『第25回読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)レポート』 前検日編
配信日:7月31日
サマーナイトフェスティバルから中5日。大垣競輪場に再びビッグネームが集結した。全日本選抜競輪(G1)は明日8月1日に開幕する。山田裕仁、山口幸二を筆頭に鉄壁の布陣を敷く地元中部勢に他の勢力がどう対抗するかが最大の見せ場となるシリーズ。充実の関東ライン、伏見俊昭が牽引する北日本勢も覇権を狙い虎視眈々だ。灼熱のG1戦から目が離せない。
開幕初日はプロレス「ドラゴンゲート」の試合が盛り上げます。緒方浩一さん、内林久徳さんによるトークショーも開催。先着2,000名様にはスポーツタオルもプレゼント。ぜひ大垣競輪場に足をお運びください。
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吉永和生選手
約一カ月ぶりの実戦となる
吉永和生(写真)
は、メンバーを見て長考に入った。
「難しいメンバーですね。ラインの目標がないんで、逆に縛られないっていうように前向きに考えた方がよさそう。番手にこだわるよりも、中団から踏めるところを探していった方がいいのかな。前回(前橋S)の最終日にはカマシ先行したんですよ。上のクラスではタテ脚がないと通用しないと痛感した結果、ギアをかけて一発やってみようと思ったんです。G1でうまくいくことはないだろうけど、何でもやっていくつもりです」
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阿部康雄選手
今回の
木暮安由
は明るい表情だ。ここ三場所、1着から見放されているが、「ちょっとしたことで変わるんですね。今回は、いい位置を取って仕掛ける」とスランプ脱出の気配だ。
木暮に託す
阿部康雄(写真)
。連係実績は多い。
「前回も一緒に走ってますからね。彼は練習不足と言うより、オーバーワークが心配なんです。練習量が半端じゃないみたいだし、G1ってことで余計に根を詰めてきますからね。あとは、急に視界から消えることがあるので(笑)、そこだけ集中してますよ」
坂上樹大
は自然体を強調する。
「前回は新車だったけど、今回は元に戻しました。もちろん感じ次第では変えることも考えてますけど。間が空いてなかったので、とにかく普通に練習してきました。疲れは感じていないですよ」
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武井大介選手
新田祐大
は強行軍にもめげず、積極的に戦いたいと話す。
「条件はみんな同じだし、それを言っても始まらないですからね。ダービーから新車を使い続けていたんですが、親王牌から元に戻しました。決してフレームのせいじゃないんですけど、やっぱりどこかしっくり来なかったから。今はデビュー当時に乗っていた自転車。これで先行基本に戦っていきたい」
武井大介(写真)
は、「前回(優勝した取手S)は展開に恵まれましたね。これからは追い込みとして頑張っていきたいけど、何でもかんでも競るんじゃなくて、1着にこだわっていきたい。南関で追い込みとして認められるよう、アピールしていきたいですね」
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北津留翼選手
このところ4走連続で9着と極度の不振に陥っている
北津留翼(写真)
だが、「レースが続いて練習不足だったのと、急性気管支炎になったのが一番ですね。どうも体調を安定させられないんですよ。今回は久しぶりにゆっくり乗ってこられたので、体調は仕上がってると思います」
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村上博幸選手
「なんだかいつものG1とは感覚が違いますね」と
村上博幸(写真)
。
「こんなにビッグレースが続いたことはないから、なんだか同じメンバーでずっと走っているように錯覚しますね。緊張感はないんだけど、逆に気が抜けたようになってしまう。もう一度引き締めないと。宮杯から脚の感覚はずっと良いので、こういう状態の時に決勝戦に乗りたいですね」
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山口貴弘選手
川崎SNFでは3.85のギアを使った
山口貴弘(写真)
だが、「今回は元に戻しますよ。長塚(智広)君に言われて練習では大ギアを使っていたんですが、やっぱり実戦では感覚が違う。7月宇都宮Sの準決勝で久しぶりに自力を出したら感じが良かったので、状態は上向いていると思います。明日は幸田さんと一緒だし、しっかり前々に踏んでいきたい」
廣川貞治
からはこんなこぼれ話が。
「7月から使える部品がかなり減ったんですよ。僕は面倒なので思い切って新しい部品に全て変えた。ペダルなんて20年間変えてなかったんですが、思い切って新しいモノにしたらいきない京王閣で優勝でしょう。分からないもんですね。それからずっと感じが良いんです」
