『別府競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:7月25日
 別府競輪場で令和6年能登半島地震復興支援競輪・開設74周年記念「オランダ王国友好杯(GIII)」が、7月25日からナイター開催で始まる。古性優作、松浦悠士、山口拳矢のS級S班3人をはじめ浅井康太、北津留翼、成田和也、武藤龍生ら精鋭が集まった。地元からは今年すでに2度のGIIIを制している阿部将大を中心に小岩大介、一丸尚伍らが4日間のシリーズを盛り立てる。7月24日の前検日は、翌日からのナイターシリーズに備えてバンクで感触を確かめる選手も多く、それぞれが入念な調整を行った。
 記念シリーズは開催中の毎日、オランダ王国友好杯のフードブース、うちわ、競輪猫マグネットを300人様にプレゼント、先着200人様に未確定車券抽選会、競輪レジェンド展望会・トークショーなどが予定されています。また、7月25日のシリーズ初日には、「高木真備・野中美智子」の予想会・トークショーもあります。別府競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

東矢圭吾選手
東矢圭吾選手
 6月の奈良GIIIでは3日目に落車に見舞われた東矢圭吾(写真)は、前回の玉野FIで復帰。1カ月以上ぶりの実戦となったが、初日予選、準決を連勝した。
 「(落車の怪我は左鎖骨骨折で)スタンディングとかで痛みもあったけど、いまは大丈夫です。骨折は初めてでした。(前回は)1、1着で(決勝に)乗れたのは、(昨年6月の)特進して最初の小倉以来だったのでうれしかった。出が悪いかなっていうのはあったけど走れました。(1レースなので)九州勢で流れをつくれるように」
 コンディションが芳しくなかった前回のサマーナイトフェスティバルは787着。伊藤旭の回復具合はどうか。
 「サマーナイトフェスティバルの期間中に体調をくずしていたけど、いまは大丈夫です。(追加配分だけど)練習ができるくらいの期間はあったので大丈夫だと思います。(バンクのイメージは)悪くないですね」


<2R>

 5月の取手FIで今年優勝を遂げた南潤は、3場所前の6月の川崎FIを逃げ切りV。前回の立川FIは、122着の準Vと戦績をまとめた。
 「そんなに調子がいいわけではなく、展開に恵まれて乗れています。成績だけ見れば(いい)ですけど。そんなに思いつめるものでもなく、気楽に走ることはできています。(前回のあとは)次の日に休んで普通に練習をしてきた。(状態は)前回と変わらない感じです。自分のレースをしたい」
 鈴木陸来は、前回の立川FIを476着。成績からは決して評価はできないが、状態面は悪くなさそうで変わり身もありそうだ。
 「調子はいい意味で上がってます。ただ、流れがつかめてない。(そこをつかめれば)やれる自信はあります。流れに乗れさえすれば、準決まで(リズムに乗って)いけると思う。あとは別府が初めてなんで、そこですね」


<3R>

 前々回の奈良FIの2日目に落車を喫した真鍋顕太だが、前回の久留米FIの初日予選を白星でクリア。脚力は上位にも匹敵するものがあり、あとは力を出し切れる展開に持ち込めるかが鍵になろう。
 「(落車の怪我の影響は)たぶんないです。練習はしっかりとできています。あとはもうちょっと落ち着いてレースを走れればっていうのがあります。そこがダメなんですよ。焦りがあったりして、それで脚を削られてしまっている。9車立ては、また7車以上に戦えてないです」
 岩津裕介は、前回のサマーナイトフェスティバルを518着。2日目はライン3番手から短走路の松戸で外を突き抜けた。
 「(前回は)まずまずだったと思います。(そのあとは)練習をメインでやってきました。あとは疲れが抜けるのかどうかなっていうのがあります。(佐々木豪との初日は)調子うんぬんよりも組み立てが大事かなと。タイムが出たら、中団よりも前にいないと苦しいと思います」


<4R>

松本秀之介選手
松本秀之介選手
 直近の3場所は、FIで4勝の固め打ち。前回の立川FIでは2度のシンガリ負けを喫していて乱調ムードの松本秀之介(写真)だが、手ごたえありの表情。
 「(前回の立川は)ここ最近は競走が続いていて、まとまった練習ができていなかった。それで力で負けたかなと。ただ、1着を取るところは取れている。あとは大敗しないように、仕掛けるタイミングだったりですね。2、3カ月前の方が走っている感じは良くなかった。踏んでいる感じが戻ってきているので、あとは行けるところをしっかりと」
 一次予選は同じ東京の鈴木竜士とタッグを組む高橋築が、鈴木に前を委ねて番手回りから突破を目論む。
 「(鈴木)竜士が自力でやるというので。連係は何回かあって、前後は入れ替わったりしています。(番手は)ソツなくこなせればいいかな。練習はしっかりしていたので状態は大丈夫です」


