『第20回サマーナイトフェスティバル(GII)レポート』 前検日編

配信日:7月13日

 松戸競輪場で令和6年能登半島地震復興支援競輪「第20回サマーナイトフェスティバル(GII)」が、7月13日からナイター開催で始まる。S級S班9人をはじめトップ選手が激突する3日間は目が離せない。「ガールズケイリンフェスティバル2024」も松戸33バンクが舞台でスピードバトルは必至だ。7月12日前検日は、ガールズ21人、男子81人が松戸の集まり、翌日からの戦いに備えて、選手それぞれが入念に調整を行った。
 サマーナイトフェスティバルのシリーズは、開催中の毎日、地元の松戸グルメが集結するグルメキッチンカー、未確定車券抽選会、レース予想会、お子様向け縁日、エアーアドベンチャーなど、たくさんのイベントが行われます。また、13日の初日には「パピプペポは難しい」のアイドルライブ、「PURE-J」のプロレス興行などが予定されています。松戸競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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坂口楓華選手
坂口楓華選手
 3場所前のパールカップは152着で優出を逃した坂口楓華(写真)だが、その後は松阪、地元の豊橋を連続で完全V。6連勝で今シリーズに弾みをつけた。
 「豊橋は地元だったんですごく緊張したなかだった。(決勝は)相手が強い新人(仲澤春香)だった。実際に強くて、いまの私をすぐに超えてしまうだろうけど、いまの力では勝てる自信もありました。(そのあとの)練習は変わらず、いつもの通りにやってきました。状態は悪くない。あとは自分のなかでのメンタルだと思います」
 小林莉子は、前回の京王閣を151着。決勝では人気に応えて地元でのV獲りだったが、予選2は絶好の2番手を確保しながらも最終バック付近からかぶって5着に敗れた。
 「(前回の)2日目は内に詰まってしまって5着になってしまった。レースがヘタクソだったし、あらためて気をつけなきゃいけないなと。刈込(奈那)さんを追った時に、風もあって意外と脚を使ってしまった。けど、(決勝は)なんとか地元優勝ができた。今回は33バンクで難しいけど、頑張りたいですね。練習はいつも通りにやってきた」

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児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 決勝進出ならずの3場所前パールカップの241着だったが、成績以上に内容の濃い走りを児玉碧衣(写真)が披露。前回の小倉では、力通りの3連勝。ガールズケイリンフェスティバルは優勝のない大会だけに、ラストでV獲りの思いも強いだろう。
 「(前回は)結果は完全優勝だけど、初日から自転車と体がかみ合ってなかった。違和感があって徐々に良くなっていったけど、それが(全部は)取れない感じだった。そこから中4日で練習もやってきた。(今回は)うまくかみ合ってくれたらなと。ちょっと背中が硬い感じがあって、たぶん自分の体の問題だと思います。ケアはしている。(前回の決勝は上がりタイム)11秒8だし、(最終)3コーナーを乗り越えられたのも自信になった。今回も自信をもっていきたい」
 松戸をイメージして同じ33バンクの奈良でのトレーニングも取り入れた尾方真生は、前回の大宮からの変わり身もありそうだ。
 「(前回は)モーニングだったのもあって、朝が苦手なんでみんなの仕掛けに遅れてしまった。脚自体は悪くなかったし、今回はナイターなのでしっかりと頑張りたい。(前回のあとは)松戸が33バンクなので、奈良で日野未来さんと一緒に練習をさせてもらいました。それでバンクのカントにも、いつもより慣れたかなと思います」

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石井貴子選手
石井貴子選手
 ここ数年は落車による怪我の影響で苦しい思いを味わってきた石井貴子(写真)は、3場所前のパールカップでGI初制覇。ガールズケイリンフェスティバルは19年の別府で制していて、地元で2度目を目論む。
 「(前回は)かなり気温が上がってたんで、(ドームの)小倉でも空調があんまり利かない感じで、体調管理に戸惑う日もありました。(そのあとは)体調にもとくに変化はなく、練習も松戸バンクが使えた日に1日だけ入りました。(初日は)集中して自分のできることを精いっぱいやっていきたい」
 當銘直美は、3場所前のパールカップで予選、準決を連勝。GIで存在感を見せた。その後も連続完全Vと乗れていて、今シリーズも期待が膨らむ。
 「完全優勝ができたのも、(前々回の)四日市が初めてだった。なんとかいい流れでこられた。いままで一番(いい時の走り)が時々だったのが、結構、出せるようになってきた。練習は変わってないけど、戦う相手に弱気なところもあった。それをなくして、いまだって思ったところで踏めるようになった。それが(結果に)つながっているのかなと」

