『第6回大阪・関西万博協賛競輪in和歌山(GIII)レポート』 2日目編

配信日:8月11日

 昼夜リレーGIIIは8月11日が2日目。昼間開催の和歌山競輪場「第6回大阪・関西万博協賛競輪(GIII)」でも二次予選7個レースで準決進出が争われた。脚力伯仲のシリーズだけに激戦の連続となったが、主力陣がおおむね結果を出し、近畿勢も地元エースの藤田勝也らが勝ち上がりを決めた。大会3日目はいよいよファイナリスト9名を決する準決がメインで実施される。
 GIIIシリーズは開催中の毎日、豪華解説陣によるスペシャル予想会、抽選によりオリジナルクオカードのプレゼントなどが実施されます。さらに週末土曜日の12日には「カミナリ」お笑いライブ(13時15分頃~・14時45分頃~)が予定されています。和歌山競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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中井俊亮選手
中井俊亮選手
 赤板で嶋津拓弥が切った上を、山田諒が押さえに動く。中団から山田に合わせて動いた中井俊亮(写真)は、嶋津を切って中部勢を受ける。山田が徐々にペースを上げる中、8番手に下げていた緒方将樹が打鐘から踏み上げる。スピードに乗った緒方が最終ホームで山田を叩いて主導権を奪うと、塚本大樹の後ろは車間が空く。中井は2コーナーから仕掛けて空いた車間を詰めていき、4コーナーで九州勢をとらえてゴール線を1着で駆け抜けた。
 「初手は想定通りでした。山田君がペースで駆けてるところを緒方君が叩いたんで、かなりスピードが良かった。でも嶋津さんは来てなかったんで、自分の届くところから仕掛けようと思ったらかなり車間が空いてて焦りました。踏んでる感じは昨日(初日)に引き続いて良かったですね。ポジションをいじって良くなってると思うし、このフレームは悪くない」
 中井マークの鷲田佳史は加速に離れてしまう。緒方のカマシを利した塚本大樹が2着に入った。
 「後ろ攻めがいやだったんで、スタートは出ました。前を取ったら、引いてすかさず行くと思ってたんで。(緒方は)前半が相当スピードに乗ってたし、強かった。あれだけ行ってくれてるし、残したかったけど、中井君のスピードが違いましたね」

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上野雅彦選手
上野雅彦選手
 池野健太が前受けから赤板で突っ張って、飯野祐太を出させない。北日本勢を追った上野雅彦(写真)は、3番手で口の空いた佐々木眞也の前に降りて好位を確保する。一旦6番手外で佐々木と併走となった飯野は、最終ホーム目掛けて池野を叩きに行く。上野は北日本勢の仕掛けにスイッチ。2コーナーからすかさずまくった上野が飯野をねじ伏せて後ろを引き離した。
 「細切れでみんな動いて動いてになるし、緩んだところでいこうと思っていた。うまくスイッチして仕掛けることができて良かった。初日よりも踏めている感覚があって良い感じ。初日は後輪が跳ねる感じがあって、前に突っ込んでいるからだと思ったから後ろに残す感じで座って踏み上げた。普通の記念開催では勝ち上がりが難しいけど、今回はオールスター組がいないし、勝ち上がれるところまで勝ち上がりたい。今日の感じだと先行しても残る感じがあった。まくりでもタレている感じがなかった」
 まくられた飯野が斜行して清水一幸と接触。飯野は失格し、清水は車体故障を起こして失速してしまう。飯野を内から交わした佐々木眞也が2着に入った。
 「初手の並びがどうなるかわからなかったので、取れた位置から考えていこうと思った。最終ホームの所は一車でも前にいこうと思ったけど、中途半端なレースになってしまい新田(康仁)さんに迷惑をかけてしまった。組み立てが甘くて良くなかったのが反省点。脚は悪くないし、落車の影響も問題ないから色々と修正して、反省することはして次につなげたい」

<8R>

高久保雄介選手
高久保雄介選手
 黒沢征治が脇本勇希を赤板で切ってペースを上げるが、平尾一晃が2コーナーの下りで加速して黒沢を叩く。脇本が打鐘ですかさず巻き返して平尾を叩き切り、近畿勢の主導権。脇本マークの高久保雄介(写真)は黒沢のまくりを外に張りながら4コーナーで前に踏んで抜け出して1着でゴール。夏バテで体調を崩した前2場所とは打って変わって、連勝で準決勝へと駒を進めた。
 「前からが良いってことだったんで前から。意外とスタート早いんですよ僕(笑)。想定通りの展開だったけど、(平尾が)良いピッチだったから、行けるんかなって。そこを行ったんで脇本君はすごいなって。僕は無理やりバックを踏んで車間を切ったんで、きつくて余裕がなかった。そこの技術は付けていかないといけない。調子は確実に前回、前々回よりも良くなってる。めちゃくちゃ飯を食ったんで良くなってますね」
 後方に置かれた黒沢征治はバックからまくり返して2着に届いた。
 「後ろ攻めになるなとは思ってたんで、ペースを上げるつもりで切った。平尾君が脚を使うようなペースで切らせたんですけど、出た後にペースを落とされてしまった。それで内に詰まって飛び付いたんで、後ろの人はきつかったと思う。昨日(初日)より軽くて指定練習から良い感じだったんですけど、後ろに迷惑をかけてしまいました」

