![]() 西徹選手 |
小川勇介を意識しながら、西徹(写真)が4番手をキープ。逃げた藤田竜矢ラインとの車間が大きく空いて後ろの萩原操には切り替えられたが、自分のスタイルを貫いた西に直線でコースが開けた。 「中団が欲しくて小川君を見ていたら、前(藤田)が踏んだんで、車間が空いちゃいました。ああなったらもう自分はペースで追いかけようと。僕はまっすぐ踏んでいきました。(もつれる)予感がしてたけど、そこまでになるとは。脚の感じは前回の向日町ほどは軽くないけど、昨日よりはましですかね」 4.25のギアを駆使して主導権を握った藤田竜矢が、吹かして逃げる。 「4.25だったから、緩めたらダメだと思ってそのまま踏んでいった。重かったですけどね。(坂本)英一さんが付いたんじゃ、死ぬ気で先行と思ってました」 最終バックでは離れた9番手。宇根秀俊は3コーナーから冷静にコースを見極めて3着。最悪の展開の2次予選をクリア満面の笑みをたたえる。 「あきらめずに踏んでよかった。脚的にも前回の向日町とは大違いだし、ツキもある。落ち着いて周りを見られたし、落ち着いてコースを入って行けた」 |
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![]() 佐々木雄一選手 |
スタートからけん制があった南関と北日本の両ラインによる激しい主導権争い。竹山陵太が小原太樹に合わされ目標は不発に終わった佐々木雄一(写真)だが、最終2コーナーから自らまくって勝機を見出した。 「苦しかったです。踏む距離も自分にとっては長すぎました。もういっぱい、いっぱい。前も早めに踏んでいたんで、(まくり)行けたんじゃないかと。松岡(貴久)君が見えたんで、(自分で)行かなきゃって。松岡君に行かれたら終わりなんで。有坂(直樹)さんが付いていると、いい緊張感で走れますよ」 佐々木のまくりに懸命に食い下がった有坂直樹は息も絶え絶え。引き揚げて来た検車場でへたり込む。 「すげえ苦しかった。(佐々木)雄一はよく行った。雄一はあの位置に入ってからすぐに行ってくれたし、いいスピードだった」 小原が主導権を明け渡さずに番手の藤田大輔には絶好の展開も、佐々木―有坂の3番手に切り替えての3着まで。 「もう今日は小原君の頑張りに尽きますよ。落ち着いて行ってくれればと思っていたけど、あんなに行ってくれた。2車(佐々木、有坂)行かれちゃったんで、僕か栗原(厚司)さんが3着までに入らないとって」 |
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![]() 宗景祐樹選手 |
柴崎淳に併せ込んだ屋良朝春は、打鐘の2センターから踏み降ろし高谷雅彦を叩いて主導権。3着に逃げ粘って準決進出を決めた。 「あそこは無意識で(柴崎にフタをして)行きました。(パンクで)車輪を換えたんで、それでか力が入らなかった。でも、宗景(祐樹)さんも勝ち上がったし、ひと安心しました」 「屋良君は心臓が強いですからね」とは、宗景祐樹(写真)。後輪パンクによる再発走のアクシデントにも落ち着いていた屋良の、メンタル面での強さをたたえる。 「自分として今日は、流れるところがなかったんできつかった。それでも屋良君がレースを作ってくれたし、まくって来た柴崎君も勢いがそれほど良くなかった」 別線のあおりを受けた柴崎淳は、まくりにいつもの切れがなく2着。自転車の進み具合にも納得がいかないのか、うつむきかげんで振り返る。 「踏み出しからモタモタしちゃって。ダッシュからイメージ通りではないですね。いい時はもっと進む感じがするんですけど。踏み込んだ時の感覚が違う。感じが良くなってくるとコケちゃうんですよね。まだ、松戸記念での落車が…」 |
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![]() 小林大介選手 |