<5R>

大西貴晃選手
大西貴晃選手
 12年のデビューから10年以上の時を経て、大西貴晃(写真)が地元記念に初登場。3場所前の高松FIでは2勝をマークして、前回の久留米FIでは2連対。近況は上昇カーブを描いている。
 「前期の失格(3月)からずっと上り調子ですね。調子がいい時に地元記念に来られて良かった。(失格で)吹っ切れたのもあるし、地元記念が入ったんで練習メニューを変えた。400(メートル)をモガいていたのを600にした。(前回のあとは)阿部将大とも一緒にやってきた。逆に仕上がっているからこそ怖いっていうのはあります」
 前回は南潤のまくりを番手から交わしてV。3連勝でS級初優勝を遂げた中釜章成が南に感謝して、こう続ける。
 「(S級初優勝は)南君のおかげです。(状態は)ボチボチですね。(好調の要因は)2、3カ月前から練習を増やしたことですね。(立川のあとは)次の日から普通に練習してきました。(別府は)風が強い気がします。でも、それはみんな条件が一緒なのでいけるかなと」


<6R>

 菊池岳仁は、一昨年12月のヤンググランプリ制覇以来の優勝を3場所前の弥彦FIで遂げた。前回の立川FIでも初日特選、最終日を白星と、上々の戦績を残した。
 「去年は(優勝を)全然、獲ってなくて、(弥彦は)なんとか良かったです。昨年より良くなっている。最近はフレームを換えたりしているけど、(セッティングを)大きくいじったりはしてない。(前回は)重たい部分があったので、(今シリーズは)修正をして頑張りたい。(前回のあとは)普段と変わらずに練習をやってきました。(練習では)タイムもちょっとずつ良くなっているので、それをレースで出したいですね」
 今期が初S級の一丸尚伍にとっては、今シリーズが初のグレード戦。初めての記念を地元で迎える。
 「(前回の小倉FIの776着は)体調のせいにしたくないですね。気をつけてはいたけど、バテ気味でした。S級はA級をギュッとしたような感じで、一瞬の判断をしないといけない。記念は初めてなので、緊張はしないですね。1走、1走、自分のできることをやっていかないと。いまのレベルでどこまでいけるか。いずれにしても自分にとっては収穫しかないと思っています」


<7R>

 徐々にではあるものの、ステップを踏んでいる手ごたえがある小松崎大地にとっては、あとは結果だろう。まずは一次予選をクリアして弾みをつけたい。
 「少しずつ上向いていると思う。すぐに良くなれば楽なんですけど、そんなことはないですからね。少しずつ上向いていければいいかなと」
 関東ライン3番手を固める平原啓多は、前回の平塚FIでは兄、康多(87期)のフレームを使ったが、今シリーズは戻す決断をした。
 「(前回から中2日なので)疲れを取るだけでした。(6月に落車の怪我で)欠場した時に練習をしっかりしたんで。もう実戦でのすり合わせですね。練習の感じはめちゃくちゃ良かった。あとはフレームの修正とセッティングとかです。平塚はアニキのフレームだったんですけど、自分にはオーバースペックでした(笑)。それで今回は(前々回の)玉野と同じフレームです」


<8R>

村上博幸選手
村上博幸選手
 村上博幸(写真)は、3場所前の豊橋を411着を皮切りに、地元の向日町を511着、前回の青森を422着。7車立てのFIで抜群の成績を残している。
 「レースでは淡々と走っている感じです。日ごろの練習では、タイトななかで質を求めてやっています。(前回は)感触も悪くなかった。いまはこのレースに(コンディションを上げて)もっていくっていうのは少なくなったけど、しっかり一戦、一戦をっていう感じです。(練習で)追い込み過ぎると疲れが抜けなくなる。それで結果も出ている。あとは9車立てのグレードでどんだけ戦えるかがテーマでもあります」
 前回のサマーナイトフェスティバルを752着の谷口遼平は、力差を痛感しながらも、良化の手ごたえをつかんでいる。
 「サマーナイトフェスティバルは自分の力が通用しなかった。状態的にはずっと変わらずで、悪くないのかなっていうのが続いています。そのあとはしっかり練習ができているので、前回よりは良くなっているかなと。(次回がオールスターなので)しっかりと力を出して勝ち上がって、そこにつなげたい」


