『防府競輪開設74周年記念in玉野(GIII)レポート』 前検日編

配信日:11月1日
 玉野競輪場で防府競輪開設74周年記念「周防国府杯争奪戦(GIII)」が、11月2日にスタートする。防府記念5連覇で同一記念連続優勝記録を塗りかえた清水裕友が、今年は玉野を舞台に6連覇に挑む。S級S班も古性優作、松浦悠士、郡司浩平、新山響平、守澤太志と5人がそろい、豪快なメンバーによる4日間のシリーズだ。好天にも恵まれた11月1日の前検日は、選手の多くがバンクでの感触を確かめて翌日からの戦いに備えた。
 記念シリーズは開催中の毎日、場内予想会、こども縁日、ふわふわドーム、キッチンカーの出店などが予定されています。また、11月2日の初日には、オリジナルクオカードやタオルなどが当たるラッキーカードを先着で500人に配布します。玉野競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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渡口勝成選手
渡口勝成選手
 直近の3場所は勝ち星のない渡口勝成(写真)は、前回の高松FIを257着。しかしながら、初日予選では先行策でラインの網谷竜次とワンツー決着と、動きは悪くなさそうだ。
 「(前回は)自分が求めているレースはできた。けど、勝ち切れないので、まだまだ力不足の感じがしました。今年は基本、(地元記念の)ここを目指してきました。練習と調整はしっかりとやってきました。悪くはなかったけど、めちゃくちゃいいっていうわけではない。地元で1レースの1番車をいただけたのは大変うれしいけど。防府記念(の開催自体)がいいスタートを切れるかっていうのも自分にかかっているんで、そういう意味でのプレッシャーもあります」
 吉澤純平は、前回の寬仁親王牌を8483着。3日目は落車に見舞われたものの、最終日までシリーズを走り切った。
 「(落車は)全然、大丈夫でした。(雨で)滑ってくれたんで。そのあとは休んでから、練習もできました。最近は練習でも徐々に負荷をかけてやっているし、ウエートトレーニングとかもできている。やってなかったころよりも、筋力は戻ってきている。ただ、それがなかなか結果にはつながってないですけどね」

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 8月末の地元、向日町記念の一次予選では1位入線も失格の憂き目をみた高久保雄介だが、その後はFIで上々の戦績を収めている。前々回の福井、前回の高松とそれぞれ2勝をマークした。
 「(前回は)体調を崩していたあとだったんで心配だった。けど、思ったよりも動けました。(そのあとは)結構、追い込んで練習をしてきた。あとは疲れが抜けてきているかの心配もあるけど、大丈夫だと思います」
 今期2度の優勝がある飯野祐太は、前回の函館FIを661着。最終日は弟子の板垣昴との連係から勝機をモノにした。
 「(調子は)ボチボチで悪くない。あとはいろいろ乗り方とかを含めてスピード競輪に合わせていっている段階ですね。自力なら自力でいいんですけど、初日が番手で2日目が自力っていうパターンは嫌ですね」

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野田源一選手
野田源一選手
 このメンバーでは競走得点で断トツの存在の野田源一(写真)。このあとに地元のGI、小倉での競輪祭があるだけに、ここで弾みをつけたいところだろう。
 「前回(寬仁親王牌)は、初日と最終日に確定板にのれて、自力も出せている。ただ、2、3日目は太田海也君の先行でかなわなかったですね。そのあとはしっかりと脚をつくってきた。競輪祭に向けて脚をつくっているので、少し上積みがあるかなと。玉野は優勝もしているし、コンスタントに決勝に乗れている。好きなバンクなので自信をもって走りたい」
 1カ月ぶりの実戦となった前回の地元、武雄FIを323着。そこから中3日の山口敦也は、直近の競走得点を107点台までアップさせている。
 「(一次予選で一緒の)野田さんとは何度か連係してますけど、7月の向日町FIの準決勝以来だと思います。その時は野田さんが10秒8のまくりだったんですけど、なんとか付いていけてワンツーでした。直近の点数は107点まで上がりましたけど、技術も脚力もまだまだだと思うので底上げしていけるように」

