『第66回オールスター競輪(GI)レポート』 前検日編

配信日:8月15日

 昨年に続き舞台は西武園。6日制のナイターシリーズで夢の競演「第66回オールスター競輪(GI)」が、8月15日に幕を開ける。昨年5連勝の完全Vで2度目のオールスターを制した脇本雄太が、今年は3年ぶりにファン投票1位に輝いた。その脇本をはじめ、今年2冠の古性優作、地元の平原康多らのトップナインによる「ドリームレース」は、初日に号砲が鳴らされる。選手それぞれがファンの声援を力に変えて、今年も夢の舞台は熱く盛り上がる。前検日の8月14日には、参加選手135人全員が西武園に顔をそろえて、ナイターシリーズでの激戦に備えて入念な調整を行った。
 シリーズ開催中の毎日、抽選でオリジナルグッズが当たるスピードくじを先着400人に配布。グルメ屋台、縁日ブース。また、15日にはオートレーサーの森且行選手によるトークショー、近藤みやびの「BEAUTY TALK LIVE」などのイベントも予定されています。西武園競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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渡部幸訓選手
渡部幸訓選手
 6月の久留米記念から青森FI、和歌山FIと10走続けて3着以内で確定板にあがっていた渡部幸訓(写真)は、前回の富山記念が7452着。2日目はアンラッキーな車体故障もあり未勝利に終わった。
 「(前回は)4日間走ってみて、自分が思ってたイメージよりも仕上がってなかった。そのあとトレーニングはいつも通り。シューズのセッティングを半年くらい前のに戻した。感覚が良かったので、それで走ってみようと思ってます」
 前回の立川FIを726着の坂井洋は、直近の3場所でわずかに1勝のみ。近況は先行での決まり手も減ってきている。
 「前回の立川が終わってから中5日ですけど、めちゃくちゃ練習してきました。練習の感じは前回よりも良かったです。スピードも出ていましたし、ここ最近は良くなかった立ち上げの部分が良くなっているというか、いいころに戻った感じです、なので今回は頑張って結果を出せるようにしたい」

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橋本壮史選手
橋本壮史選手
 前々回のサマーナイトフェスティバル991着がビッグ初出場だった橋本壮史(写真)にとっては、このオールスターが初めてのGI。初戦は同県の杉森輝大とのタッグで大舞台に挑む。
 「(前回の平FIの354着は)しっかり自分がやりたいレースができたのかなと思います。サマーナイトフェスティバルを経験して、自分の力じゃまだまだ通用しないんだなってのもわかった。そのあとはフィジカルトレーニングに関してはいつも通り、もっともっと上にいけるようにいろいろ試行錯誤した。レースではちょっと負けが続いてしまってはいるんですが、(練習で)やれることはやってきたかなって思ってます 」
 小倉竜二は前回の富山記念を3234着と、33バンクでのスピードバトルに順応しながら成績をまとめた。
 「前回は展開というか、前が強かった。それに付いていって、成績がまとまった。初日は(松浦悠士に)離れたけど、あとの3日間は修正ができた。ただ、トップスピードが落ちてきたかなっていうのを感じている」

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山田英明選手
山田英明選手
 前回のサマーナイトフェスティバルの224着ではすべて人の後ろを回った山田英明(写真)は、前の選手の頑張りに感謝して、一次予選1でも取鳥雄吾後位を選択する。
 「(富山記念の欠場は)無理すると腰痛が出るので大事を取りました。そのあと練習はしっかりできたんですけど空きすぎた。ちょっと疲れもあるので、その辺がうまく取れてればいいなって感じです。最近後ろを回してもらうことが多く、チャンスが多いせいか成績がまとまってる感じがします。(取鳥)雄吾とは敵として戦ったことは、何回もあるしすごい強いの知っている。(番手は)初めてです。しっかり連係して、ワンツーを決められるように頑張ります」
 1232着で決勝は準Vだった名古屋記念の取鳥雄吾だったが、続く立川FIは635着。コンディション面でも一息だったようだ。
 「名古屋は桑原(大志)さんのおかげもありましたけど、名古屋自体が軽いバンクなのでいい感じで走れました。それで結果的にも悪くなかったですね。そのあとちょっと体調を崩してしまって、前回の立川は良くなかった。でも、終わってからここまではいい感じでこられたと思います」