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東口善朋選手
東口善朋(写真)
は久々のビッグ出場に燃えている。
「ダービーは何が何だか分からない状態で、自分の競走ができなかったけど、今回はもう大丈夫。あの時期は戦法にも迷いがありましたね。自分のタテ脚を生かして行く方向しかないと腹も決まりましたよ。しっかり勝ち上がりを考えて走ります」
矢口啓一郎
も仕上がり十分と敢闘を宣言する。
「稲村さんや兵藤さんと練習してきたんですが、今回は自分でもしっかりやってこられたと思います。感じは良いし、しっかりした内容のレースができそうですよ」
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内藤宣彦選手
前回、SNFで決勝に進出した
内藤宣彦(写真)
だが、「ああいう形で決勝に乗った次の場所は、意外に取りこぼしてしまうことが多いんです。そこだけ気を引き締めないとね」と話す。
得点急上昇の
室井竜二
は「今回は良い感じで間隔をとれたので楽しみ。(佐々木)ノリ次第だけど、空いたコースを逃さずしっかり踏み込みたい」と強気なコメントだ。
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吉田敏洋選手
このところ番手を回る機会も増えた
吉田敏洋(写真)
だが、「やっぱり前で走る方がいい」と思わず苦笑。
「サマーナイトの初日は僕のミスだと思うし、レース後は山田さんに色々とアドバイスしてもらえました。もちろんラインを固めなきゃいけない時はしっかり走りますけど、やっぱり前で走る方が楽ですね。ただ僕もそういう歳になったということなのかな。練習自体はやれているし、直前にここ(大垣)でも乗れたので問題はありません」
中井達郎
は二場所連続で優参と調子を上げている。
「ようやく落車の影響もなくなってきたし、練習メニューを少し変えた効果が出てきたと思う。宮杯からフレームを換えたのも良かったのかな。柔らかく感じて変えたんだけど、しっかり踏めている事の裏返しだと思います」
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山口幸二選手
今回、主役を担う一人・
山口幸二(写真)
はさすがに緊張を隠せない。
「口ではリラックスと言っても、やっぱり地元は違いますね。何年やってもこの感覚には慣れない。競輪場に来るのもできるだけ遅らせたかったぐらい。入ったら始まっちゃうからね(笑)。プレッシャーはありますよ。初日が勝負になりそう」
山口と連係の
浅井康太
は中5日だが「雨が続いたんで、量はこなせなかったですね。でも、久しぶりに休養が取れたと良いように考えます。大垣での合宿ではタイムも悪くなかったですよ。初日特選だとチャレンジャーの気持ちで走れるから全く緊張がないんです。昨日、久しぶりにゆっくり長い距離を乗れたので、疲れを取って備えますよ」
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永井清史選手
永井清史(写真)
が闘志を燃やす。今年の目標と公言していた今大会に全力を注いできた。
「最近は午前中にガッツリ練習して、午後はバンクで調整というパターンが多かったんですが、今回も同じやり方で調整してきました。気合は入ってますけど、オリンピックの時よりは緊張してませんよ(笑)。最近は調整方法も分かってきたし、不安は全くないですね」
近況充実の
成田和也
も自信をにじませるコメント。
「状態は良いですよ。今まで、コース取りに甘いところがあったと思うけど、最近はそれがなくなった。競走に自分の形ができてきました。スピードが上がれば上がるほど、自分の持ち味を生かせる。前回の(佐藤)友和は今ひとつだったけど、調子が悪い訳じゃないってのは知っているから」
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平原康多選手
SNFを欠場した
平原康多(写真)
だが、大垣には元気な姿を見せた。
「そんなに休まず練習できたので、戦える状態には仕上がっていると思います。でも(SNFを)テレビで見てて、涼しい中で競走ができるし、羨ましくて仕方なかったですよ。溜まったエネルギーを一気に出せれば。雨の中でも練習してましたからね」
ついに競走得点が130点を突破した
伏見俊昭
は過密日程に不安を漏らす。
「心配なのは疲れだけですね。体だけじゃなく、精神的にもね。サマーナイトは1着上がりなので、かなり集中しましたから。中5日はしっかり練習してきましたよ。ジムにも行ったし、雨の中でも車誘導をこなしてきました。今の点数がバブルだったなんて言われないように、この状態を維持していきたい」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
写真撮影:日刊プロスポーツ新聞社 Takuto Nakamura
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