『施設整備等協賛競輪in松阪(GIII)レポート』 3日目編

配信日:11月16日

 松阪競輪場で行われている第11回施設整備等協賛競輪in松阪「The Leonids Cup(GIII)」は11月16日に3日目を迎えた。初日、2日目と大荒れのシリーズとなったが、この日も高配当が続出。準決3個レースも全て万車券決着となった。その準決は海老根恵太、堤洋、笠松信幸が1着を取り、地元の最後の砦となった西村光太も3着で決勝へと駒を進めた。ファイナリスト9名が出そろい、17日には大会覇者を決める決勝の号砲が鳴らされる。
 GIIIシリーズは開催最終日も、お菓子のプレゼント、松阪恒例の2=9肉キャンペーンに参加する抽選券、先着300名様に競輪カレンダー2025の引換券を配布する先着ファンサービスがあるほか、豪華解説者が日替わりで登場する場内予想会、松阪の特産品が当たる未確定車券抽選会も予定されています。さらに最終日の17日には、わんだふるぷりきゅあショー、桜雲ゾンビクルーによるメイク体験とスペシャルパフォーマンス、AMIYダンスショー、宝石探し・縁日ブース、美味しいグルメ大集合、競輪選手応援ブース等多数のイベントが実施予定となっています。松阪競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<10R>

海老根恵太選手
海老根恵太選手

中村浩士選手
中村浩士選手
 畑段嵐士が、7番手からジワリと上昇すると、先頭の新村穣は赤板過ぎに突っ張る。一旦7番手に戻った畑段は、打鐘で瀬戸栄作ラインの内をすくって4番手を奪う。新村は、3コーナーから徐々にペースを上げて先行態勢に入る。畑段は、最終2コーナー過ぎからまくるが、海老根恵太(写真)が3コーナーで小さく張ってけん制すると、外に浮いて後退。2センターから前に踏み込んだ海老根が、直線で抜け出して決勝進出を決めた。
 「スタートは前からで。(新村)穣は、あの(突っ張り先行の)パターンを最初から考えていたけど、そうじゃなくて、切って、切っての上をジャンで行った方が脚を使わないと思った。そこは半々で考えようって。でも、近畿の押さえ方が緩くて、突っ張れちゃった感じでしたね。まくってきたのが分かったし、初日に失敗したんで、早めにもっていこうと思ったら、止まってくれた。突っ張り先行だったんで、残したかったけど、難しかったですね。新村君のおかげです。ここ2場所は連に絡めていたし、徐々に調子が上がってるなと思ってたんで、決勝っていう結果を残せて良かったです」
 南関ライン3番手の中村浩士(写真)が、海老根に続いた。
 「柔らかい頭で、近畿が遅ければ突っ張りだけど、早めなら下げてもいいよって感じだった。普通なら残り2周半くらいで押さえにくるし、(新村は)引くことも考えていたと思うんですけどね。後ろの状況は分からなくて、前だけ見て、しゃくられたら締めこむことだけ考えてました。新村君が思いっきりいってくれたおかげですね。初日の感覚が良かったんで、それを忘れないように走っています」
 近畿勢にすくわれた瀬戸は苦しい展開に。塚本大樹は2コーナーで内に切り替えて位置を上げると、2センターで岡崎智哉をどかして踏み場を確保。直線は外を踏んで3着に入った。
 「切ったところを叩いて先行と思ってました。(近畿が)突っ張られても、カマせばラインで決まったと思う。すくわれても、すぐに行ってくれたら決まってた。中団に入られた時点で、切り替え含みでした。(瀬戸の)進み具合を見ながらだったけど、あのコースしかチャンスはないと思った。自分の動き自体は良いし、3日間変わらず来れている。落車続きで肋骨が痛かったんですけど、それがなくなって良くなった」