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松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 青森FIを211着、小田原FIを221着の松谷秀幸(写真)は、番手に飛び付いての追い込み、同県の松井宏佑に逃げを差し切りと違う内容で連続優勝。上々の動きを見せている。
 「(小田原は)初日、2日目といつも通りの感じだったんですけど、最終日は松井が相当、根田(空史)叩くのに脚を使ってたんで、それで差せたのかなっていう感じです。最近(調子に)波があるんですけど、ここ2場所はすごい展開がいいのかなってだけですね。(調整は)変わりなく(いつもの)グループで計画通り練習はしてきました」
 イギリスでの世界選手権に出場した小原佑太は、11日帰国して日が浅い。それだけに疲労の蓄積の心配もあるが、5月の日本選手権以来の競輪でのパフォーマンスにも期待したい。
 「(イギリスから)金曜日に帰ってきたばかりですけど、去年も(世界選手権が行われた)フランスから帰ってきてすぐのレースだった。チームスプリントに出て結果はあまり良くなかったんですけど、感触自体は悪くなかった。(パリの)オリンピックはまだどうなるかわからないですけど。去年(のオールスター)よりも成長はしていると思うので、自分の力を出し切れるように」

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稲川翔選手
稲川翔選手
 7月はあっ旋がなかった稲川翔(写真)は、復帰場所になる予定だった8月の地元、岸和田FIを欠場。およそ1カ月半ぶりの実戦がGIになる。
 「7月があっ旋停止だったんで計画的にやろうとしたら、7月中旬くらいに体調を崩した。それで1週間くらい休んでからリスタートした。いい期間が取れたんで、普段できない練習ができました。だいぶ回復してきたと思います」
 ナショナルチームの活動でおよそ3カ月ぶりの実戦になった寺崎浩平。昨年の当所オールスターではGI初優出を果たしているだけに、連続での決勝進出があっても不思議はない。
 「(8月11日)金曜日に帰ってきたばかりなので、まだ時差ボケはあります。けど、土日に軽く乗って練習してきました。競技の方の結果自体は良くなかったんですけど、手応え的には悪くなかった。(オールスターは)去年は決勝に乗れましたし、今年もまずはしっかりと決勝に乗れるように」

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東口善朋選手
東口善朋選手
 シャープな差し脚が冴え渡り、FIを連続優勝と東口善朋(写真)は、これ以上ないリズムに乗って中5日での大一番を迎える。
 「(前回の立川は)初日と最終日が単騎戦だったんですけど、自分で考えながらしっかり脚も使えたし、最後優勝もできたので良かった。うまく流れに乗れて、最後自分で踏めたかなって思います。中5日だったので、しっかり体調管理をして疲れを残さないようにしっかり仕上げてきました。結構、いい感じでは仕上がってると思うんですけど、結果が伴ってくれればベストだと思います」
 18年の平オールスターでは初GIで決勝に進んだ山崎賢人にとっては、相性のいいGIで結果を残したいところだろう。
 「オールスターは初めてGIの決勝に乗れたので、相性はいいと思います。(ナショナルチームでも)自分はずっとこっち(日本)にいて、練習をしていた。ピストにも1、2週間は乗って練習してきたので、久々のレースですけど大丈夫だと思います」

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岩津裕介選手
岩津裕介選手
 6月の高松宮記念杯からはFI続きの岩津裕介(写真)は、FIで成績を残していて久々の9車立てでの対応が鍵になりそうだ。
 「だいぶ良くなってきている感じがあります。そのあとも変わりなく練習をやってきて、いい状態で入れていると思います。久しぶりの9車立てで、どうなるかですね」
 名古屋記念で2連対の小松崎大地は、続く立川FIを腰痛で欠場。結果的に名古屋から2週間空いたローテーションにはなったが…。
 「前回の立川は体調を崩してしまったので休みました。体調が戻ってからは計画的に練習してこられた。(最近は長い距離を踏むレースが増えているが)少しずつでも上がっていければと思ってやっている。目の前の一戦に集中してしっかりと戦っていきたい」