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 石原颯は、前々回の小田原GIIIの二次予選で落車に見舞われた。復帰場所となった前回の和歌山FIの761着での手ごたえがどうだったのか。
 「(前回は自転車の)ポジションが出ないままで行ったんですけど、最終日には出たかなっていうのがありました。その時も(自転車を)換えたけど、今回もまた違うモノ(新車)です。今回はポジションを出してきました。(脚の感じは)悪くないと思います。(一次予選はラインの)3人で決められるように」
 ここ5場所は1着がない櫻井正孝は、新しいシューズを投入。打開策を見出したいところだろう。
 「練習はしっかりやってきました。(初日は)新しいシューズを使ってみようと思ってます。やわらかめのです。直前まで上積みがなくて、それが練習なのか(自転車との)マッチングなのかっていうのがあるんで使ってみます」

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 戦法の幅を広げながら成績をまとめている川口聖二は、優出を果たした3場所前の豊橋記念以来のグレードレースに期待も膨らむ。
 「(前回の)高松が終わったあとに体調を崩して、そのあとの地区プロも欠場した。練習の数値は元通りにはなったけど、日にちがないなかでやってきたんで、疲れが取れればいいなっていうのがあります。9車立ては動きがすごくあるんで、その流れに乗れるようにとは思っている」
 佐々木雄一は、前回の寬仁親王牌の一次予選で白星スタート。2日目以降は中間の着順が多かったが、手ごたえは悪くなかったようだ。
 「ここ最近はいい感じで走れていると思います。春先くらいは別のフレームを使ったりいろいろと試行錯誤をしていました。けど、いまはそういう迷いもないですね。(初日の)櫻井(祐太郎)君との連係は向日町記念以来ですね。初日と3日目、最終日に連係して3勝させてもらいましたし、相性はいいと思います」

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 山下一輝は前回の武雄FIを235着。4月に当所でV奪取して以来、およそ半年ぶりの決勝進出を遂げた。
 「(前回は)最近のなかでは良かったかなと。立て直せたかなと思います。(地元記念に向けて)しっかりと準備をしてきました。あとは頑張るだけですね。(地元の)いい輪に自分も加われたらなと思います」
 近況は大敗も多く、競走得点を大幅に下げている鈴木浩太だが、体調面は問題なさそうで、こう口を開く。
 「感覚が良くないんですよね…。練習でもそうなんです。(6月の)大垣記念からいろいろ変えたんですけど、それを全部戻しました。原因ははっきりしているし、元に戻して方向性としても大丈夫だと思います、これで少しでも点数を上げていきたい」

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蕗澤鴻太郎選手
蕗澤鴻太郎選手
 7月の当所FIでは連勝で優出。バンクとの相性もいい蕗澤鴻太郎(写真)は、中3日にも疲れはなさそうでコンディションも上々のようだ。
 「調子はいいと思います。いつも通り練習してきて、調子をキープできているかなと。感触もいいですね。(玉野の)成績もいいんで、(バンクの印象も)いいと思います。あとは力を出し切る競走で頑張りたい」
 完調とは言い難い前回の寬仁親王牌の神山拓弥だったが、最終日には勝ち星を挙げた。まずまずの感触を得て、今回は上積みも望めそうだ。
 「前回の弥彦(寬仁親王牌)は、直前に股関節が痛くなってあまり練習できずにいった。それで正直、不安だったんですけど、意外と走れた感じですね。今回は前回よりもいいとは思う。(初日の)蕗澤君とは連係もありますし頑張ってくれると思うので信頼して」

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野口裕史選手
野口裕史選手
 3場所前の大宮FIでの完全Vのあとは順調ではなかった野口裕史(写真)だが、奈良FI、川崎FIを消化して上昇カーブを描いている。
 「大宮のあとは熱を出して、寝込んだりして調子があんまり良くなかった。ただ(今回は)2週間くらい空いて練習と休養ができた。久しぶりに街道で(師匠の)武井(大介)さんとかとやって感じも悪くなかった」
 福田知也は前回の寬仁親王牌の最終日に菅田壱道のロングまくりを差し切って1着。GIで自信を回復して、今シリーズを迎える。
 「前回のGIは思ったよりも走れました。それで気持ちに余裕ができた。そのあとも練習もボチボチですけどできたんで、そこそこイケるんじゃないかと。(野口との)相性もいいです」