打鐘目がけて勢い良く出た芦澤辰弘が、吉本卓仁を7番手に置いて先行策。番手の小林大介(写真)は最終2コーナーから反撃に出た中団の佐藤亙に合わせてまくり発進。 「初日も芦澤はいいレースをしていたし、任せていました。吉本が相手だから、吉本よりも後ろにいたらダメだと思っていた。そしたら芦澤が積極的に行ってくれた。(吉本を)気にしていたら、6番(佐藤)が来たんで。気づくのが遅れました。自分のタイミングで行ったわけではないんですけど、脚の感じは悪くない」 小林に続いた笹川竜治が2着に流れ込み、うれしそうに振り返る。 「連日、展開に恵まれてますね。ラインのおかげですよ。(最終)自分は2センターから4コーナーまではヤバかったけど、2着に入れてよかった」 吉本が合わされると大塚健一郎は、佐藤ラインに切り替えて最終4コーナーの混戦をさばいて追い込み3着。初日の落車にもかかわらず、満身創痍の力走が光った。 「関東のああいう(2段駆け)のは頭に入っていたけど、それでも吉本だったらその上を行ってくれると思っていた。(切り替えて)自分はさら脚だったし、なんとか凌げた」 |
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![]() 高田健一選手 |
吉松直人が中団のもつれを誘って先行勝負。2コーナーで内に包まれた稲川翔が武田憲祐を押し上げて失格。番手回りの梶応弘樹が有利かに、その外を踏んだ高田健一(写真)が突き抜けた。 「後ろで落車があったけど、どうなっているか分からなかったし、無我夢中で踏みました。記念の2次予選の1着なんて記憶にありません。準決進出も久しぶりすぎて覚えていない。2場所前の函館で落車し、肋骨に痛みはあるけど、1着が獲れているし戦える状態です」 高田に差された梶應弘樹は「練習不足のせいか、フレームがあっていないのか、分からないが、重いですね」と、振り返る。 3着には地元の前田拓也がしぶとく踏んで飛び込んだ。 「初日に落車した影響か、身体が重く感じる。セッティングもズレている感じがするけど、残り2日間は気持ちで乗り切ります」 |
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![]() 南修二選手 |
赤板で石井秀治を押さえ込んだ稲垣裕之が、うまくペースにはめ込んでの2周先行。南修二には交わされたものの、復調への手応えはつかみ取った様子で振り返る。 「調子が一息の時こそ積極的にっていう原点に帰らなきゃあかんって。後ろの2人もしっかり付いてくれているし。久しぶりに先行で連に絡めました。ちょっと調子を取り戻すキッカケになったかと。流れは自分で変えないと。今回は新しい自転車で臨んで、セッティングは昨日より出ている感じがします」 3番手がもつれて労せずに番手を回った南修二(写真)が、稲垣をとらえて地元で1勝を挙げた。 「(周回中から)後ろを取らせてもらえたし、うまくいった。後は(番手で)粘られてもそれは仕方ないと思っていた。そこは譲れないですからね。今回は新車なんで出てないこともないけど、まだ(セッティングを)少しさわりたい感じです。明日の準決が最終(目標)と考えずに、しっかり走りたい」 もつれた3番手で石井と西郷剛が車体故障。加藤圭一は内を進出して離れながらも、前の2人を追いかけ3着をキープ。 「悪くないと思うんですよね。普通なら1車入られたりするけど、そこでしっかり反応ができているし。後は明日が勝負」 |
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![]() 伏見俊昭選手 |
打鐘過ぎに出た岩本俊介が先行態勢に入るが、ペースを緩めた2センターから渡邉一成が一気。岩本に反撃の隙も与えず、瞬時に主導権争いにカタをつけた。 「今日はすんなり出させてもらいました。それに自分が踏んだタイミングも良かったと思います、風が強い中で踏み切れている。今日の疲れを残さないようにして、準決もしっかりと走りたい」 齋藤登志信まで続き、北日本ラインで3着までを独占。渡邉の踏み出しにしっかりと付けた伏見俊昭(写真)が、SS班のプライドで1着をもぎ取った。 「あそこは(渡邉が)行く順番だったし、そこは集中をしていました。渡邉君は脚のレベルが高いですね。自分はあれだけ渡邉君が行ってくれればっていう感じです。1着が取れたし、成績が安定するのが一番ですから。脚の感じも悪くないし、こういうのをコツコツと積み重ねていきたい」 単騎の村上義弘は立ち遅れてまさかの最後方。最終バック手前から、まくりを打ったがシンガリに沈んだ。 「(9番手になった)道中の過程がよくなかった。一走ごとに感じが悪くなっている…」と、振り返った。 |
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