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寺崎浩平選手
寺崎浩平選手
 前回の豊橋FIを323着の寺崎浩平(写真)は、新たな境地を見据えてのシリーズだったようで、こう振り返る。
 「(前回の調子は)可もなく不可もなくでした。ただ、先行とまくりだけじゃダメだと思って、位置を取ったりとか、しっかりと併走をできるようにやっている。(中15日あって)しっかりと練習をやってきました。疲労もたまってきてはいる。サマーナイトフェスティバルというよりは、オールスターとかのちのちの大きいレースに向けてやっている感じです」
 前回の高松宮記念杯を12433着とまとめた山田久徳は、左鎖骨のプレート除去手術のために、次の取手記念を欠場。3週間以上空いてのローテーションになる。
 「(高松宮記念杯は)展開と着はまあまあ良かったけど、自分の脚のなさを痛感しました。(手術をして)痛みもあったけど、それなりに練習をしてきた。自分が思っているより、調子は上がってない感じもありますね」

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犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 犬伏湧也(写真)は、前回の小松島記念を9231着。中四国地区の清水裕友とは別線を選択して小倉竜二との2車のラインになったが、一撃にかけて地元記念初制覇を遂げた。
 「(前回は)動きも悪くなかったと思います。(決勝は)一発どこかで行けるところで行こうと。落ち着いて運べたかなと。そのあとは(中4日で)ケアを入れつつ、練習も1、2日くらいはやった。(感じは)変わらずです。(松戸は)先行有利なバンクだし、立ち遅れないようにしたい」
 前回の取手記念では決勝でシンガリに沈んだ小林泰正だが、結束した関東5車ラインの先頭で果敢に風を切った。
 「取手の最終日に若干、腰痛があった。それで(小松島記念を)欠場しました。2日間くらい休んで、腰の状態は普通になった。そこから練習をしてきたんで、(感触は)悪くないと思います。ただ、(取手記念の決勝は最終)2コーナーくらいまで自分がもてば、(ラインで)ワンツースリーを決められたかもしれない。もうちょっと自力がほしいですね。疲れが取れれば、前回よりもいいと思います」

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窓場千加頼選手
窓場千加頼選手
 GIの舞台での課題はありながらも、前回の高松宮記念杯では一次予選の2走ともに2着で3走目は白虎賞に進出。ビッグでも窓場千加頼(写真)に落ち着きが感じられる。
 「白虎賞では(別線だった)古性(優作)さん、脇本(雄太)さんに力及ばずで課題がみえた。いろいろ経験をしたことでみえたものがあったかなと。ただ、高松宮記念杯が終わったあとは体調を崩してしまって、扁桃腺が腫れた。それで(取手記念は)欠場をさせてもらいました。(ビッグでは)しっかりと挑めているし、ずっと課題にしている隙のないレースっていうのができているのかなっていうのもあります。(日にちがあったんで)ベースづくりから、追い込んだ練習ができた」
 坂井洋は前回の小倉FIで新車を投入したが、その感覚を見つめ直して今シリーズは自転車を戻す決意を固めた。
 「(前回は)新車だったけど、セッティングをあんまり出し切れなかった。ぶっつけ本番だったのもあるんですけど、(フレームの)寸法も違うのでセッティングが出しづらかった。まだ煮詰められてないかなと。それで今回は戻します。(前回のあとは)いつも通りの練習をして、ウエートトレーニングも2回入れてきました」

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吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 吉田拓矢(写真)は、前回の取手記念を2日目から3連勝。通算6回目のGIII制覇で地元記念を初優勝。5車で結束した決勝は3番手回り。ラインに感謝しきりで振り返る。
 「(前回は)自分の状態は悪くなかったけど、前のおかげで勝てたレースですね。ありがたい、その言葉しかないです。(そのとは)街道もバンクも室内も全部やっていい練習ができた」
 3月の大宮FI以来、今年3度目となる優勝を前回の京王閣FIで遂げた武藤龍生は、不安を抱えながらの3日間だったようだ。
 「(前回は)前に痛めた股関節を初日のウォーミングアップ中に痛めて、どうなるかなって思った。でも、高橋(築)君のおかげで優勝ができた。痛みが出て、サドルまわりを調整したら、それがハマった。(そのあとは)良く休んで普通に練習できるようになったんで、大丈夫だと思います」

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岩本俊介選手
岩本俊介選手
 地元でビッグ制覇の期待がかかる岩本俊介(写真)は、5月の日本選手権の準Vで大きく賞金を加算。獲得賞金ランク6位と初のグランプリ出場も視界に入っているだけに、大事なシリーズにもなってくる。
 「(前々回の落車の)怪我は擦過傷と打撲くらいで済んだ。軽傷でした。でも、(前回の小松島記念が)悪かった。久しぶりの自力でピリッとしなかったですね。練習は変わらずに同じ量をこなしてきている。1回、崩したリズムを1走いいレースができれば戻せるかなと。前回は違う自転車を使ったけど、今回は戻します。落車して(自転車を変える)タイミングが悪かったんで元に戻します」
 松井宏佑は、小田原FIを211着。続く豊橋FIを112着。直近のFIで抜群の成績を残している。
 「(前回は)うまくレースをつくって走れたかなと思います。(決勝は)自分のタイミングで行けてれば、ラインで決まってたレースかなと。(仕掛ける)タイミングが良くなかった。でも、森田(優弥)君を乗り越えていけたんで、脚はそんなに悪くなかった。今回は結構、(練習を)追い込んできた。昨日(前検日の前日)はケアもしたんで、あとは結果が出てくれれば」

