『奈良競輪開設56周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:2月15日



 いよいよ奈良競輪場開設56周年記念「春日賞争覇戦」が始まった。初日の今日は短走路を舞台に、1レースから内容の濃いレースが展開され、記念開催に相応しい盛り上がりを見せました。メインの特選3個レースでは佐藤友和、市田佳寿浩に渡辺晴智がそれぞれ勝利し、幸先の良いスタート。明日は最終11レースの「飛天ちゃん賞」をメインに二次予選A、Bで準決勝への勝ち上がりを争います。
 明日もぜひ奈良競輪場へ足をお運びください。
 

<1R>
 1レースは熊無俊一がホームからのまくりを決めた。
 「今日の風と奈良競輪場の特性を考えれば、あそこからの仕掛けになるね。久々に出し切れるレースができて気持ち良かった。最近は流れが悪かったから、これをきっかけにしたいね」


<2R>
 2レースは外併走で中団の松崎貴久にフタをした荻原尚人が最終ホームから先行。上がり9秒6の好ラップを叩き出した。
 「遅過ぎて突っ張られるところでしたね。奈良で1周カマシでしょ、10年に一度あるかないかの展開でした。1着だったし調子はまずまずだけど、明日からが勝負です」


<4R>
 4レースは和田信一が会心のカマシを決め、近畿勢が上位を独占した。
 「別線がやり合って注文どおりの展開になりましたね。でも残り半周は一杯でした。冬場は練習量も落ちて良くないけど、今日は展開で。今節は1勝が目標だったんです。初日にクリアしちゃったけど、もう一回取れるように目標をリセットします」


<5R>
乾準一選手
乾準一選手
   5レースは乾準一の先行を利した佐藤成人が地元で嬉しい200勝を達成した。
 「(200勝は)意識しなかったけど、地元の勝ち上がり戦で達成できたのは嬉しいです。とにかく今期は予選で一回も勝ってなかったから。これでプレッシャーもなくなって、体が軽くなるかも。今日は乾さまさまです」
 前検日に「33バンクは得意じゃない」と話していた乾準一(写真)だが、レースは力強かった。
 「逃げ切れるかな? と思ったくらいの感じだったけど、ホームが向かい風だから流せなくて1周半踏みっぱなしでした。やっぱり33はキツいです」


<6R>
坂上忠克選手
坂上忠克選手
   6レースの選抜戦では前々自在にレースを運んだ坂上忠克(写真)が豪快なまくりを決める。
 「レースセンスの差でしょ(笑)。調子は悪くないけど、めっちゃ重かった。脚を使って位置を取るレースができたし、練習での感じも良くなってます」
 2着に流れ込んだ田島浩二は坂上の強さを絶賛する。
 「点数を下げてるだけで、やっぱり脚は特選クラスですね。先輩中心にレースが回ってたし、力が違った。七番手になっても焦ってる感じはなかったし。僕ですか? 悪くないけど、最近は流れが向いてるのが大きいですね」


<7R>
友定祐己選手
友定祐己選手
   7レースは西田雅志が友定祐己のまくりに乗って快勝。「ここに来る前にタイムが出てたのが自信になってたし、今日は展開も向いた。今日はあんな(別線が叩き合う)レースが多かったし、二人でワンツーが決まって良かった」とレースを振り返る。
 鎖骨骨折から復帰して2場所目の友定祐己(写真)は絶好のまくり頃だったが差されて2着に。
 「本調子だったら差されてないだろうね。風も強かったけど切れもなかったし、まだ6、7割のデキじゃないかな。明日は久々に強い相手と当たるので、どこまでやれるか勝負ですね」


<8R>
安福洋一選手
安福洋一選手

   8レースは倉岡慎太郎のまくりに乗った足達重満が直線一気。
 「やっぱり流れが良いですね。それにしても倉岡さんの出脚は抜群でした。絶対にまくり切ると思いましたよ。僕もバックでは楽だったし、乗った感じ力が入る。調子は良いと思います」
 2着の安福洋一(写真)は第一声「選抜スタートだったし緊張した」と地元で二次予選Aに勝ち上がりホッとした表情を浮かべる。
 「勝とうと思えば勝てたけど、中村(美千隆)君を残したかったから。ここへ向けて練習してきたし、感じは良くなってる。まだ明日、明後日と残ってるし頑張ります」
 外を強襲し3着に食い込んだ高峰賢治の切れも光った。
 「直線が短いから内に行きたかったけど、外に行って結果オーライでしたね。前回悪すぎたから、今回は全然良い。1月に双子が生まれたので、頑張って稼がないと」


