『向日町競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:1月31日


 京都向日町競輪場で開催中の開設59周年記念「平安賞」は2日目。朝から生憎の雨模様となったが、初日に引き続きバンクのなかでは熱い戦いが繰り広げられた。メーンの「朱雀賞」は中団からまくった浅井康太が制す。明日は準決勝4個レースで決勝進出をかけた最後の勝ち上がり戦を展開する。
 明日も入場者から抽選で200名様に「平安賞」オリジナルクオカードを、先着1000名に携帯カイロをプレゼントします。さらに京都向日市激辛商店街の展示販売などの場内イベントが予定されています。向日町競輪場へ、ぜひご来場ください。


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鈴木孝征選手
鈴木孝征選手
   前受けは小林弘和、6番手に河野通孝、8番手に鈴木孝征(写真)のまま打鐘でも動きがない。打鐘過ぎに秋山智幸が内をすくって小林の番手を狙うと、河野がカマして先行。この動きに上手く続いた鈴木が連勝で準決勝に勝ち上がった。
 「先に斬ろうと思ってたけど、赤板になってしまった。2番(秋山)が行ったので、自分で行こうかなと思ったら河野くんが早めに行ってくれて展開がよかったですね。初日は脚を使っての1着だけど、今日は展開です」
 逃げた河野通孝は2着に粘った。
 「恵まれました。鈴木さんは斬りに来ないかなと思ってたけど、秋山さんが内に行ってくれてチャンスだなと思ったし、体が自然に動いた。状態はいいので明日も思い切って行ければいいですね」
 前受けからアクションを起こせぬまま敗れた小林弘和は「平(総一)さんがまくりでいいと言ってくれたので…。でもこんなレースじゃ怒られますね」とガックリ。


<6R>
明田春喜選手
明田春喜選手
   池崎太郎が主導権を握ると、中団の明田春喜(写真)が内をすくって番手を奪う。大西祐がまくってくるが、そのまま番手から合わせて踏み込み1着でゴール線を駆け抜けた。
 「久しぶりに自力を出して気持ちよかったですね。前回(小倉F1の前検日に熱が出て)欠場になったけど、すぐに練習できたし体調に問題はなかった。内に行ったのは空いたのでひらめきで。2番(大西)が来たのですかさず行ったけど、あのスピードに合わせられたし、いいと思います」
 大西のまくりに乗って2着の西本龍は「明田のトルクは凄かったですね。2コーナーで最高速になってる大西のまくりを合わせてるんだから」と明田のデキに舌を巻いた。
 西本にからまれながらも、坂口卓士が3着をキープした。
 「もう一杯でした。締め込まれたときは、くじけそうになったけど、(佐藤)慎太郎さんに『気持ちで負けるな』と言われてるし、くじけず踏んでよかった。あれが本来の明田ですね。ビックリしました。俺が後ろで気楽だったんじゃないですか(笑)」
 明田が内にもぐり込んで絶好の展開になったはずの大西祐だったが…。
 「1コーナーではラインで決まったと思いましたよ。まさか(明田が番手から)出てくるとは思わんかったので。しゃーないですね」


<7R>
近藤俊明選手
近藤俊明選手
   打鐘前から車間を切ってけん制する田中俊充を構わず岸澤賢太がホームガマシ。そのままライン4車で出切ってしまう。勝ったのは近藤俊明(写真)。岸澤ライン3番手から外を鋭く伸びた。
 「後ろに渡邉(優)さんがいると思ってたし、早めに外を踏もうと思ってました。付いてて楽だったけど、車も出ましたね。最近は(F1で)予選回りになったので、強めに練習をやってきた。記念の準決勝もC、B、Aと徐々に上がってきてるのでよかったです」
 番手の茂木和臣は惜しくも2着に敗れた。
 「近藤は後ろに先輩が付いてるからね。車間を切りたかったけど、岸澤くんがタレてきてた。でも踏んだ感じも悪かったなあ」
 外を踏んで3着に食い込んだ渡辺十夢だが、「作戦は逃げるか粘るかの両面で。田中さんを入れて、行こうと思ったら何でこんなに進まんのやろ? 練習ではズバッと伸び切るのにショックや…」と状態には不満げ。


<8R>
松岡健介選手
松岡健介選手
   スタートけん制もあって前受けとなった松岡健介(写真)が栗田雅也を突っ張って先行。そのまま力強く押し切った。
 「突っ張りは決めてないです。(栗田の)来るタイミングが遅かったから突っ張っただけ。決めてたらストレスになるけど、とっさに決めたからストレスがない分だけ軽かった。脚に余裕はなかったけど、気持ちには余裕がありました」
 飄々と話す松岡に対し、番手の酒井耕介はその強さに脱帽の様子。
 「栗田をドカしに行って、逆に締め込まれてヒドい目に遭った。あれで失速したね。松岡は競技(スプリント)みたいなレースで強かった。僕のデキは悪いでしょ。昨日、レース後にセッティングを変えたけど、調子が出ない」
 中団で脚を溜めた藤原憲征が2着に強襲したが、「あんなとこから行けば伸びない俺でも伸びるように見えますよ。とりあえず昨日よりはよかった」。復調途上とあってコメントは控えめだ。


