『第16回寛仁親王牌(GI)レポート』 2日目編
 
配信日:7月1日
 

 グリーンドーム前橋で開催中の第16回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントは本日が大会2日目。二次予選A、Bの計6個レースで準決勝への勝ち上がりを争った。全員が準決勝に勝ち上がれるメインの「ローズカップ」を制したのは山崎芳仁。北津留翼の先行を三番手から鋭くまくり、今シリーズ初勝利を飾った。
  明日もファンサービス、イベントが満載。先着3000名様にスクラッチカードを配布し、1000名様にオリジナルTシャツをプレゼント。4、8レース終了後には矢口美香民族舞踊ショーが行われます。ぜひ、グリーンドーム前橋にご来場ください。



ローズカップ・レース経過

 北津留翼が誘導に付き正攻法。隊列は北津留―兵藤一也―金子貴志―小嶋敬二―渡辺晴智―山崎芳仁―伏見俊昭―佐藤慎太郎―有坂直樹と並び周回が進む。
  青板バックから山崎が早々と上昇して中団の金子を押さえると、正攻法の北津留が突っ張って赤板を通過。山崎は三番手外に粘り、金子と併走状態となったが山崎が三番手を確保した。その際、伏見―佐藤―有坂が一旦離れてしまったが、その後伏見が猛然と追い上げると同時に最終1センターから山崎がまくり発進。山崎は三角前に北津留をまくり切るとあとは後続を振り切った。2着は三角で伏見をドカした兵藤、3着には伏見から兵藤に切り替えた佐藤。

ゴール
表彰式
ゴール
表彰式


<2R>
三ツ石康洋選手
三ツ石康洋選手
   敗者戦の2レースは前団のもつれを三ツ石康洋(写真)が豪快にまくり切った。
  「梶山(裕次郎)君は師匠(池尻浩一)が付いているから積極的に行くと思っていたけど、村上(博幸)さんも積極的でしたね。自分はたまたま脚を使わず、いい位置に入れただけ。ホームで仕掛けるタイミングがあったのに、動けなかった。でも、ワンツーを決められたし、感じもだんだん良くなっています」


<3R>
岡村潤選手
岡村潤選手
   3レースは岡村潤が先行。番手の海野敦男がきっちり勝機をモノにした。
  「岡村とは本当に相性がいい。ワンツーは3回目で、僕は4戦3勝で着外ゼロ。今日は岡村が勝てるように走ってくれれば良かったけど、先行してくれました。最後は抜き損じたと思ったが、何とか勝てました」
  2着の岡村潤(写真)は「結果はいいんですが、感じはあまり良くありません。練習をやり過ぎてしまい、ちょっと疲れがまだ残っていますね。最後に踏み直せなかった。でも、昨日よりは軽かったし、日に日に良くなっていくと思います」。


<5R>
武井大介選手
武井大介選手
   5レースは武井大介(写真)が後方から力強くまくり、激戦を制した。
  「浜田(浩司)さんを出させて中団を取ろうと思ったけど、松山(勝久)さんがすぐに引いて巻き返したので、後方になってしまいました。脚は重いし、なかなか前に進まなかったので、(鈴木)誠さんに内から行かれてしまうと思いました。これだけモガいたので、明日はもっと良くなるはず」
  鈴木誠がしぶとく食い下がって2着を確保した。
  「9番(松山)がやる気満々だったし、(武井が)まくりになったのは仕方がない。でも、あれだけ強いんだから、慌てずに落ち着いて巻き返した方が良かった。もうダメだと思って内ばかり見ていた」


<6R>
佐藤朋也選手
佐藤朋也選手
   二次予選Bの6レースは5人が落車する大波乱のレースとなった。勝ったのは中団の四番手からまくった佐藤朋也(写真)だった。
  「主導権を狙っていたけど、中団が取れたし、松田(優一)君も緩めずに駆けましたからね。落ち着いて走れたし、ダメでも1センター辺りから仕掛けようと思いました。6月に入ってから結構練習できていたし、その成果が出ています。GI初出場で準決勝に乗れるなんてデキ過ぎですね。明日は思い切って仕掛けるだけです」
  地元の金子真也が関東三番手から2着に突っ込んだ。
  「松田(優一)と小橋(正義)さんのお陰です。自分はとにかく三番手の仕事をして最後に突っ込むだけでした。地元だし、やっぱり気合も入りますね。力は落ちていないと思うので、明日も精一杯頑張ります」


<7R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   7レースは赤板から先行の佐々木雄一に乗った岡部芳幸(写真)が、中川誠一郎のイン粘り、志智俊夫の追い上げをしのいで1着ゴール。しかし、逃げた佐々木を2着に残せず表情は硬い。
  「3コーナーで内から来たのが誰か分らなかった。中川だったら慌てなくても良かったのに…。もっと余裕が持てれば完璧だったし、ワンツーを決められたと思う。経験不足ですね。雄一には申し訳なかったし、責任を感じてます。感じですか? 日に日に良くなってます」
  2着には中川後位から岡部にスイッチした西川親幸が。「誠一郎は最近、GIで目立ててないし、悪い時は何もせずに負けることが多い。だから今日は前々に踏んで行こうとだけ言っていました。それが結果的にイン粘りになっただけで、2周駆けるつもりだったと思いますよ。後輩が頑張ってくれたし、その気持ちが嬉しい。よくやってくれました」と後輩の頑張りを素直に喜んだ。