<9R>

 佐々木悠葵は前回のサマーナイトフェスティバルの974着を振り返り、今シリーズに向けて立て直してきた。
 「(前回は)周りがすごい強かった。ちょっと乗り方がうまくいかなかった。体幹の部分ですかね。そのあとはそこを考えながら練習をしてきました。(初日は)気楽に頑張ります」
 3場所前の京王閣FIでは途中欠場を余儀なくされた坂本亮馬は、その後の豊橋FI、岐阜FIを経て状態を戻してきた。
 「京王閣でギックリ腰をやってしまって、その調整に時間が掛かりました。その影響もあって前回はあんまり良くなかった。(今回は)前回よりはちょっとはいいと思います」


<10R>

伊藤颯馬選手
伊藤颯馬選手
 前回のサマーナイトフェスティバルの2日目に落車に見舞われた伊藤颯馬(写真)だが、最終日を走りぬいて4着。そこから中8日で今シリーズを迎える。
 「(前回の)最終日は(レースの流れで)付いていただけなんで、(状態は)なんともいえないです。左の腰の打撲で、まだ(痛みは)ありますけど。(練習では)ボチボチ、モガけたんで、(初日は)いつも通り走れればと思います」
 3場所前の久留米記念は819着で最終日を待たずに欠場した池野健太は、その後のFIの2場所で3勝をマーク。9車立てでの真価が問われる。
 「9車立てに苦手なイメージはないんですけど、記念がダメなんですよね。自分はちゃんと組み立ているつもりでも、前の9車立てと違うような感じになっていて、レースがかみ合っていない。(初日の1着が多くなって)脚力がついている感じはあるのかなって思います。タイムが出ているとかはないですね。計画通りにトレーニングをやってきたけど、疲労感はあります」


<11R>

北津留翼選手
北津留翼選手
 北津留翼(写真)は前回のサマーナイトフェスティバルが一息の感があっただけに、地元地区の今シリーズでの巻き返しが期待される。
 「(前回は)イマイチでした。乗り込みが足りていない感じがあった。それがあったので、(今回は)いつも以上に乗ってきました。(別府は)地元以上に走っていると思うし、バンクの特性を生かして頑張ります」
 前々回の小倉FIでは師匠の吉岡稔真のタイトルシリーズを制した小川勇介。一門での結束を強調して、今シリーズに挑む。
 「(小倉の)あそこでしっかりと結果を出せて、一門のみんなが稽古をつけてもらっているおかげです。(前回の立川のあとも)不動會でいつも通りやってきました。(昨年12月の当所では落車で)お客さんに迷惑を掛けたので、しっかりと車券に貢献したいです」


<12R>

阿部将大選手
阿部将大選手
 4月の高知、6月の函館と今年はすでに2度のGIII優勝を遂げた阿部将大(写真)が、大きく成長して地元記念に凱旋。昨年12月の当所記念では無念の途中欠場となっただけに、今シリーズにかける思いも強い。
 「(前回の別府記念の)それも含めてリベンジできたらなって思います。あの時は体調を崩してしまった。(初日特選スタートで)良かったです、小岩(大介)さんと一緒に乗れたんで。(良くなった要因は)睡眠時間を取るようにした。そしたらその日の疲れが、その日に取れるようになった。効率が上がりました。だからといって(ナイターで)眠くなることはないです。調子がいいのもあって、練習もいつもより楽しくやっている。地元なんで最低、決勝には乗りたい」
 古性優作は決勝に進出をしたものの、前回のサマーナイトフェスティバルではらしくない動きも目についた。ファン投票1位に輝いた次回のオールスターにつなげるためにも、今シリーズが大事になってくる。
 「(前回は)人の体みたいでした。ここ数年で一番ヤバい感じがしました。帰ってから(原因が)この辺かなっていうのは見つけられた。筋肉の部分ですね。(動き方によっては)そこがうまく動かなかった。(今回は)不安要素をなくして、オールスターにいきたい。(初日に連係する)成田(和也)さんは好きな選手でもあるんで、(番手に付いてもらえるのは)めちゃくちゃうれしい。(成田は)職人だし、“侍”みたいですから」
 関東で目標のない武藤龍生は、同期の松浦悠士の番手を表明。同期をリードし、グランプリチャンピオンジャージをまとった松浦とのタッグには胸が躍る。
 「(同期には)ハラケン(原田研太朗)もいるけど、同期をずっと引っ張ってきてくれたんで(松浦と)いい連係がしたい。(前々回の)京王閣の時に股関節を痛めて、それに合わせたセッティングをしていた。(前回の)サマーナイトフェスティバルでだんだん良くなってきたので、痛める前のセッティングに戻せた。そのあとは疲れもあったので、ケアを多めにここに向けて仕上げてきました」