『四日市競輪 ベイサイドナイトドリーム(GIII)レポート』 初日編

配信日:6月7日

 6月6日から四日市競輪場で「ベイサイドナイトドリーム(GIII)」が開幕した。四日市競輪場では初となるナイターGIII開催は前半のガールズ3個レースからスピードバトルを展開。ガールズは梅川風子、石井寛子に児玉碧衣が、男子特選は松本貴治マークの阿竹智史が制した。2日目の7日はガールズが予選2、男子は二次予選A、B合わせて6個レースで準決勝進出が争われる。
 2日目は1R、3R発売中に後閑信一氏、加藤慎平氏による予想会&トークショー。6R、8R発売中には加藤慎平氏の予想会&トークショーが予定されています。選手会カフェ&サイクルタイムトライアルなども引き続き開催。2日目もぜひ四日市競輪場へご来場ください。

<1R>

梅川風子選手
梅川風子選手
 上昇してきた中嶋里美にフタをされ続けた梅川風子(写真)だったが、中嶋が最終ホームから踏み込んでようやくコースが空くと2コーナーから一気のまくり。前団を豪快に飲み込んだ。
 「先行しようと思ったけど(大久保)花梨が前を取ったんで考えながら走ってました。結果的に良かったけど、(外で浮いていた増茂)るるちゃんがどうタレるか見てからだったし迷っちゃいました。これじゃ普通間に合わないだろうと思ったけど、風が強かったわりに軽かった。決勝には無事にたどり着きたいんで2日目も自力で」
 前受けから中嶋の後ろに入る好展開となった大久保花梨だったが梅川にまくられ2着に敗れた。
 「中嶋さんも風子さんも動くと思ったし、2人よりは前にいようと思ってた。展開としては良かったけど、風子さん次元が違う…。脚が違うと感じました。強いですね。あれで勝てなかったら、何で勝てるんだ。外国人並みに強い。(自分は)まだまだですね」

<2R>

石井寛子選手
石井寛子選手
 打鐘前2コーナーから先に切った石井寛子(写真)は尾崎睦のホームガマシを受けて3番手を確保。2センターから仕掛けると、ゴール寸前で尾崎をとらえた。
 「(初手は)2番手が良かったけど、3番手だったから1回前に出ました。脚使ってでも前々勝負と思ってた。むっちゃん(尾崎)のダッシュが良くて飛びつけなかったけど、そこは落ち着いて。最近は追い込めてなかったので、ゴールしてからも1着かどうかわからなかった。いつもより苦しかったけど、今日(初日)は自分の持ってる全ての技術を使いました」
 1周逃げた尾崎睦は惜しくも2着に敗れた。
 「風は吹いてましたけど、乗ってる感じは重くなかった。最後、逃げ切れるかと思ったけど(石井が)強かった。もうゴールかなと思って顔を上げたら、(ゴールは)まだ先だったので、2日目はそれを頭に入れて走ります(笑)。内容的にはいいレースが自分のなかではできた。逃げ切れるように勝ち切れるように、もう少し修正するところがある」

<3R>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 5番手の児玉碧衣(写真)は打鐘前から車間を切っていたが動かず。前受けの豊岡英子が誘導員が退避すると徐々にピッチを上げる。4コーナーから矢野光世がカマして行くが、これに合わせて田中まいが豊岡後位からまくって出るが、その外を児玉が鮮やかにまくり切った。
 「めっちゃ誘導が早くてキツかった。ホームガマシする予定だったけど、予想以上に(誘導員が)上がってできず、まくりでいこうと。1回もお尻を上げてなかったので、逆にそれがキツかった。風も思った以上にあったけど、何とか1着取れたんで良かったです」
 田中後位から2センターで児玉にスイッチした小林莉子が2着に食い込んだ。
 「遅れちゃいましたね。豊岡さんも田中さんもいいペースだったし、児玉も苦しむだろうと思ってた。(児玉が)来る前に行かないといけなかったけど、遅れちゃって。児玉は踏み出しからトップスピードまでが速いですね。(2センターで)遅れて入っていった感じで那須(萌美)さんには申し訳ないことしましたね」

