『佐世保競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:12月21日

 佐世保競輪場を舞台に、開設68周年記念「九十九島賞争奪戦」が12月21日に開幕した。今年最後のGIIIは、オープニングレースから熱戦が繰り広げられた。メーンの特選3個レースは佐藤慎太郎、澤田義和、地元の井上昌己が勝ち名乗り。2日目は優秀「九十九島凪海賞」をメーンに、二次予選6個レースで準決勝への勝ち上がりを争う。
 なお、本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。開催を通して、美味しいB級グルメがそろうケイタリングカーの出店や、参加型ゲームの太もも当てクイズ。また、2日目は福岡SoftBankHAWKSの柳田悠岐選手&川島慶三選手によるトークショーなどを予定しています。2日目も「九十九島賞争奪戦」を、ぜひ本場でお楽しみください。

<1R>

 併走を嫌った中団の林大悟は、車を下げて打鐘で出た千葉勢を追いかける。齋藤宗徳を2センターで叩いて先行策に出た。ラインで出切ると、軽快に駆けて押し切り。
 「やってやろうと思っていたんですけど、控室に入ったら緊張しました(笑)。6番(齋藤宗徳)が先に切ると思ってなくて、ちょっと(仕掛けを)躊躇しましたね。上を行こうと思った時に6番が動いたけど、そこは焦らずに行けました。出切ってからは、いつもの感じで。やることはできたと思います」
 林が主導権を握ると、前受けから引いた森川大輔は4番手に追い上げる。2センターから追い込んで2着に入った。
 「(復帰戦になったが)休養したので肋軟骨骨折の影響は大丈夫ですよ。それよりもレース勘でした。バックで仕掛けてまくり切るのが理想だったけど、自信がなかった。4番手を取れた動きだけですね。踏んだ感じは良かったので、もうちょっと早く踏んでいれば」


<2R>

松坂洋平選手
松坂洋平選手
 小笹隼人が打鐘で飛び出して主導権を握ると、追い上げた五日市誠と小玉拓真で中団併走となり最終ホームを通過。後方に置かれた松坂洋平(写真)だったが、バックから仕掛けると大外を力強く踏み切って前団をまくり切った。
 「割と冷静に走れたし、届いて良かった。最後まで大外を踏み切れているし、悪くないです。初日はいつも重いので、日に日に良くなると思う。ウィナーズの特選がかかっているし、1着はデカいですね。あと1勝くらいしたい」
 小笹マークの筒井裕哉が2着に食い込んだ。
 「(小笹が)頑張ってくれました。余裕はあったけど、ライン2車は難しいですね。内も気になりました。普段から自力でやっているので、人の後ろは軽いですよ」


<3R>

坂本健太郎選手
坂本健太郎選手
 後ろ攻めの黒川茂高が、合わせて踏んだ渡部幸訓を赤板の2コーナーで押さえて出る。中島将尊は北日本勢をすくって中団を確保。後方で脚を溜めていた坂本健太郎(写真)は、最終2コーナーから満を持してアタックする。先に仕掛けた中島らを一気にまくって勝利した。
 「みんなが踏んでいるのを見て、動かなくていいやと。脚力を消耗してくれてラッキーでしたね。余裕もありました。(怪我の影響で練習ではA級の選手にまくられていたが)俺の場合、練習と本番は別。今回は(S級1班への)勝負駆けなんですよ」
 坂本マークの中村圭志が、きっちりと続いて2着を確保した。
 「(最終ホームを後方で通過して)ドキドキしました。付いていけるかも不安でしたね。でも、(坂本が仕掛けて)行ってしまうなと。状態は悪くないと思います。少しでも上のレースを走れるように頑張る」


<4R>

 後ろ攻めから中団の岡崎智哉に蓋をした矢野昌彦は、打鐘前から主導権を握る。東矢昇太の内をすくって中団を確保した岡崎はバックからまくり返すが、これを浦川尊明が2センターで大きくブロック。岡崎と接触した三谷政史が落車し、浦川は失格に。単騎で関東勢を追っていた金澤幸司が空いたインコースを抜け出し、3連単36万円超の波乱の決着となった。
 「矢野さんが後ろ攻めなら先行するんだなと思って付いていた。同期だしね。強かったし、掛かっていました。車間を空けてまくりに行きたかったけど、無理だった。浦川さんが振りかぶって(岡崎を)持っていって、ガシャーンと音がした。勝ち上がるにはあそこ(空いた内)しかないと思って行った」
 2着に逃げ粘った矢野昌彦は前走からの手応えを口にする。
 「金澤君が3番手にいてくれたから先行しようと。思いどおりにいってよかったし、あのパターンなら戦える。前回の小倉あたりから感じがよくなってきた。踏んだ感じも状態もいいと思う。靴のサンの位置を変えたのがはまった感じがします」


