるように頑張ります」

<9R>
相川永伍選手
相川永伍選手
 予選のメーンで中心になるのは相川永伍(写真)だ。前回、前橋F1で223着だったが、「よくはなかった」と本人は不満げ。今回はしっかりと修正してシリーズに入ってきた。
 「空いてたから練習できたけど、前橋はよくなかった。体の使い方にズレを感じたので、ジムでトレーナーに相談したりして今回は修正して来ました。体調は悪くないと思うので、今日指定練習で体の使い方を再確認して明日に備えます」
 戸伏康夫は相川との対戦に気合を入れる。
 「最近はずっと初日に叩いてたので、もう1回初心にかえってと思った。前回(千葉F1)は先行して5着で準決勝にも上がれたし、戦えてた気がします。今回はまとまった練習もできたし、いいんじゃないですか。相川君との対戦は初めてなんで、そこは楽しみにしてます」

<10R>
成田和也選手
成田和也選手
 ここからは特選レース。成田和也(写真)は今シリーズ優勝候補のひとり。復帰後2場所続けて決勝進出を逃しているが、「練習の感じはずっといいけど結果が出ない。豊橋は久しぶりだけど、頑張ります」。そろそろレース勘も戻る頃。ここからエンジン全開か。
 新田康仁は初日から同県の田中孝彦の番手回りとチャンスのあるポジションにいる。
 「メンバーを見て誰か(前が)いるかなと思ってたけど、いなくても自力を出せるように準備はしてました。7月伊東の落車でエースフレームが壊れて、ダメだったフレームを引っ張り出した。最初はいまいちアタリがよくなかったけど、少しずついいとこも見えてるんで、あとはしっかり上積みしたい。体調は大丈夫です」
 柏野智典は8月静岡F1から走りっぱなしだが、その疲れを全く感じさせない成績を残している。
 「中2日、中2日は初めてだけどいいですね。疲れもないし、リズムもいいので僕には合ってるかも。結果も出てるし、初日も(三宅)達也さんって絶好の目標があるんで頑張りたいです」

<11R>
金子貴志選手
金子貴志選手
 地元記念連覇を狙う金子貴志(写真)は11Rに登場する。前回のサマーナイトフェスティバルは73着に終わっているだけに、地元戦へ向けどれだけ立て直せているか。
 「前回はもっといけるかなと思ったら全然力が入らなくて。調整は難しいですね。今回もやることはやってきたし、悪くはないと思う。まずは決勝に乗らないと連覇もできないし、初日からしっかり頑張ります」
 金子に前を任せられたのは稲垣裕之だ。
 「地元(向日町)記念が終わってから疲れが出たし、サマーナイトでは腰痛も…。でも、今回はケアできたので大丈夫です。やっぱり平安賞で出し切った感が強かったのかな? 地元で出し切れたのはよかったし、(自粛)欠場があったからこそ一戦一戦を大事に走れるようになったと思います」
 最近は優勝回数も増え、サマーナイトでも優出している天田裕輝も怖い存在だ。
 「やっと1班になって特選から走れるのは大きいですね。サマーナイトは決勝で失敗しちゃったけど、ある程度変わりなく来てると思う。僕は毎回練習で違うことをやるんで走ってみないと分からないところがあるんですよ。それでも大きく変わることはないと思うし、今回もまた深谷(知広)君と走れるように頑張ります」

<12R>
深谷知広選手
深谷知広選手
 深谷知広(写真)は寬仁親王牌、サマーナイトとビッグを連覇し、急ピッチで調子を戻してきた。もちろん狙うは地元記念初優勝だ。
 「ここまではちょっと強めに追い込んで来たので、(初日に向けて)これからゆっくりしたいと思う。(地元だが)いつもと同じ気分で走りたい。しっかり気合を入れて、明日からみんなで力を合わせて頑張りたいです」
 番手の柴崎淳は深谷の踏み出しに集中する。
 「初日は千切れるか千切れんかの勝負ですね。深谷の後ろは何回もあるし、深谷はバイクだから後ろも自力みたいなもんです。中部みんなで勝ち上がらないと。前回(大垣F1)は451着だけど状態はいいはず。怪我も徐々によくなってます」
 木暮安由があの手、この手で深谷をかく乱する。
 「前回から中3日だけど状態はいいと思う。前回は昔のイメージで初日、2日目とサドルを変えたけど合わなくて最終日に戻しました。みんな俺に期待してると思うし、何かしますよ」
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