『四日市競輪 ベイサイドナイトドリーム(GIII)レポート』 2日目編

配信日:6月8日

 四日市競輪場で開催中の「ベイサイドナイトドリーム(GIII)」は6月7日が2日目。ガールズは予選2、S級は二次予選A、B合わせて6個レースで準決勝進出が争われた。ガールズは梅川風子、石井寛子に児玉碧衣が連勝で準決勝に進出。S級の二次予選では伊藤裕貴の脱落はあったが、地元勢からは4名が準決勝に勝ち上がった。
 3日目はわなげ、ダーツに射的などお楽しみ夜店や四日市ジュニアアンサンブルステージ演奏が。井上茂徳氏、山口幸二氏、後閑信一氏の予想会&トークショーも予定されています。ぜひ四日市競輪場へご来場ください。

<1R>

梅川風子選手
梅川風子選手
 最後方から動いた豊岡英子が打鐘過ぎから先行態勢に入ると、3番手の中嶋里美が2コーナーからまくる。しかし、その上を豪快にまくった梅川風子(写真)が後続を千切って準決勝一番乗りを決めた。
 「ホームでもうちょっと行こうかなってとこでしたけど、前のペースが上がってた。(中嶋が先まくりを打ったが)ああやって仕掛けてくれたほうが、そのさらに上って感じで力が出るので。力がうまく出せればいいけど、未熟なところもあるんで自分でいいとは言えない。ここからが勝負だし、決勝に向けていいアピールができるように頑張ります」
 中嶋のまくりに乗った小林莉子だが2着に入るのが精いっぱいだった。
 「(梅川の)速度が違います。出番なしって感じでしたね。展開的には思った展開でしたけど、自分がスローに見えました。児玉碧衣とは違う加速のし方。ゴール線でトップスピードって感じで強いですね。とりあえず準決勝に乗ったので、どう戦うかを考えたい」

<2R>

石井寛子選手
石井寛子選手
 打鐘過ぎ4コーナーからカマした矢野光世と太田美穂で踏み合いになると、人気の石井寛子(写真)は2コーナー、5番手からのまくりで鮮やかに連勝を決めた。
 「(梅川)風子が1Rであの場所から行ったので、同じ場所から行って勝てなければあの子に勝てないと思ってた。2日目のほうが体調も良くて、調子も良くて、アップから違った。雨だったけど、イケるなって感覚はありました」
 2位入線の大久保花梨は3コーナーで那須萌美を押し上げたことで失格に。立て直して3着に繰り上がった那須は連日、誰かとからんでいるレース展開に苦笑いする。
 「メンバーも濃いんで仕方がないかな。どうしてもコーナーで膨らんじゃうんで併走になるとああなる。そうなっても立て直せてるので脚は問題ないかなと思う。準決勝は安全に走りたいです」

<3R>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 初手6番手の児玉碧衣(写真)は打鐘過ぎ4コーナーから一気のカマシ。前受けから3番手で立て直した尾崎睦の追撃を振り切った。
 「むっちゃん(尾崎)が一番前にいたから早く行って楽に番手に入られるのは嫌だった。長めに外を踏んだんですけど、いっぱいいっぱいでしたね。(尾崎に)突っ張られたらキツかったけど、出切ってからはうまく回せた感じ。初日よりは良かったし、あと2日徐々に良くなっていくと思う」
 立て直して直線伸びた尾崎睦だったが児玉をとらえることはできず。
 「突っ張れる脚はなかったかな。もう少し早く踏めば踏み合いっこはできたと思う。でも自分のやりたいこともできました。前(比嘉真梨代)は抜けたけど1着になるにはもう少し力が必要。今回は優勝狙ってきてるんで、しっかり決勝に乗れるように頑張ります」

<7R>

 長尾拳太が先行策。金ヶ江勇気が4番手を確保するが、打鐘の4コーナーで五日市誠がすくってインを進出。長尾ライン3番手の吉田健市をさばいた五日市は、最終3コーナー過ぎに元砂勇雪のまくりをけん制した重倉高史の内を突いて抜け出した。
 「最後のはマグレです。本当はさばいて、まくる競走をしたかった。吉田さんがちょっと空いたので、そこをしゃくっていけた。流れには乗れましたね。重倉は前に踏むと思ったら、ヨコに振って戻ってこなかった。ちゃんとした追い込み屋だったら、ああはならないからね。1着を取れて良かった。GIIIの準決はかなり久々ですよ」
 金ヶ江のまくりに乗った小野俊之は、金ヶ江のスピードが鈍った最終3コーナーでコースを探して五日市を追うように伸びた。
 「中団に入れたけど、外の元砂しか見てなかったし、内に気付くのが遅れた。金ヶ江はバックで出が悪かったから、そこから内に切り込んだ。重かったけど、しのげて良かった。今の自分のなかでは精いっぱい走れた」