<4R>

 廣田敦士が打鐘で先行態勢に入ると、地元勢を追った佐藤友和と飯田憲司で3番手が取り合いになる。併走は最終4コーナーまで続いて、廣田を利した若松孝之が抜け出すが、佐藤が併走状態から外を鋭く伸びた。
 「僕は1着なので問題ないけど、後ろのためにも一旦切った方が良かったですかね。この前、人生で初めて誘導をしたけど、こんな感じのレースになると思っていた。ペースが速い中で先行した廣田君はきつかったと思いますよ」
 地元の若松孝之は2着突破で二次予選Aへの勝ち上がりを決める。
 「(廣田は)何が何でも先行っていう感じではなかった。切った感じの所からけっこう流れていた。ペースで駆けていたけど、3着までに残せなかったのが反省。男子の一発目で緊張したけど、2人で二次予選に上がれるのは良かった」

<5R>

 後攻めの松坂洋平が赤板で上昇して打鐘前で正攻法の位置に入る、その上をすかさず金ヶ江勇気が叩いて主導権。最終ホームから金ヶ江はスピードを上げるが、合わせて踏んで中団を確保した松坂が2コーナーからまくって快勝した。
 「レース前から想像していた通りの展開になった。後ろの状況は分からなかったけど、自分のタイミングで仕掛けた。佐藤(真一)さんとも決まったし、まくり出たスピードも悪くなかった」
 谷口遼平は前受けから7番手まで車を下げる。松坂に中団から先まくりを打たれるも外々を踏み上げて3着に入った。
 「前受けだけはしたくなかったが取らされたし、一番最悪な展開になった。松坂さんが仕掛けてからまくっても届かないと思ったので、無理矢理、仕掛けたけど、結果的に合わされる形になってキツかった。それでも何とか3着まで届いたので、これを次に繋げたい」

<6R>

伊早坂駿一選手
伊早坂駿一選手
 重倉高史、坂本周作の順で切った上を打鐘から伊早坂駿一(写真)が叩いて主導権を握る。人気の北津留翼は8番手でまくり不発。逃げた伊早坂が力強く押し切った。
 「うまく駆けられました。誘導が早くて切りに行くのに脚をひとつ使う感じですね。(取手で誘導員をしてペースは把握しているが)自分が引くのと走るのとは違う。後ろから押さえに行くのはかなり脚を使うでしょうね。僕は出てからペースに入ったし、600駆けてゴールまで持つ仕掛けはできた。最近、1着が減ってたんで逃げ切って1着取れたんで良かったです」
 高橋大作は伊早坂の強さに舌を巻く。
 「初手(の位置)から作戦どおり。切って、切ってその上って感じで考えてた。(伊早坂は)ペース先行じゃない。ジャンからゴリゴリ行ってるから差せない。あのペースじゃ(まくって)来れるわけないと思ってました」

<7R>

 赤板の2コーナーで誘導を切った佐川翔吾を叩いた山岸佳太が、すかさず巻き返してきた神田龍も出させず主導権。山岸のかかりが良く、別線はなかなか仕掛けられない。絶好の展開を生かした伊勢崎彰大が4開催連続で初日の1着を決めた。
 「山岸さまさまですよ。気持ちが強かったね。バックの向かい風でグイグイ踏んだ時に後ろの方はもう来れないなって思った。あれで後ろに食われるのも申し訳ないですからね。状態は引き続き良いし、展開さえ向いてくれればね」
 山岸佳太はライン2車ながら、神田を出させることなく力強い先行策で粘る。
 「(初手で)良い位置を取れたし、駆けた方が堅いメンバー。(神田を)もっと早かったら出させるけど、流れていたので、もう出させない方が良いなと。前のレースで伊早坂が良いレースをしていたのもありますね。流す所がない中で後ろが1着で自分も3着なら最低限ですね」

<8R>

 原口昌平が赤板で前受けの小森貴大にフタをした後、打鐘からペース上げて主導権。車を下げた小森が反撃に出るも、原口が合わせて最終ホームを通過。それでも小森は再度踏み上げるが、3コーナーで小野俊之が強烈なブロックを見舞う。九州勢で決着かに、中団を確保していた阿部拓真が、福井勢追走の戸田洋平を2センターで張ってコースを作り直線で突き抜けた。
 「内に被りそうになったので、外に持ち出した。2センターはコースを作ろうと思って戸田さんを張りました。結果的には中団中団を走っていただけで、展開が恵まれただけ。でも最近は成績が落ち込んでいたので、1着を取れてホッとした」
 戸田洋平は2センターで阿部に張られるも直線で外を伸びて2着に入った。
 「こんな展開になるとは思っていなかったけど、前が頑張って踏んでくれたおかげ。(2センターで)阿部君は自分の所にきますよね。そこでしっかりと耐えられる脚を付けないと。新ルールになって自力型は難しくなりましたね。自分の脚は悪くないですよ」