<5R>

 桜井雄太の上昇に合わせて動いた巴直也は、桜井を受ける。単騎の鈴木謙二と3番手併走になったが、外の鈴木が遅れると2コーナーまくりで望月永悟とワンツーを決めた。
 「(3番手で)併走になれば、鈴木さんは仕掛けていくかなって思っていたけど、思ったよりも位置にこだわってきましたね。取り切ってからは山田(庸平)さんに被る前に仕掛けたくて、無理矢理仕掛けました。ここはバンクとの相性がすごくよくて、良い着が取れるんですよ。直線が短いのも好きなので」
 望月永悟は巴の仕掛けにきっちりと食い下がった。
 「巴君が鈴木君のところでよく粘ってくれましたね。前が踏み上がっているところで仕掛けて行っているので、車の出はあれでしたけど。ワンツーが決まって良かったです」


<6R>

野田源一選手
野田源一選手
 先に出た久米康平は、中団併走から仕掛けてきた山本巨樹を出させず先行態勢へ。叩けなかった山本が友定祐己に絡むと、中村一将は最終ホームから自力に転じてまくり上げる。しかし、久米も抵抗して踏み合いに。後方にいた単騎の野田源一(写真)は2コーナーから仕掛けた北日本勢を追いかけると、4コーナーでコースをこじ開けて白星をさらった。
 「できれば、相笠(翔太)君が仕掛ける前に行きたかったです。相笠君と仕掛けるタイミングが合ってしまって戻りました。あとは、外が間に合わないと思って内へ。コースが空いていたので突っ込んでみてと。人気に応える意味もあるし、ウィナーズカップの権利もあるので、ひとつでも多く白星を取らないといけない」
 前の踏み合いを目掛けて踏んだ相笠翔太は、ジワジワと前団に迫る。4コーナーで野田に絡まれたが、懸命に踏み続けて2着に食い込んだ。
 「踏み合ってくれと思っていました。それしかチャンスがないので(笑)。展開が良くなって、ラッキーでしたね。(仕掛けてからは)行けるところまでいこうと。状態は悪くないです」


<7R>

小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
 打鐘前に誘導を降ろした松本卓也を伊東翔貴が叩いて4コーナーで前に出るが、そこをすかさず小嶋敬二(写真)が仕掛けてホームから主導権を奪う。叩かれた別線勢は小嶋のパワーの前になすすべなし。小嶋は伊藤正樹の追撃も振り切って、シリーズの白星スタートを切った。
 「ウィナーズカップの特選シード(選考期間が今月末まで)に最低あと1勝はしたい。(伊藤)正樹に抜かれたと思ったけど良かった。構えるよりは、叩いたほうが面白いと。最近は3番手に付けることを決めない人が多いけど、中井(護)が付いてくれたのが大きい。それで早めに行こうと。ワンツースリーで良かった。でも、1周半はしんどい」
 伊藤正樹はゴール前で鋭く小嶋に迫ったが、わずかに8分の1輪届かなかった。
 「先行する作戦ではなかったけど、あんなに早く行ってくれるとは思わなかった。(中井)護まで連れて行ってくれましたね。差せなかったけど、余裕はあるし、感じは悪くない」


<8R>

 藤岡隆治の上昇に対し、前受けの鈴木謙太郎は誘導員を残してスッと車を下げる。下げた鈴木に蓋をして大谷靖茂が打鐘前から踏み上げるが、藤岡もこれに応戦。大谷が叩けず後退すると、ホームから鈴木が豪快にまくって快勝した。
 「前が踏み合いになるとは思わなかったですね。萩原(操)さんが内へ下りようとしていた ので、詰まるよりはって思って引きました。引いても行ける自信があったので。人気がどうこうよりも、(ウィナーズカップの特選シードを争う)野田源一さんや、小嶋敬二さんが1着だったので自分も緊張した。これでウィナーズの特選まであと1勝ですね」
 須賀和彦が鈴木にピタリと続いて2着を確保した。
 「鈴木君は7割くらいの仕掛けでしたよ。差せないのはわかったけど、後ろを見て、誰もこないのを確認しました。自分にとっては(付いていけるかどうか)ギリギリの戦いでした」


<9R>

 山崎賢人は佐々木孝司に蓋をされたまま打鐘を迎えるが、視界が開けた2センターからすぐさま反撃。最終1センターで主導権を奪うと、別線はお手上げ。力強く押し切って、ファンの圧倒的な支持に応えた。
 「(佐々木に蓋をされたが)後ろもきつくなるし、引きたくなかった。やばいとは思ったけど、行ってくれたので良かったです。(走った感触は)軽かったですね。余裕もあって、踏み直しもできました。脚見せで声援をもらって、嬉しさもあって緊張しました」
 佐藤幸治が続いて、地元ワンツー決着。レース後は「強すぎる」と、後輩の強さに脱帽した。
 「付いてからは楽でしたけど、ダッシュがやばかったですね。(山崎は)1センターで後ろも見ていました。最後も本気で抜きに行ったけど無理でした。もうワンテンポ早く踏めば、良いところまでいけるけど」