<9R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手

   9レースからは特選。このレースは佐藤友和(写真)後位が競り。しかも佐藤、中村一将のやり合いで出入りの激しいレースとなった。一度は中村の番手に入った佐藤がホームで巻き返すが、紫原政文にすくわれ浮いてしまう。三番手の柏野智典が佐藤を入れると、そこから再度佐藤が巻き返し一気に前団を飲み込んだ。
 「慌てっぱなしでしたね。初めて走った奈良のイメージは、苦しかったってくらいで全然分からない。やっぱり先行選手としては中村さんを出させてはいけなかった。同期(柏野)が入れてくれて助かったけど、つまんないレースをしてしまいました。明日しっかり走って、感覚をつかみたいと思ってます」
 「競ってからの脚がなかった」と話す柏野智典は付いて行けず、佐藤は単独のまくり。これをバックから大塚健一郎が好回転でまくり上げ2着に食い込む。
 「僕だけ脚を使ってなかったから。(後閑信一と柏野の競りを見て)自分が参加してないと危ないですね(笑)。年末の落車で体調は万全じゃないけど、今日はラッキーしました。でも友和は強いですね」
 大塚に続き3着に入った前田新だが、中村との連係を外してはバツが悪い。
 「中村が引いて来たから、引くもんだと思ってたら行ってしまった。たまたま前の大塚が行って、僕が3着では申し訳ないです」


<10R>
飯嶋則之選手
飯嶋則之選手

   10レースは逃げる吉田敏洋ラインの三番手をキープした市田佳寿浩がまくり追込みで人気に応える。
 「人気に応えたと言っても後ろがいるからね。1着だけど、(後ろを連れ込めなかったから)半分かな。絶好調なら2コーナーで行ってたと思う。まあ位置取りは問題ないし、あと3日間良いレースがしたいですね」
 吉田後位を浜口高彰から奪った飯嶋則之(写真)が2着に。
 「正直あまり良くなかったけど、気持ちで走りました。たまたまとは言え浜口さんに競り勝てて嬉しい。これからもこういう経験を積み重ねていきたいと思ってるし、今日は上手くいきました」
 3着に逃げ粘った吉田敏洋は、「風邪で大した練習もできてないけど、3着に残れて良かった。一本先行できて優秀戦に乗れたし、明日以降もプラス思考で走れると思います」と準決勝進出を確定させて安堵の表情。


<11R>
渡辺晴智選手
渡辺晴智選手

   最終11レースは東日本勢が上位を独占。勝ったのは三番手から伸びた渡辺晴智(写真)だった。
 「有坂さんが追いかけた勢いもあったし、バックを踏まずに行かせてもらった。踏むのが早かったですよね。すいません。大井さんには(番手の)良い仕事を見せてもらいました。あそこでハウスして危なかったけど、1着だし気持ちは良いですね」
 逃げる稲垣裕之を最終ホームから早めに巻き返した伏見俊昭の反応は抜群だった。
 「前受けなら突っ張り、そうじゃなければ稲垣君が行ったところをすかさず行く作戦でした。練習でも感じが良いし、あとは疲れが取れてればと思ってたけど、2着には入れて良かった。晴智さんの勢いが良かったし、最後は向かい風でタレましたね。でも調子は上がってるし、これからもっと上げて行きたい」
 2コーナーで大井啓世の強烈なブロックを受け、伏見に離れた有坂直樹だったが、何とかしのぎGP覇者の意地を見せた。
 「きつかった。逃げようと思ったけど一気に外に持って来られて、フワッと外に行っちゃった。でも3着に入って良かったよ。伏見の反応も良かったね」
 地元で気迫のレースを見せた大井啓世だったが、4着まで。
 「体調は問題なかったけどね。稲垣が踏んでる上を行った伏見が強い。あと有坂もね。さすがGPレーサーやね。でも僕は精一杯やりました」


   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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