<8R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   8レースは岡本大嗣が先行すると、中団はインに佐藤友和、アウト井上昌己で併走になる。そのまま岡本が上手くペースで駆けたが、最終1センターで井上をドカした佐藤友和(写真)が目の覚めるような二角まくりを決める。
  「もし井上さんが打鐘で行ってたら終了だったけど、こだわってくれたので助かった。そうなるだろうと思ってはいたけど、最後は相手の腹ひとつですから。そこが不安でした。稲村(成浩)さんとの相性はいいと思うし、決まって良かったです。こんな競走を見せるのも今後にはプラスになると思う」
  2着に続いた稲村成浩も地元で準決勝進出を決め、ホッとした表情を見せる。
  「友和は競れるから、七番手に下げるより、あれでいいと思ってました。でも内は脚を使うし、緊張しましたね。今日は前と後ろ(飯嶋則之)のおかげです。来る前に(兵藤)一也、手島(慶介)や矢口(啓一郎)と一緒にやって感じが良かったし、これでベスト27。あとは展開と、チャンスを逃さないように頑張ります」
  逃げた四国勢にもチャンスはあった。番手を回った室井竜二は、「岡本が上手く駆けてたし、惜しかったね。バックでもう少し掛かってれば面白かった」と悔しがった。


<9R>
成田和也選手
成田和也選手
   ここからは二次予選A。9レースは渡辺一成の先行を利した成田和也(写真)が絶好の展開をモノにした。
  「榊枝(輝文)さんにも任せてもらったし、先行してくれた渡辺君のおかげです。いい流れになりました。これからは番手とかも回っていきたいので、良い着を取らないとと思ってたのでホッとしてます。できればラインで決めたかったし、できる限りのことはしたけど。これを生かして、二人のためにも明日は頑張りたい。体調も良いし、明日は力を出し切って頑張ります」
  2着には荒井崇博の番手から中バンクを強襲した小野俊之が入線した。
  「荒井には特に何も言ってないし、今は荒井が流れに乗ってるから、それに上手く乗っていくだけ。荒井がああ動いてくれて、自分のコースが空くのも流れだしね。成績には出てないけど、戦える脚にはあるから準決も流れに乗りたいね」
  四番手まくりの海老根恵太から成田後位に上手く切り替えた内田慶が3着をキープ。
  「渡辺君はかかってましたね。ホームじゃ行けない感じだったし、海老根さんが外に行ったら内に行こうかなくらいの余裕はありました。直前にしっかり練習と調整ができたので、今回はやれる自信があった。余裕を持って走れてますね」
  人気の荒井崇博は4着で準決勝へ。
  「稲垣(裕之)さんが行くと思ったけどね。危なかった。あそこから外を行ったら飛ぶと思ったし、小野さんと同じコースを踏んだ。とりあえず小野さんと4着までに入れてホッとしました」


<10R>
手島慶介選手
手島慶介選手
   10レースも出入りの激しいスピードバトルが展開された。主導権を握ったのは永井清史。昨日の快走に続き、ケレン味のない先行勝負で準決勝進出を果たした。
  「大森さんが流していたところで一気に行きました。矢口さんの動きも見えていましたよ。今回は本当に宮杯より踏めています。それでも最後は一杯でしたが、何とか踏みとどまれて良かったです」
  1着は浜口高彰がゲット。2車での先制ながら要所でのブロックで後続を阻んだが、「そんなに余裕があったわけじゃないですけどね。ただレースは見えていました。タマタマですけどね」と、いつも通り飄々としたコメントを残す。
  地元の手島慶介(写真)は苦しい展開をしのいで準決勝に進出。「前が矢口じゃなきゃシビアに行ってたけど、頑張って踏んでいたのでギリギリまで待ちました。バックを踏んでから仕掛けたので苦しかった。来る前にきつく練習したからもうちょっと余裕があると思ったんだけどな」と振り返った。


<11R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
   最終4コーナーで大量落車が発生した11レース。渡部哲男(写真)が力強いまくりで関東勢を粉砕した。
  「伊藤(保文)さんが粘ると思っていたんですが、展開は考えていたのと全く違ってしまいましたね。打鐘過ぎにカマしてやろうと思っていたんだけど、全然緩まなかった。最終ホームしか行くところがありませんでした。神山(雄一郎)さんが車間を空けていたでしょう。あれで緩んだので、チャンスだと思いましたよ。最後、武田(豊樹)さんのブロックは効きました」
  一方、2着の後閑信一だが表情は硬い。「前の二人に頑張ってもらったのに、自分だけこういう結果になってしまい申し訳ない」とだけ言い残し、足早に検車場を後にした。
  思わぬ形で準決勝の権利を手にした富永益生は「落車で今一つの時にこういうツキが来るなんて。でも貰ったチャンスは生かしたい。明日は番組的にも頑張れると思うので、決勝進出を目指します」。


<12R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   最終12レースは全員が準決勝に進出するローズカップ。だが、レース展開は激しさを極めた。思わぬ形で三番手を確保し、まくりで勝利した山崎芳仁(写真)は「タマタマですね。必死に踏んだ結果です。北津留が突っ張りそうだったので、どうせカントで止まってしまうだろうし、コーナーに掛からないよう遅めに仕掛けました。伏見さんが付いてきてないのは分かりました。(伏見が)仕掛けたのを見て慌てて踏んだ感じ。きつかったですよ。体の状態は悪くないですね。昨日よりは感じいいですね」。
  駆けた北津留翼は「初手の位置取りを失敗してしまいました。叩いた上をすかさず行く予定だったんですが、前を取るのは作戦になかったんですよ。カマしても出切る自信がなかったので、もう突っ張るしかないって感じでした。いずれにしても、2車だけど先行するつもりでした。調子は微妙だけどいつも通りです」。
  前を任せた兵藤一也は「北津留君と話した作戦の中にはスタートを取るというのはなかったので、どうするのか心配でしたよ。真後ろに山崎君が入ったのは分かっていたんですが、あれは止められませんね」。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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