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山口拳矢選手
山口拳矢選手
 山口拳矢(写真)は、前回の取手記念で2勝をマーク。脇本雄太を目標にした決勝は、脇本が不発のなかで3着。シリーズを通して動きは軽快だった。
 「(前回は)自転車を戻して、それが正解だったかなと。(決勝は脇本に)惰性をもらいつつのスピードだった。ただ、(最終)3コーナーを乗り越える力がなかった。(そのあとは)体調も問題なく、いいスピードで練習ができた。いままでよりはいいかなと思います」
 前回の小倉FIでは初日特選、準決を連勝。守澤太志はそこから中4日のスケジュールで状態はどうか。
 「(前回は)着に関しては、展開が良かっただけですね。(状態は)だいぶ良くなってきて、レース中に余裕もあるし動けているのかなと。そこからは中4日だったんで、疲れを取ることと体の使い方を意識して軽めに練習をしてきました」

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新山響平選手
新山響平選手
 前回の久留米記念のあとはピスト6にも参戦した新山響平(写真)は、33バンクにも難なく対応できるだろう。
 「(久留米は)あんまり感覚が良くなかった。そこを修正するように練習をしてきました。ダメなところを重点的に練習してきました。乗り方ですかね、体がうまく使えてなかったかなと。だいぶ感覚は良くなった。ピスト6で250バンクを走ってたんで、(松戸は)それよりカントがゆるい。楽しかったし、刺激も入りました」
 函館GIIIを間に挟み3場所連続優勝中の阿部将大は、競走得点も急上昇。S級S班が相手の初日の立ち回りが注目される。
 「(前回の高松FIは)初日、2日目は積極的に走れているし、感じも悪くなかった。FIでもあったし積極的にっていうのはありました。(そのあとは)しっかりと練習ができました。(松戸は)走ったことがないんでわからないですね」

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佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 前回の小松島記念を1122着。近況は白星が遠ざかっていた佐藤慎太郎(写真)が初日特選から連勝。決勝も新田祐大のまくりは別線の猛ブロックに阻まれたが、2着に伸びてきた。
 「(前回は)体も反応していたし、今年のなかではいい方だったと思います。波があるんで、その波がいい方にレースで当たってくれれば。(練習で)変わったことはしてないし、(この成績の要因は)気持ちの方が大きいのかなと自分では分析しています」
 その新田祐大は、小松島記念の決勝で山田英明のブロックで9着。抜群のスピードだっただけに悔やまれる。
 「(小松島記念の決勝は)もちこたえることができなかった。けど、(調子は)悪くないのかなと。(そこから中4日で)練習は次の日からやりました。体調面も悪くないと思います」

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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 サマーナイトフェスティバル4連覇がかかる松浦悠士(写真)は、自然と今シリーズに向けて上昇カーブを描いてきている様子。昨年のグランプリチャンプは前半は怪我に泣かされただけに、相性抜群のサマーナイトフェスティバルから反撃の狼煙を上げたい。
 「(前回の久留米記念は)準決が踏んだ感じ一番良かったかなと。感覚的にはかなりいいところまではきてる。ただ、体が変わってるんで、もう別ものかなって感じはあります。(前回のあとに)1日だけめちゃくちゃいい日があった。それぐらいのデキがしっかり開催中もキープできれば、(優勝が)獲れるかなと思います。やっぱり3連覇してるだけああって、自分が思っている以上に勝手に状態が上がってきたなって感覚はありますね」
 北井佑季は前回の高松宮記念杯で、郡司浩平の番手から自力に転じて初タイトルを獲得。しかしながら、ゴール前でバランスを崩して落車にも見舞われた。
 「(高松宮記念杯の決勝の落車は)転んだ勢いのスリ傷だけで、いまはもう大丈夫です。(久留米を欠場して3週間以上空いて)本当にいつも通りに。体調もいつもと変わらずにって感じですね。400バンクより33バンクの方が前に出切ってしまえばコーナーがすぐ来る。間違いなく先行有利なバンクだとは思うので、好きなバンクですね」
 前回の久留米記念決勝で九州ライン3番手を固めた山崎賢人が、2度目のGIIIを制覇。初日特選は単騎になったが、一撃の魅力はたっぷりある。
 「(久留米記念の優勝は)ラインのおかげでした。自分の調子は日に日に良くなっていっていたので、しっかり戦える感じはありました。(ラインの3番手は)難しいですね。悪くないのはあるんですけど、いろいろ考えることがたくさんあったので勉強になりました。(前回のあとは)ナショナルチームで練習させてもらいました」