<8R>

 先行態勢を取った廣田敦士が、打鐘でペースを上げて駆ける。それでも中団の外併走から、坂本周作は仕掛ける。坂本が強引に廣田を叩くが、山田幸司が連結を外す。番手に入った廣田が抵抗する坂本をとらえて、付けた笠松信幸がゴール前で追い込んだ。
 「廣田君と坂上(忠克)さんのおかげですよ。久しぶりに勝てましたね。ずっと感じは良くて、やっと結果に出てくれた感じです。ラインで決まったんで良かった」
 坂本に合わされながらも、なんとかとらえた廣田敦士が2着で準決に進出した。
 「後ろに2車も付いてくれたので、番手にはまったけど早めに踏まないといけないと思った。でも、余裕はあるけど体が重いのか、車の進みが良くなかった。体の状態があまり良くなさそうなので、しっかりと(クール)ダウンして準決に備えたい」

<9R>

北野良栄選手
北野良栄選手
 早めに動いた鈴木裕が正攻法に入ると、打鐘前2コーナーから谷口遼平が叩いて先行に立つ。すかさず原口昌平が叩きに行くが、友定祐己が離れて裸逃げに。懸命に追いかけた谷口が2センターで原口をとらえると、番手の北野良栄(写真)が直線鋭く抜け出した。
 「谷口のおかげ。あとは(打鐘過ぎ2センターで)内を締めた自分のおかげ。キック(鈴木裕)もうまいからしゃくって来ると思ったし、がら空きだったら来るっすよね。入って来られてボーンは素人以下なんで。それなら脚使っても締めてと。結果オーライですね。(谷口が)ため過ぎて行けんの?と思ったけど、あんないいとこ回ったことなかったんでヨダレが出ちゃった(笑)」
 3コーナー、7番手からまくり追い込んだ鈴木裕が2着。3着には谷口遼平が粘って準決勝進出を決めた。
 「めっちゃキツかった。原口さん強えーと思った。3(着)まで残れて良かった。ジャンからいっぱいいっぱいで全開なら(原口を)合わせられたけど、それじゃ鈴木さんにまくられるんで。結果良かったですね。何とか勝ち上がれて良かった。誘導が上がって(3.)85じゃ足りない。先輩と相談してギアを上げようかな」

<10R>

阿竹智史選手
阿竹智史選手
 赤板の2コーナーで先頭に立った伊早坂駿一が、伊藤裕貴を突っ張り主導権を渡さない。外に浮いた伊藤が後退して、3番手は阿竹智史(写真)が確保する。伊早坂が掛かり良く逃げる。直線勝負の阿竹が、東龍之介とのゴール勝負を制した。
 「(初手が)いい並びになりましたね。動いてからは関東(伊早坂)が来るだろうし、あとは中部とモガき合うのかどうかってところでした。内はしっかり締めて(叩けなかった中部勢が)僕のところに降りてこないか気をつけていた。(別線が)来たら行こうと思って準備はしていたけど、後ろは誰もこなかったから4コーナー勝負しようと。連勝なので状態はそこそこいい」
 直線半ばで失速した伊早坂駿一だが、内容の濃い走りで4着に踏ん張って勝ち上がった。
 「ポイントは伊藤さんを出させるか、どうかでした。スピードに乗っていたし、ちょっと長かったけど2車でも先行勝負しようと。確定板に乗れなかったけど、(ラインが)3車ならまた違ったと思う。GIIIでは準決が壁になっているので、なんとか決勝に行きたい」

<11R>

黒田淳選手
黒田淳選手
 赤板ホーム過ぎに山岸佳太が誘導員を下ろし、その上を石塚輪太郎が2コーナーで叩いて前に出るが、そこをすかさず打鐘から踏み上げた宮本隼輔が最終ホームから主導権を握る。中団で口が空いた石塚は追いつくのがやっと。番手絶好となった黒田淳(写真)がゴール寸前で宮本をとらえた。
 「抜けないかと思った。車間を空けられなかったので、抜くタイミングを少し遅らせたので、そのせいで届かないかと。タレなかったですしね。3人で決まって良かったし、最高の形でしたね」
 2着の宮本隼輔は敗れて強しのレース内容だった。
 「久しぶりに脚がパンパンですね。今や!って行くところが見えました。良かったです。出てからは全開です。差されたけどいいんじゃないですかね。(黒田は)特選の選手なんで。ジャンで仕掛けられたのが良かった。状態は普通ですね。問題なしです」

<12R>

神田龍選手
神田龍選手
 松坂洋平、神田龍の順で切ったうえを松本貴治が打鐘から飛び出して主導権を握る。河合佑弥の7番手まくりは不発。前の2人で決まったかに見えたが、3番手で脚をためた神田龍(写真)が直線鋭く突き抜けた。
 「(松本が)めっちゃかかってて行きたくないなと思ったし、誰も来なかったんで。あそこ(赤板ホーム過ぎ)で動かなかったら(3番手は)なかった。(松本が)ちょっとタレてきたのもあったし、脚はたまってた。決勝に乗りたいですね。三重のなかで優勝者を出したいし、そのために決勝に乗らないと」
 岡本総がきっちり続いて中部ワンツーが決まった。
 「神田がいつもみたいに先行するつもりで行けば、いい位置に入れる。うまく作戦どおりにいったし、3着までに入れて良かった。松本君がむちゃくちゃかかってたし、こりゃ(まくってくるのは)無理だろと思った。あとは内だけ来られんようにしっかり締めてました」
 逃げた松本貴治は4着に敗れた。
 「タレたのもあるけど、いつもなら踏み上がるところで踏み上がらなかった。もっとジャンでしっかり踏んで出るべきでしたね。修正します」