<9R>

柴崎俊光選手
柴崎俊光選手
 打鐘から市橋司優人と山本紳貴で踏み合いに。これで好展開となった伊藤裕貴がホームからまくると、続いた柴崎俊光(写真)がゴール前で逆転した。
 「前が先行争いする形になってたんでね。いいところで行ってくれた。今年初の1着。地元のGIIIでこの1着はめちゃくちゃうれしい。今回に向けて仕上げてきたし、1着取れてうれしかった。2着、3着より1着というのがいいですね。また2日目から頑張ります」
 まくった伊藤裕貴が2着で地元ワンツーが決まった。
 「落ち着いても良かったけど初日やし、感覚(を確かめるの)もあるし仕掛けたけどキツかった。1センターで(網谷竜次に)仕事されたらヤバかった。前がモガき合ってかかってる、その上をカマすのはスピードがいる。それで最後タレましたね。久しぶりに緊張しました」

<10R>

河合佑弥選手
河合佑弥選手
 引地正人が切った上を元砂勇雪が叩いて先頭に立つと、そこを4コーナーから八谷誠賢が仕掛けるが出切れない。これで前団の隊列が短くなると、河合佑弥(写真)が1センターまくり。上がり10秒9の好ラップで豪快にまくり切った。
 「結果的には良かったですね。ラスト1周からペースが上がって前が行ってくれたので隊列がまとまったのも良かった。(自分も)かかってからのスピードは良かった。レース間隔が空いて(レースに)入る前はフワフワしていたが、1走したので大丈夫」
 河合と初連係の東龍之介がぴったり続いてラインでワンツーを決めた。
 「河合君は落ち着いていて強かった。自分も最近のなかでは余裕があったし、脚は悪くない。ここで行くだろうなってところで行ってくれたし、本当にいいタイミングだった」

<11R>

 前受けの宮本隼輔は打鐘で7番手まで車を下げると、4コーナーから巻き返す。好スピードで逃げる鈴木裕をとらえると、別線を突き放して圧勝した。
 「打鐘で行けば言うことないけど、ちゅうちょしてしまった。バンクは軽かったし、軽すぎるぐらいですね。(初のナイターは)発走時間が遅すぎですね。もう少し早く走りたかった。今は着とかよりもバックを取ることを意識して走っている。二次予選でもそこを意識して走りたい」
 きっちり付け切った北村信明だが宮本の強さに脱帽する。
 「(宮本君の強さは)想像どおりというか、どうせまくり切れるんだろうなと思ったけど、2コーナーからの加速がすごくてまさにバイク誘導。抜く抜けないとかそういう次元じゃないですね。まだまだ余力がありそうだし、末恐ろしいですね」

<12R>

阿竹智史選手
阿竹智史選手
 初手中団になった松本貴治は上昇してきた石塚輪太郎を出させずに赤板過ぎに先頭に立つ。そこからハイピッチで飛ばすと、番手の阿竹智史(写真)が黒田淳の強襲をわずかにしのいで特選を制した。
 「最後は焦った。石塚も止まってたのに僕の踏み込むのが早かった。待とうとしたら(黒田は)来るわね。並ばれて力が入った。(地元戦の誘導で落車しているが)1走して体は良かったですね」
 3番手から強襲した黒田淳は惜しくも逆転ならず。
 「抜いたかと思った。今まで青板まで休めてたのが、(誘導のペースが速くて)スプリンターには周回がキツい。でも最後の伸びは(1着まで)行ったかなと思うくらい良かった。抜けなかったのは残念ですね」
 3着に敗れたが松本貴治はラストの1周を22秒8の好ラップで駆け抜けた。
 「前を取って突っ張る感じに考えてたけど、スタート取れなくて。中部が前で中団になったし、(石塚に)フタされたらキツいなと思ったので、来ても一緒に出て行こうと。バックまでいい感じだったけど、そこから力み過ぎたのか、最後はめっちゃタレた。でもラインで決まったし良かったです」