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小林泰正選手
小林泰正選手
 晝田宗一郎が赤板で立部楓真を切ってレースが動き出す。不破将登が中四国勢を切り、さらに小林泰正(写真)が不破を打鐘で押さえる。8番手に下げていた立部は打鐘3コーナーから踏み上げて小林を叩く。九州勢を晝田が追うが、小林が最終ホームで外に張って追走を阻み、返す刀で2コーナーからまくり発進。抵抗する立部を4コーナーの下りでねじ伏せた小林が連勝を決めた。
 「積極的な晝田君と、立部君がいたので、どっちかが飛んでくるだろうと。来なければ自分で行こうと思っていた。初手は前中団から行こうと思っていたので想定通り。初日より出は良かったけど、立部君が脚があってキツかった。セッティングを全体的に昔の感じに戻して感覚が良いです」
 小林を追って2着に入った芦澤大輔だが、レース後は浮かない顔つき。
 「関東3車で小林君が逃げると思ってました。先手を取るレースを考えていた。(最終ホームでけん制したが)あれぐらいしかできないし、結果、小林君がさばいていたから何もやっていない。初日は新フレームを使って、今日(2日目)は元のフレームに戻したけど迷宮入りですね。明日は新フレームを使って、良い所を探して間に合わせたい」

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阿部力也選手
阿部力也選手
 ゆっくりと上昇した松尾勇吾を、赤板で蕗澤鴻太郎が突っ張る。周回中に4番手だった中釜章成は、併走を避けて7番手に車を下げて、松尾が4番手に入る。蕗澤が後ろを警戒しながらペースを上げずにいると、松尾が打鐘3コーナーで仕掛ける。蕗澤は合わせてペースを上げ、松尾は一車追い上げるまで。最終1センターから仕掛けた中釜が迫っていくが、スピードの乗りは今一つ。蕗澤マークの阿部力也(写真)は、中釜を外に張ってからゴール前で蕗澤を差し切った。
 「(蕗澤は)絶対突っ張るって感じじゃなかったし、流れに対応して走ると思ってました。一回突っ張ってから、近畿が来るのも遅かったんで、これは踏み上げるだろうなと思った。後ろに松尾君が入ったけど、車間も切れてたし、まくりが来たら落ち着いて止められる準備はしてました。蕗澤君は強いですね。付いてるだけだったけど苦しかったし、抜けないと思った。自分は風が苦手なんで、風が吹くと脚のなさが出ますね」
 2周突っ張り先行の蕗澤鴻太郎が、2着に逃げ粘った。
 「(松尾が)切ってくるスピードによって、下げるか突っ張るかは考えようと思ってた。ゆっくり来たんで突っ張りました。阿部さんも仕事してくれますし、後ろを信じて駆けました。出し切れてるんで、調子はかなり良いと思います」

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荻原尚人選手
荻原尚人選手
 貴志修己が赤板1コーナーで酒井雄多を切る。石原颯が打鐘で貴志を押さえると、すかさず酒井が巻き返す。石原も踏み上げるが、酒井が堤洋のけん制をこらえて、最終2コーナーで叩き切る。坂井マークの荻原尚人(写真)は3コーナーで外に張って貴志のまくりをけん制。石原から切り替えていた堤洋は、荻原の空いた内を付いて抜け出しを狙う。一瞬堤に内から出られた荻原だったが、ゴール前で鋭く差し返した。
 「酒井君はすごいスピードでダッシュが良かった。トップスピードを出してギリギリ出切ったので、前もだいぶ踏んでいたと思う。自分も少し口が空いた。(堤に)入られて対応したかったけど、戻りが遅かったのか入られた。入られて力が抜けたけど、そこから踏んでいく余裕があった。今日(2日目)は初日と比べて軽かったし、最近の良さが出ているのかな」
 堤洋は目標の石原が叩かれると北日本3番手に飛び付いて切り替える。竹山陵太との併走から中割りを狙って2着。
 「めっちゃ疲れた。最終ホームで酒井君を張ったときにガシャンって音がなって、やってしまったと思ったけど、車体故障はしていなかったみたいで。最終1コーナーで竹山君が離れていたので、ここやなと思ってさばきにいった。荻原君が空けたら内にいこうと思ってた。三宅(達也)君もいるから前々にいこうと。1着なら絶好調だけど、2着なので好調ぐらいですね」

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金子幸央選手
金子幸央選手
 道場晃規が赤板過ぎに小森貴大を押さえる。金子幸央(写真)はこの動きには続かず一旦7番手となるが、2コーナーで内から近畿勢をすくって中団に入る。金子マークの平原啓多が外に差して隊列が短くなり、小森貴大は打鐘3コーナーからカマす。この仕掛けに近畿ライン3番手の中澤央治が遅れて、金子は最終ホームで前の2車を追うようにして仕掛ける。2コーナーの下りで加速した金子があっという間に小森に並び、4コーナーでもうひと伸びして本線を撃破した。
 「(赤板2コーナーで)下って内に行ったんで、無駄脚を使わずに中団に行けましたね。中澤さんが離れてるのが見えたんで、思いっきりスイッチしました。あそこを見送っちゃうと苦しくなるんで。判断も、脚も整ってます。スピードの乗りも良かったし、最後まで踏み切れてるんで、いつになく状態は良い。セッティングとかを見つめ直した結果が出てますね」
 小森マークの藤田勝也は、スピードの違った金子は止められない。それでも、平原はブロックして追走を阻むと、ゴール前で小森を交わして2着で勝ち上がった。
 「小森君の踏み出しだけ気を付けてました。風もある中で、先行基本に組み立ててくれた。金子君を止めるのは無理だなと思ったし、それならその後ろは止めないとと思った。小森君と二人で確定板に乗ったのは初めてなんで良かった。動けてはいるけど、もうちょい欲しいなって感じはある」