『第39回共同通信社杯(GII)レポート』 2日目編

配信日:9月16日

 青森競輪場で開催されている「第39回共同通信社杯(GII)」は、9月16日に2日目が行われた。二次予選A、Bで勝ち上がりが争われ、地元の坂本貴史がBで勝ち星を挙げて準決に進んだ。また、AではS級S班の新山響平がタッグを組んだ稲川翔とのワンツーで、地元ビッグの二次予選をクリアした。9月17日のシリーズ3日目は、ファイナルをかけて準決で熾烈なバトルが展開される。
 開催中は、毎日、先着ファンサービスとして500人様にプレゼント(3日目は、ラグノオのパティシエのりんごスティック)。キッチンカーの出店、レース特別予想会などが予定されています。また、9月17日の3日目には「仮面ライダーガッチャード」のショー、陸上自衛隊第9師団第9音楽隊による演奏会なども行われます。青森競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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阿部拓真選手
阿部拓真選手
 北日本勢が前団に構えて、赤板過ぎに星野洋輝が恩田淳平を突っ張り主導権をキープする。7番手でタイミングを取った畑段嵐士は、打鐘からスパート。合わせる星野を最終ホームで畑段が叩く。阿部拓真(写真)は、素早い反応で畑段後位に切り替える。逃げる畑段の後ろは阿部が踏み勝ち、成田和也の追走。4番手で星野と村上博幸がからむ。群馬勢に出番がなく、最終3コーナー過ぎから踏み込んだ阿部が直線で抜け出した。
 「(畑段の仕掛けに)気づくのが遅くなっちゃって、番手スイッチになってしまった。(最終)1コーナーの登りだった分、うまくスイッチができた。番手にハマってからは、後ろを確認してしっかりと(成田と)ワンツーが決まる位置から(踏み込もうと)。前の頑張りにつきますけど、しっかり自分の思ったところで反応できているんでいいのかなと。(脚の)感じはいいと思います」
 北日本3番手の成田和也は、阿部に1車身差のまま流れ込んで2着。完調ではないものの、上向いてはいるようだ。
 「(突っ張りも)1つの作戦だったと思うし、下げても星野の感性に任せていければと思ってました。(阿部が切り替えたところは)あまり一緒にいって詰まってもっていうのがあったんで、多少は余裕をもっていた。でも、そこからが課題ですね。(自分の感触は)思った通り厳しいけど、なんとか勝ち上がれている。体調を整えて、昨日(初日)よりだいぶ良かった」

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坂本貴史選手
坂本貴史選手
 先に切って出た高橋築の上を、太田竜馬が押さえて先行態勢。高橋は嶋津拓弥を入れず、3番手が併走になる。その後ろが窓場千加頼で打鐘を通過する。嶋津が1車下げて、窓場、坂本貴史(写真)の順番でレースは流れる。太田がペース駆けに持ち込むも、最終ホームで窓場が5番手から仕掛ける。窓場のスピードが良く、バックで逃げる太田をとらえる。単騎の窓場を追った坂本が、ゴール前で交わして1着。
 「地元とか関係なく、大きいレースの1着はうれしいですね。単騎勢が押さえに来てたのは予想外でしたけど、窓場君の後ろになった。自分のタイミングと窓場君の(仕掛ける)タイミングが一緒だったので、うまく乗れたのかなって思います。窓場君が強かったですけど、いい射程距離で走れたと思います。常に進化していければと思っているので、昨日(初日)よりも今日は進化できているのかなと」
 単騎の3人は、高橋、嶋津、窓場千加頼の順番で3、4、5番手の中団をキープする。前の2人を見る形で窓場は、臆することなくロングまくりを打った。
 「今日(2日目)は位置取りを厳しくいくか、まくりも出したかった。単騎の2人(高橋、嶋津)が折り合わない感じだったので、あそこは落ち着いてと。それより強力なラインをどうするかを判断して、かぶる前に先まくりにいってダメならダメだと思って仕掛けたのが良かった。いっぱいだったんですけど、ゴールまで力を出し切ろうと思って踏み切りました」