<11R>

堤洋選手
堤洋選手

芦澤辰弘選手
芦澤辰弘選手
 周回中に8番手の福田知也は、赤板手前でインをすくって4番手に進出。すくわれた久田裕也は、赤板過ぎに長島大介を切りにいくが、突っ張られて7番手に下がる。長島がペースを上げずにいると、久田は2コーナーの山おろしを使ってカマシを敢行。打鐘2センターではライン3車で出切る。4番手に入った長島は、切った車間を徐々に詰めて、最終2センターで外に持ち出す。後ろの仕掛けを確認した堤洋(写真)は、4コーナーで踏み込んでゴール前で抜け出した。
 「芦澤(辰弘)君がスタート早いし、福田君も早いので、後ろからになる確率が高いかなと思っていた。でも、稲吉(悠大)君がスタートを頑張ってくれた。久田君と、稲吉君が仕事をしてくれて、自分は何もしていない。雨も降っていたし、しゃくられるかなとも思っていた。(久田が)落ち着いて仕掛けてくれたし、めちゃくちゃ掛かっていた。車間を空ける余裕があって、仕事しようとは思っていた。残したかったけど、長島君がきたのが見えたので。何年振りのGIII決勝やろ。(10月)富山から新車に変えて、自転車と体がマッチした。調子は良い」
 長島が外を回して、杉本正隆が追いかけ、栃茨ライン3番手の芦澤辰弘(写真)は、空いた内を踏む。4コーナーからは稲吉悠大が外を踏んでできた間のコースを伸びて、2着に食い込んだ。
 「(周回中は)前が良いかなと思って、とりにいった。赤板のところは、後ろがどうなっているのかわかっていなかった。長島君もあの形を想定していただろうし、うまく4番手をとってくれて、みんなにチャンスのある形を作ってくれた。自分としてはずっとまっすぐ走っていただけ。これといって狙っていた訳じゃなくて、内からこられないようにだけしていた」
 脚を使って位置を取った長島大介は、まくり追い込みで3着。
 「自力として勝負できなかった。赤板のところは、後ろが気になった。4番手に入ってから、2コーナー勝負できれば良かったけど、置きにいってしまった。自力として良いレースはできなかった。勝ち上がれて良かったけど、心が弱い。先行が残らないコンディションだったので、弱気になった」

<12R>

笠松信幸選手
笠松信幸選手

伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 周回中に前受けの松坂洋平が、中井太祐を赤板過ぎに突っ張る。中井が踏みやめてペースが緩んだところを、皿屋豊が2コーナーで仕掛けて一気に先頭に出切る。松坂が4番手を確保し、皿屋は最終ホーム目掛けて本格的にスパート。ハイペースで踏む皿屋を、番手の西村光太は車間を切ってリードする。2コーナーからまくった中井は外に浮いて不発となるも、松坂が3コーナーから車を外して迫る。西村が大きく外に振ってけん制すると、中部ライン3番手の笠松信幸(写真)が、空いた内のコースを突く。皿屋と、西村の間を突き抜けた笠松が1着だった。
 「(皿屋が)掛かってましたね。暗くて、ナイター照明も付いてて、後ろの状況は光と影で確認する感じだった。(まくりが)来れる感じじゃなかった。(西村)光太が2回振ったときに、詰まったんで、内を踏ませてもらった。昨日(2日目)は、落車を避けたり、いろいろあったんですけど、今日は初日と変わらずに良い感触だった」
 松坂が3コーナーで車を持ち出し、伏見俊昭(写真)はその内を踏む。直線は西村の外を回して、2着に突っ込んだ。
 「(松坂が)前々に踏んでいってくれたし、ありがたかった。脚を使って位置を取ってくれたし、本当は2センターからのまくり追い込みがしたかったんだろうけど、あれ以上待ったら中井君に被って終わってしまう。全然(松坂)洋平のタイミングじゃないところで仕掛けてくれて、自分のコースができた。もう、無我夢中で踏みました。久々の(GIIIの)決勝なんで、嬉しいですね」
 内、外をこられた西村光太だが、なんとか3着に踏ん張って決勝に進出。
 「皿屋さんが、勝ちにいくレースをしてくれると思ってたんで、あとは自分がしっかり付いていけるかだと思ってた。そしたら、男気を見せられました。残る感じの先行の、一つ上の出力で踏んでいっていた。絶対にまくらせないっていう気迫が伝わってきた。初日に村田(祐樹)の先行にビタ付きして、まくり追い込みに食われたんで、車間を切って、振ったんですけど、そこで笠松さんと呼吸が合わなかった。2人に食われたし、甘さが出た。恵まれての3着だと思います」