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荒井崇博選手
荒井崇博選手
 前回の佐世保FIの決勝では盟友、中川誠一郎のまくりを追い込んで優勝。地元シリーズを121着で荒井崇博(写真)が弾みをつけた。
 「(前回は)オーバーワークにしては、良かったかなって思います。悪くないっていう感じでした。そのあとは普通に練習と休養をしてました。(一次予選1は)自分でなにかしようと」
 地元のGIに気持ちを込める武藤龍生は、前回の名古屋を1236着。グレードレースはもとより、FIを含めても久々の決勝進出は良薬になろう。
 「2年連続で地元のGIを走れるのはうれしい。去年が(二次予選で負けてしまって)悔しい思いをしたので、今年は去年のリベンジだと思って来ました。この1年間しっかりとやってきたつもりですし、去年よりも成長できていると思う。もちろん決勝を目指してですけど、走る5走はすべてのレースで確定板にのることが、応援してくれている方への恩返しになると思うので頑張りたい」

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和田健太郎選手
和田健太郎選手
 和田健太郎(写真)は、前回の小倉FIで5月の松戸FI以来の優出。近況も変わりなく調子の維持に努めて、気負う様子はまったくない。
 「(前回は)それなりかなと思います。感覚もすごく良かったわけでもないし、悪かったわけでもない。本当に普通だったんですけど、ナイターでドームだったんで、暑さがあんまり気にならなかったのが大きいかなと。(調整は)そんなに間がなかったので、普通通り、とくに変わったことはしてないです」
 前回の富山記念では圧巻の3連勝で優出を果たした北井佑季は、決勝で先行策から郡司浩平とワンツーを結実させて準V。二次予選では佐藤慎太郎を振り切り、準決では郡司を退けたパワーがあればタイトル獲得も難しくはない。
 「富山記念は自分の力をしっかりと出し切れましたし、決勝のすごいメンバーのなかで郡司さんとワンツーを決めることができて自信になりました。帰ってからは郡司さんや松井(宏佑)さんたちといい練習ができたので、富山の時よりもいい状態で走れると思います。西武園はデビューから9走して負けなしなので、相性は良いと思います」

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平原康多選手
平原康多選手
 ファン待望の年に一度のドリームレースは、S級S班9人にグランプリと同じメンバー。昨年のオールスターでは5連勝の完全V、グランプリも制覇している脇本雄太が、ファン投票1位に輝いた。
 「(富山記念の欠場は)サマーナイトフェスティバル、福井記念と日程の詰まりもあって、このままだと体調を崩しそうだなってことで(欠場した)。(福井記念は)疲れは残った状態で走ってましたし、評価はちょっとしづらいところですね。(直前は)とりあえず古性君と練習したいというのがあって、2人で合宿みたいな形で練習をした。それ以外は調整程度って感じです。(ファン投票1位は)本当にとても光栄に思っていますし、古性君と2人でファン投票1位、2位でそれだけ期待されてるってことも考えていきたい」
 連続落車に見舞われて、満身創いで6月末の前橋記念に出場した平原康多(写真)は、続くサマーナイトフェスティバル、名古屋記念で上昇カーブを描いて地元のオールスターを迎える。
 「(前回の名古屋記念は)高松宮記念杯の落車から3場所目だったんですけど、(落車の怪我の)痛み自体は開催ごとには引いている感じがしますね。(体の状態や調整について)前橋記念の時が一番体が痛かったんですけど、その時(の痛み)が10だとしたらいまは3くらいですね。練習ではようやく100パーセントで踏み込むことができたんで、走ることには自信をもっていけるかなと」
 前回の富山記念では同県の北井佑季とワンツーでの優勝を遂げた郡司浩平にとっては、収穫のシリーズだったに違いない。南関1人のドリームレースは、単騎で活路を見出す。
 「(前回は)自力ではちょっとピリッとしないところもあったんですけど、決勝では北井さんとああいうメンバーのなかでしっかりとワンツー決まったっていうのは本当にここにつながるっていうか、次につながる開催だったなと思います。そのあとはいつも通り練習して調整していたんですけど、自転車をちょっと昔のに戻した。今回練習してきてそっちの方がしっくりきてたので、昔のに戻して走ろうと思います。大きいレースになればなるほど結果が出てないなっていうのを感じてます。まだGIありますけど、ここのオールスターでまたガラッと終わったあとで(賞金ランクが)変わると思うので、そこになんとか自分も食い込めるように。もちろん優勝目指して走りたいなと思います」