『高知競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:7月25日
 高知競輪開設63周年記念「よさこい賞争覇戦」が今日から始まった。厳しい暑さの中で熱戦が繰り広げられたが、最終11レースで7選手が追走義務違反のために失格。11レースの車券は全返還となった。明日2日目は優秀競走「クーリンカップ」をメーンに二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
 明日2日目も場内では競輪小僧によるお笑いライブに山口幸二氏によるトークショー、松村信定氏による注目レースの予想会などイベントは満載。ぜひ、高知競輪場でお楽しみください。
<1R>
大久保直也選手
大久保直也選手
 オープニングレースを制したのは大久保直也(写真)だ。打鐘過ぎからペースで駆けた今井裕介を中団からのまくり追い込みで仕留めた。
 「勝てて良かったです。ラインで決まってうれしい。最高の展開になりました。ちょっと余裕を持ちすぎましたね。2コーナーで仕掛けられれば良かったんですが、今井君もペースで駆けていたので遅くなりました。暑くて身体は重たいけど、明日もしっかり頑張ります」
 後方7番手からまくり上げた伊原克彦は3着まで。
 「併走が嫌だったし、立て直せると思って7番手まで下げたんですが、脚を使ってでも叩いておくべきでした。脚の状態はいいのに気持ちがダメですね」

<2R>
 篠原龍馬と伊藤成紀で打鐘から激しい踏み合い。隊列が短くなったところを田中孝彦が一気にカマして南関勢で上位独占。番手の鈴木良太がチャンスをきっちりものにした。
 「前回の中日の1着が3カ月ぶりだったんですよ。1着が少ないからうれしいですね。展開が良かったし、田中君が頑張ってくれたおかげ。付いていくのは苦しくなかったし、調子はいいと思います」
 田中孝彦はタイミングを逃さずに好スパートを決めた。
 「展開が向きましたね。隊列が短くなったところですかさず仕掛けました。いい感じで踏んでいけたんですが、出切っていっぱいでした。もう少し踏み直せれば良かったんですけどね。ラインでワンツースリーが決まって良かったです」

<3R>
佐藤和也選手
佐藤和也選手
 高橋和也が後攻めから押さえて先行。5番手を確保した佐藤和也(写真)が最終2センターからまくり追い込んで快勝した。
 「6番(田中弘章)の切り替えにはびっくりしたけど、前に出られてしまったので、5番手まで下げていけるところから仕掛けようと思いました。冷静に走れましたね。道中、自分の中ではけっこう脚を使ったんですが、1着まで届いているから感じはいいです」
 高橋の先行を利した山内卓也が2着に入った。
 「高橋君が思い切って駆けてくれたおかげ。(佐藤に)まくり追い込みで来られて、止めにいけなかったし、しょうがないですね。脚の感じは問題ない」

<4R>
 打鐘を過ぎても動きはなく静かに周回を重ねたが、ホームから後ろ攻めの高城信雄がカマして行くと、前受けの古川功二も合わせて踏んでモガキ合う展開に。こうなっては流れは宿口陽一のもの。「高城さんが早めに押さえにくると思ってた」と予想に反したものの、落ち着いてまくりを決めて勝利した。
 「古川さんも粘るかどうか分からなかったんで、早めに仕掛けました。高知は成績が良いんで、初日を突破できてよかった。直線が短いし、コーナーのカントが浅いんで、スピードの乗りが今ひとつでしたね」
 安部達也がきっちりマークして2着。埼玉ワンツーを決めた。
 「出切れるかどうか分からなくて、半信半疑で付いていった。4コーナーでやっと出切れた感じだったし、ずっと波がある中にいたからキツかったですね。朝の練習でバンクがベタついてる感じですごく重たかったんで、ギアを(4.33から)4.25に下げました」
 荒澤貴史が埼玉後位にスイッチする形から3着に入った。
 「宿口君が行ける感じではなかったから、スペースを確保してと思ったけど、行ってしまったんで。安部さんに締め込まれてたら終わってましたね。でも、外を見ながら落ち着いていけました」

<5R>
 森川大輔が最終ホームで山中貴雄を叩いて主導権。中部ライン3番手の馬渕紀明が直線一気に突き抜け、大穴を演出した。
 「前の頑張りに尽きますね。中団に山中君がいるのは分かってたし、かぶる前にとは思ってました。ギリギリまで待ってから踏みました。余裕はあったし、調子は上がってきていると思います」
 山中貴雄の中団まくりは不発。その後ろの渓飛雄馬は外を伸びて3着に食い込んだ。
 「山中君は楽勝でいってしまうと思ったんですけどね。レースは見えていたし、余裕もあったけど、いい時なら2着には入れたかな。調子は良くなっているけど、もう少し時間がかかりそう」