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小原太樹選手
小原太樹選手
 渡邉雄太を強引に押さえ込んだ寺崎浩平が、赤板2コーナーで先頭に立つ。3番手に単騎の野田源一が入り、渡邉は4番手に収まる。寺崎がペースを握り、8番手に置かれた山岸佳太は打鐘2センターから巻き返す。寺崎と山岸での踏み合いになり、そこを長島大介はまくりに転じる。最終2コーナーからまくった渡邉が長島をのみ込んで、外を小原太樹(写真)が突き抜けた。
 「渡邉君はいつも頑張ってくれるし信頼していた。判断もお任せでした。初日より感じがいい。今日(2日目)からシューズを換えた。新しめのヤツで少し硬いからか反応が良くなった」
 寺崎と山岸の叩き合いをまくった渡邉雄太は、前にいた単騎の野田の1車がポイントだったようで、こう振り返る。
 「(打鐘で)野田さんのところは1車引いて整えた方がと思って引いたけど、寺崎さんがかなり流していた。ずっと野田さんの車輪に掛かっている感じだった。タイミングを取るために車間を空けて、寺崎君も駆けていなくて駆け待ちのところで山岸さんが行った。そこからは目標にしながらでしたね。野田さんに合わされる感じになって、そこを乗り越えなくちゃと思って踏んで乗り越えられた。タテに踏んだ長島さんを目標に頑張った。今日(2日目)もいいいって感じではない。なんとかって感じですね」

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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 小川真太郎は前受けから山田英明を突っ張り、別線の動きを確認しながら赤板2コーナーでペースアップ。それでも打鐘2センターで北井佑季が叩き切って主導権を握る。打鐘過ぎに踏み出していた新田祐大は、最終ホーム過ぎに空いた3番手に入り、さらに岩本俊介(写真)の内を押し上げる。神山拓弥が置いていかれ、4番手に小川。バックを通過して、逃げる北井の後ろの決着はつかない。直線の入口で外の岩本が踏み勝ち、押し切り図る北井を差し切った。
 「絶対に内を空けちゃいけないっていうのがあったんですけど、空けていたんですね。(新田との併走をしのいで1着ですけど)その前に空けちゃっているのが、どうにもダメ。脚の感じは悪くない。昨日(初日)3番手で慣れない仕事で力んじゃったけど、今日は併走になってからも車をうまくもっていくことができたんで悪くないと思います」
 小川の抵抗にはあった北井佑季だったが、力でねじ伏せて岩本とワンツー。
 「出切って(先行して)、結局、抜かれているんでペースを上げすぎたかなと。ただ、(叩きに行く時に)前も踏んでいたんで、今日(2日目)は精いっぱいだった。新田さんが3番手とかにいるんだと思って、そこから来るんだろうと。(結果的に岩本との併走で)そこは岩本さんがしっかりと頑張ってくれました。(前回から)日がない分、ないなりにやってきた。競走の感覚もいい状態が保てていると思います」
 小川マークの久米良は、最終4コーナーから内よりのコースを伸びて北井と同着の2着。
 「(小川は)相当、キツかったと思う。よく飛び付いてくれましたっていうところですね。(新田が)1人だったんで、(小川は)その後ろにハマる感じだった。(直線で伸びたのは)みんながやり合って(脚を)削られて、自分はなにもしてなかった。その差だと。でも、状態は悪くないと思います」