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後藤大輝選手
後藤大輝選手
 6月に3場所連続の完全VでS級に特進した後藤大輝(写真)は、S級で優勝こそないものの、クラスの壁に阻まれることなく勝ち星を重ねている。
 「(前回の和歌山FIは)しっかりと自分の力を出せたけど、初日はラインで決められなかった。2日目と最終日はラインから1着が出せたんでいいと思います。9車立ては7車と違って展開が早いので、そこを遅らせると自分に苦しくなる。そこが鍵になる。ヤンググランプリを目標にしてたんで、(出られないのは)悔しいけど、来年に気持ちを切り替えます」
 玉野での地元記念に久保田泰弘は、気負わずに後藤とのタッグでシリーズをスタートする。
 「調子は悪くないです。練習をしてきたし、仕上がりも悪くないと思います。バンクの好き嫌いとかあんまりないので大丈夫です。(後藤との連係は)ないですね」

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 伊藤颯馬は、前回の武雄FIで地元勢を連れてまくりで優勝。今年最初のV奪取で弾みをつけた。
 「(前回は)最終日にしっかり立て直して、いいまくりが打てたので良かった。(そのあとは)忙しくて練習はあんまりできなかった。けど、いい休養にはなったかなと思います」
 3場所前の弥彦FIの補充で連係した高橋雅之のアドバイスが功を奏した小林稜武が状態を上げている。
 「高橋雅之さんに体の使い方、乗り方、セッティングもみてもらって、いい感じになってきました。それでダメな時でも結構、仕掛けられている。そのあとはまだ記念を走ってないので、手ごたえをつかみたい」

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取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 取鳥雄吾(写真)は前回の寬仁親王牌の初日にシンガリ惨敗も、フレームを換えた2日目に逃げ切りで白星を挙げた。
 「初日に使った新車が全然ダメだった。それで2日目から戻していつも通りだったかなと。そのあとは山口のメンバーと一緒に練習しつつ、自分のタイミングで休んだ。意外とリラックスしてやれた感じがします」
 寬仁親王牌でトップの力差を痛感させられた桑原大志は、中9日で迎える今シリーズでのコンディションはどうか。
 「(前回は)力の差をすごく感じた開催でした。そのあとは(練習を)軽めにやっていたんですけど、昨日(前検日の前日)テンションが上がって、キツめにやってしまった。脚がパンパンですね。テンションが上がるのが早かった(笑)。まずは一戦、一戦、付き切ること。その先に結果があればいいかなと」

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清水裕友選手
清水裕友選手
 昨年の防府記念5連覇で同一記念連続優勝の記録を塗りかえた清水裕友(写真)は、前検日にV宣言で自身にプレッシャーをかける。が、不要な力みはない。
 「(前回の寬仁親王牌の)初日は気持ちの弱さが出た。(一次予選敗退で)負け戦で負けるとズルズルいっちゃうんで、気持ちを引き締めて走りました。2日目以降は力を出し切れたと思います。(今シリーズは)しっかりと6連覇を狙って走ります、6連覇をします」
 古性優作は寬仁親王牌を4連勝。2月全日本選抜、6月の高松宮記念杯に次ぐ今年3度目のタイトル奪取して、次の競輪祭、さらの年末のグランプリを見据える。
 「(前回は)最終日のアップの段階で思い出した感触があった。その感触のまま周回で走ったら、イケるかなていうのがあった。(そのあとは)しっかりと筋肉痛になるくらい疲労の蓄積ができた。ここっていうよりは、競輪祭、グランプリに向けて疲労をためることができた。(初日は)しっかりと自力で頑張りたい」
 寬仁親王牌3347着で決勝進出を逃した新山響平が、ラストGIの競輪祭を見据えてトレーニングを積んできた。
 「(前回は)1着も取れなかったですし、力不足を感じました。結構、出し切れた状態で決勝までいけなかったんで、単純に脚力が足りないのかと。このあとに競輪祭があるんでしっかりと追い込んできました。疲れはありますね」