<10R>

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 近藤隆司が赤板の1センターで誘導員の後位に収まる。別線の動きを確認すると、打鐘で誘導を降ろして先行策に出た。後方から踏んだ山田久徳が4番手の杉森輝大と絡んで齋藤登志信の内に差し込むと、山田英明が4コーナーからスパート。佐藤慎太郎(写真)の執拗なけん制も凌いで、近藤をとらえる。しかし、上を行かれた佐藤は2センターで小倉竜二を弾くと、直線で鋭く伸びてアタマ。
 「こんりゅー(近藤隆司)もペースで踏んでいたからね。ペースに持ち込み過ぎたかも。良く行ってくれたよね。前の選手がどう走るかは、後ろの選手の技量だと思う。今までやってきたことがあってのこと。ウィナーズカップの特選シードの目安の15勝(選考期間内)を見据えて頑張りたい」
 山田英明が2着。白星こそならずも、的確な状況判断が光った。
 「(山田)久徳がキメるとは思わなくて。(山田久と杉森が)差し込んで、2人とも引くに引けなくなっていた。ここにいても仕方ないと思って、サッと引いて。小さいレースはしたくないと思っていたので仕掛けました。引けないところで勝負をすることもあるけど、ここは力でやりたかった。りゅうちゃん(近藤隆司)も調子が良いから、力で勝てて嬉しい」
 齋藤に差し込んだ山田久徳は、車を引いて態勢を整える。2コーナーから前に踏んで3着に食い込んだ。
 「位置を取ろうと思えば取れたけど、時間がかかっていたと思う。行こうとしたら、ちょうどヒデ(山田英明)さんが来てしまった。でも、近藤さんが抵抗してくれたので展開が向いた。3コーナーはそうでもなかったけど、4コーナーからの伸びは良かった。バンクは軽くて走りやすい」


<11R>

澤田義和選手
澤田義和選手
 中近勢の上昇に続いた新山響平が、打鐘で先頭に躍り出る。すぐさま巻き返してきた田中晴基を突っ張って主導権を譲らない。3番手を確保した柴崎淳が2センターからまくり追い込むと、その後ろから澤田義和(写真)が差し脚を伸ばした。
 「スタートで新山君ラインの後ろだったら、先に切って3番手だと。それが理想でした。脚の調子は良いですね。直線でも伸びました。前のおかげもあるし、展開も向きました」
 諸橋愛が新山の番手から追い込んで2着。
 「(田中を)出してもよかったかな。(新山は)突っ張って、そのまま全開だから。3番手が柴崎だし、内はないと思った。あとはタイミングだけ合わせられるようにできれば。早めに来てくれたら、仕事ができたけど…。(新山が4着に終わって)申し訳ない」
 柴崎淳が3着。突っ張られた南関勢に位置を奪われることなく、好位確保から仕掛けて優秀にコマ進めた。
 「あの3番手の位置は引けないですね。3番手で被りそうなら先に仕掛けて行ったけど、誰も来なかったし落ち着いていこうと。諸橋さんに持ってこられないところで行きました。脚の感覚は前回と一緒ですね」


<12R>

井上昌己選手
井上昌己選手
 打鐘前に小川真太郎が古性優作を押さえる。その上を堀内俊介が2センターで叩いて主導権を握った。古性は巻き返した阿部拓真を追うと、最終2コーナーから大外をまくり上げる。堀内をねじ伏せた阿部を2センターでとらえた。井上昌己(写真)は古性の仕掛けに続き、直線で追い込んで白星。
 「(古性は)要所、要所で前々に踏むところは流石ですね。自分は余裕がありました。若い時は、(地元記念への)気負いがあったけど、今は気負いがなくなった。そういう部分で良い感じ。久しぶりに調子が良いかも」
 園田匠は最終ホームで前と車間が空いたが、すぐに付け直す。そのまま井上に続いて2着に入った。
 「(車間が空いたが)余裕はありました。切り替えてこられないように、外しながら踏んでいました。古性が頑張ってくれて、優秀にのれたのは大きい」
 まくった古性優作は最後に失速するも、3着で勝ち上がりを決めた。
 「本当は堀内さんにスイッチして、叩きに行きたかったけど。阿部さんがいて、変な間になってしまった。3コーナーでもスライドしている。(今のセッティングに)慣れるのと、ペダリングを変えないといけない。セッティングも、もうちょっと煮詰められたらいいけど」