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犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 坂井洋が中団の犬伏湧也(写真)に併せ込んで赤板を迎える。誘導が残ったまま浅井康太が先頭で打鐘を通過して、4番手は犬伏と坂井で併走。3番手でじっとタイミングをうかがっていた嘉永泰斗は、最終1コーナーから踏み上げる。嘉永を中近勢が外にけん制すると、空いたインを行き場を失ってた犬伏が踏み込む。嘉永が2コーナー過ぎに出切り、内から抜け切った犬伏が追いかける。最後のハンドル投げで嘉永をつかまえた犬伏が1着。
 「主導権を取れれればって思っていた。坂井さんにフタをされるとは思っていたんですけど、フタをされる時間が長かったのでしんどかったですね。切って僕待ちになると思っていたんで想定外でした。引いてのカマシだとラインで決まらない可能性が高かったので、引かずに勝負っていう意識でいました。浅井さんだけ見ていて、内が空いたので。重かったので、車の出は良くなかった」
 単騎の嘉永泰斗は、後ろの併走をしり目に最終1コーナーから踏み上げる。外に振られながらもまくり切って、冷静な立ち回りと勝負どころを逃さない仕掛けが光った。
 「取れた位置からって感じで、周りの動きを見てと思っていました。坂井さんがフタをしていた。先に行った方が堅いかなって思ったので行きました。今日(2日目)の方がしっくりきました。サドルの角度をいじってですね」

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稲川翔選手
稲川翔選手
 大川龍二を突っ張った新山響平は、落ち着いたペース配分で赤板2コーナーから踏み込んだ松岡辰泰を出させて3番手に入る。九州コンビの主導権。深谷知広は、一本棒の8番手で最終周回へ。新山は3番手から2コーナー手前で外に持ち出して踏み出す。スピードの違いで新山がまくり切って、付けた稲川翔(写真)が計ったように差し切った。
 「いつも新山君を見ているし、走り方も知っているなかで連係させてもらった。追走することが第一でどんな形であれ、なにか援護できたらと思っていた。任せていたので自分なりにサポートしようと。最低限、ワンツーだと思っていた。初めての連係でどんなものかわからなかったが、ゴール前勝負できて良かった。集中して走れている。だいぶ修正点がなくなってきた」
 スタートを出て前団に構えた新山響平は、メリハリの利いた動きから好位を確保してまくった。
 「前受けして突っ張れるだけ突っ張ろうと。でも、ちょっと見てしまった。大川さんを突っ張ったあとに一息ついて、うまく松岡君を合わせられれば良かったんですけど。深谷さんがついてきて松岡君の上をカマされたら厳しかった。その辺の隙があるので修正したい。(3番手を取ったあとは)別線に来てほしくなくて目でけん制して、タイミングを取って脚を回復させていった。まくれているし悪くないと思うが、もう少しスパッとまくりたい」

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清水裕友選手
清水裕友選手
 眞杉匠の突っ張りを押さえ込んで、島川将貴が敢然と主導権を奪う。引いた眞杉と古性優作で4番手が重なる。一度はペースを落とした島川が再度踏み上げるが、最終ホームで古性が外併走から仕掛ける。古性は清水裕友(写真)に大きく外に振られると、2コーナー手前で清水と佐藤慎太郎の間に切り込んで内から清水を弾く。しかしながら、当たられながらもまくった清水が、古性を退けた。
 「島川君のおかげですね。スタートは雨谷(一樹)さんが早かったので、(前を取るのを)あきらめました。でも、島川君が出切ってくれたんで、あとは僕のところで(眞杉が)粘る可能性もあるかなと。引いてくれたら(眞杉は)古性さんと併走になるかなっていうのがありました。車間を空けながら確認していたら、古性さんが仕掛けた。(古性をブロックした)感触が良かったんで止まったかなって思った。外にいたのに…。(自分が)飛ばしたのに、飛ばされた。理解するのに時間が掛かりました。(古性に内から当たられたけど、最終2コーナーで)下り切ろうと。最後はいっぱいで食われるかなと思ったけど、なんとか乗り切れた」
 あおりで三谷竜生が古性との連結を外す。近畿勢に付けた佐藤壮は、前に踏み込んで最終2コーナーでは吸い込まれるように同期の古性の後ろに取りつく。直線ではいっぱいも、佐藤慎に踏み勝ち3着に入った。
 「また恵まれました。同期の古性さんはグランプリも優勝しているし、信頼して(3番手を)付いていけばいいかなと。道中アクシデントがあったけど、自分は外を踏む脚がない。いければ内をって思ってました。(佐藤慎のところは)ビビりながらで、最後の4コーナーをヘロヘロで回った。(感触は)悪くないと思います。この状態を保ちながら、(準決で)さらにいい経験ができるように」