<6R>
 最後の直線で4人が落車。このレースも大波乱の決着となった。大方の予想どおり若手機動型で激しい先行バトル。中井勇介に出切られた藤井栄二だが、番手にはまる展開から二の脚を使って追い込んだ。
 「中井さんとの先行争いは覚悟してました。押さえるスピードが中途半端だったので、突っ張った方がいいかなと判断しました。無我夢中で踏んでいたけど、出られてしまったのは反省点ですね。ラインの人が落車してしまったので素直に喜べないけど、結果は出ているし、明日につながればいいと思います」
 好回転でまくり上げた立花成泰は藤井に合わされスピードが止まった。
 「2人とも強いですね。地脚勝負に持っていかれるときつい。自分の展開ではなかった。あの展開で4着なら良しとしないと」

<7R>
吉原友彦選手
吉原友彦選手
 吉原友彦(写真)が最終ホームで内をもぐり込み、藤田昌宏をさばいて逃げる紀井孝之の番手を奪い取る。最後は鋭いキメ脚を発揮して抜け出した。
 「今日は何でもやろうと思ってました。中団狙いでも良かったんですが、流れで前までいってしまったので、中途半端に下げるよりはと考えて番手で勝負しました。余裕はあったんですけど、最後は意外に重くて伸びなかったです。新車の感じが良くなかったので、修正しないとダメですね」
 先行した紀井孝之は3着に踏ん張った。
 「藤田さんには申しわけなかったです。新車の感触が思った以上に良かったですね。タイムも出ているし、良いと思います」

<8R>
柴田洋輔選手
柴田洋輔選手
 井上嵩が打鐘過ぎの4コーナーから一気のカマシ。番手の柴田洋輔に絶好展開となったが、ライン3番手から須藤雄太が突き抜け、久々の勝ち星を挙げた。
 「前2人のおかげですね。番手の柴田君は車間を空けて援護していたし、自分が一番、脚を溜められましたから。今年は落車したり、腰痛でずっと良くなかったんですが、ここに来る前は感じが良かったんですよ。今日は余裕もあったし、久々に勝てて良かったです」
 柴田洋輔(写真)は番手絶好展開を生かせず2着に敗れた。
 「井上君はいいタイミングで仕掛けてくれたんですけどね。車間を空けたけど思った以上に早く詰まってしまった。後ろの須藤さんもギアがかかってますからね。番手は難しい」

<9R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 上原龍と守谷陽介で最終ホームから激しく踏み合う。最終2コーナーからまくった佐藤友和(写真)が次元の違うスピードで前団を軽く飲み込んだ。
 「展開も良かったし、いいタイミングで仕掛けられたと思います。踏み込んだ感じも良かったですね。明日も自力でしっかり頑張ります」
 佐藤慎太郎はきっちり食い下がって2着をキープした。
 「強かったですね。やっぱりすごい。でも、おいていかれる感じはなかったし、感じは悪くないですね。明日も番手でしっかり頑張ります」
 3番手の岡部芳幸までしっかり流れ込み、東北勢で上位独占となった。
 「友和が早めにいってくれたおかげ。今日は少し重い感じがした。宮杯や久留米記念の頃と比べるといまいちだけど、前回よりはいいと思う」
 単騎の小川勇介は仕掛けのタイミングを逸して4着だったが、最終レースで7人失格したことにより優秀戦に進出した。
 「西川(親幸)さんと宗景(祐樹)さんが前でやり合っているのを見てしまった分、仕掛けが遅れてしまった。先まくりを打ちたかったんですけどね。力を出し切れていないから脚は余っています。明日は頑張りたいですね」
 佐々木則幸は5着に入るのが精いっぱい。レース後は諦めの表情を浮かべる。
 「守谷もきつかったと思うけどスピードが違いすぎますね。涼しい顔をして上をいかれてしまった。ちょっとレベルが違いますね。どうしようもなかった」

<10R>
岡田征陽選手
岡田征陽選手
 稲垣裕之が別線の機動型を力でねじ伏せた。最終ホーム過ぎに藤田竜矢を叩いて主導権を奪うと、そのまま力強く押し切った。
 「タイミングを逃さずに、しっかり仕掛けられました。感じは良かったんですが、最後は少しタレましたね。でも、腰痛は出ていないし、悪くないと思います」
 3番手まくりの藤田竜矢は不発。その後ろから岡田征陽(写真)が2着に強襲した。
 「あそこまで藤田君が頑張ってくれたから。直線の伸びはボチボチかな。調子は悪くないと思います」
 星島太がベテランの味を発揮して3着に突っ込んだ。
 「(渡部)哲ちゃんが前々に攻めてくれたおかげ。最後は内にいくしかなかった。何とか3着に入れて良かったです」

<11R>
中村一将選手
中村一将選手
 阿竹智史の当日欠場により、8車立てで争われた。武田豊樹が根田空史を過度にけん制したため、誘導員と単騎の中村一将(写真)との間が大きく離れてしまった。前受けの中村がそのまま逃げ切ったが、2着以下の選手は追走義務違反のために失格。車券は7賭式全てが全返還となった。後味の悪いレースに勝った中村も「今日のレースに関してはノーコメントにしてください。明日の優秀戦は近畿の3番手で頑張ります」と言葉少なに検車場を後にした。
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