<9R>
加倉正義選手
加倉正義選手
   打鐘前から中団の新田祐大が後ろ攻めの西谷岳文をけん制。そのまま叩いた新田が最終的に主導権を握るが、バックまくりの西谷がそれを豪快に飲み込む。最後は番手の加倉正義(写真)が鋭く抜け出した。
 「西谷は持ってるものがいいって話は聞いてるし、今回はデキもいい。まくりでも信頼してました。初日に(菅原晃の踏み出しに離れて)失敗したんで、踏み出しが不安だったからそこに集中してました。僕は抜けたんで悪くない。明日のようなメンバーで不利な展開から3着までに入れればモヤモヤした気持ちもすっきりするでしょうね」
 豪快にまくって2着の西谷岳文は謙そんしきり。
 「たまたまですよ。新田くんは僕を出させてから組み立てると思ったけど、そのまま踏んでく雰囲気だった。1コーナー目がけて踏んだけど、イケルというより行ってくれ!って気持ちでした。まくるレースなんてあんまりないので、何とか勝ち上がれてる感じ。勝ち上がって近畿の上の人の前で頑張りたいって気持ちがあるからでしょうね」
 新田の先行に乗った高木隆弘が何とか3着をキープした。
 「(内から佐々木則幸がすくってきた)あれでビックリ、新田もペースで駆けられなかっただろうね。俺も余裕がなかったし、内が気になって軽くしかブロックできなかった。最後は3番手を上手くさばけたけど、苦しかったね」


<10R>
深谷知広選手
深谷知広選手
   記念には2度目の参戦となるルーキー・深谷知広(写真)が豪快なまくりで快勝した。  「冷静に走れたとは思いますけど、ちょっと前を見すぎてしまいましたね。海外遠征で体調を崩したけど、日に日に体調は良くなってきているし、疲れも取れている。準決勝もしっかり戦って、勝ち上がりたいですね」
 山口幸二は懸命に深谷を追ったが、直線でわずかに失速し3着。
 「深谷は外併走で休んでいたみたいだね。こっちは『もう行けないのかな』と思ってたから、急に加速しだした時は焦りましたよ。何とか付いて行けたけど、最後はちょっとね…。ちょっと自分自身のデキも悪いかな」
 2着には昨日も好走した岩本和也が入線。「(山口を)抜けたのはタマタマですよ。山口さんも脚を使っていたし、深谷君の仕掛けに付いていくのはきつかったでしょうからね。でも、ギアを上げた成果で、車が伸びてくれました」
 渡邉一成は「(深谷が)強い」と言い残しクールダウンに向かった。


<11R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   「朱雀賞」は出入りの激しいレースとなった。斬って、斬っての展開で最終的に逃げたのは平原康多。巻き返しが合わされた村上義弘が平原の番手を奪うと、最後は中団で脚を溜めた浅井康太(写真)がまくって激戦を制した。
 「打鐘で斬ったら、次に来たのが平原さんだったので村上さんが来るなと思った。あとは落ち着いて回しながらと思ったけど、村上さんが番手から出てきたときはヤバイと思いましたね。感じはいいと思います。(W杯の落車はあるが)気持ちですね。深谷(知広)もいいレースをしてたので刺激になった」
 絶好調菅原晃が外を鋭く伸びて2着に強襲した。
 「打鐘ですくえるだけすくおうと思ったけど、落ち着いて下げた。先に浅井くんがまくったので、それに乗ってゴール勝負と思ったけど、(感じは)いいですね。ずっと回して、踏んだのは4コーナーですから」
 菅原マークの豊田知之がコースを突いて3着に。
 「ふつう外は伸びんけどね。菅原くんは調子がエエんやろうね。僕は6番(玉木勝実)に当たった分伸びなかったけど、余裕があって見えてるし、感じはいいです」
 村上義弘にとっての勝負は明日、明後日。「平原は強いですね。タイミング、踏み出しは悪くなかったけど、行ける形に持っていけなかった」。ライバルの強さをしっかり体感して、明日からの戦いに備える。
 逃げた平原康多は6着に沈んだが、「見ごたえのあるレースだったと思います。感じは悪くないし、昨日もだけどアタリはつきました。結果はともかく、納得してます」。シリーズ2走で確かな手ごたえをつかんでいる。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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